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2017年1月28日土曜日

米国オクラホマ州でタンク清掃時に落下物が作業員を直撃、負傷

 今回は、2017年1月17日、米国オクラホマ州デルシティにあるオーエンス・コーニング・トラムバル・アスファルト社で清掃中のタンクにおいて起った落下物による人身事故を紹介します。
(写真はKfor.comから引用)
< 発災施設の概要 >
■ 事故があったのは、米国オクラホマ州デルシティ(Del City)にあるオーエンス・コーニング・トラムバル・アスファルト社(Owens Corning Trumbull Asphalt)のアスファルト・プラントである。

■ 発災したのは、デル・シティのNE4番通り3400番地にあるアスファルト・プラントのアスファルト貯蔵タンクである。当時、タンクは清掃工事のため開放されていた。
デルシティのオーエンス・コーニング・トラムバル・アスファルト社付近
(写真はGoogleMapから引用)
< 事故の状況および影響 >
事故の発生
■ 2017年1月17日(火)午後3時30分頃、清掃工事のためタンク内で働いていた作業員のひとりに落下してきたものが当たり、負傷した。タンク清掃は工事請負会社が行っており、当時、二人に作業員がタンク内にいた。

(写真はNewsok.com から引用)
■ 事故の発生を受け、デル・シティ消防署が現場へ出動した。消防隊員は、負傷者を固定し、タンク側板にあるマンホールから救出した。負傷した作業員は意識を失ったが、その後意識が戻ったようで、診察と治療のため病院へ搬送された。

被 害
■ 作業員1名が落下物によって負傷した。負傷の程度は不詳である。

< 事故の原因 >
■ タンク内での落下物による人身災害であるが、原因は不詳である。 

< 対 応 >
■ 事故の発生を受けてデル・シティ消防署が出動し、負傷者を救出して病院へ搬送した。

■ オーエンス・コーニング・トラムバル・アスファルト社は本件についてのコメントを出していない。  

補 足
■ 「オクラホマ州」は、米国南中部にあり、人口約375万人の州である。州都および最大都市はオクラホマシティである。
 「デルシティ」(Del City)は、オクラホマ州の中央部にあり、オクラホマシティの都市圏にある。人口は約21,000人の市である。
(写真GoogleMapから引用)
■ 「オーエンス・コーニング・トラムバル・アスファルト社」(Owens Corning Trumbull Asphalt)は、建築資材メーカーのオーエンス・コーニング社と屋根用アスファルトなどを取扱うトラムバル・アスファルト社の合弁企業である。オーエンス・コーニング社はアスベスト製品の医療賠償責任で2000年に倒産したが、その後、再建している。トラムバル・アスファルト社はオーエンス・コーニング社の傘下に入っているが、オーエンス・コーニング・トラムバル・アスファルト社の経営組織はよくわからない。

■ 事故のあったタンクの大きさを報じた情報はなかった。グーグルマップで発災場所を確認すると、8基のタンクがあり、直径約10.5m×7基、直径約16.5m×1基である。従って、容量を推測すると、1,200KL級×7基、4,500KL級×1基である。しかし、事故のあったタンクを特定できる情報がなく、どのタンクかは分からない。
             発災のあったアスファルト・プラント    (写真はGoogleMapから引用)
所 感
■ タンクの開放工事中に事故や人身災害が起こることはめずらしいとはいえない。しかし、当該事故のようにタンク内部にいた作業員が落下物に当たって負傷するという事例は聞いたことがない。タンク開放に伴って資機材を搬入する場合、通常、タンク側板のマンホールを使用する。従って、作業のための資機材が落下した可能性は低い。
コーンルーフ式タンク屋根の梁部の構造例
(写真はEfficient-trotech.co.za から引用)
 タンク上から落下したとすれば、固定屋根の梁などの構造部材であろう。アスファルトタンクの屋根部は腐食環境にあるが、内液が流出する恐れはないので、検査されない部位ともいえる。内液が異なるが、2016年8月に起きた「米国カリフォルニア州の製油所で硫黄タンクが爆発」事例のタンクのように屋根の外部に補強用のリブ材を施工する例もある。使用期間が長く、タンク屋根部の部材検査もされていないような固定屋根式タンクの場合、部材が落下する可能性のあるという危険性を考慮する必要があるのかもしれない。



備 考
 本情報はつぎのインターネット情報に基づいてまとめたものである。
  ・Okcfox.com,  Injured Worker Pulled from Tank at Del City Business, Transported to Hospital,  January 17, 2017  
    ・Newsok.com,  Worker Injured in Asphalt Tank in Del City,  January 17, 2017
    ・Kfor.com,  Emergency Crew Respond to Industrial Accident in Del City,  January 17, 2017   
    ・Koco.com,  Man Rescued after Falling into Asphalt Tank in Del City,  January 17, 2017
    ・Twtter.com, Delcity(OK)FireDept,  January 17, 2017


後 記: タンク清掃時の事故が続きました。発生日からいえば、和歌山県(東燃ゼネラル石油)のタンク火災より、こちらのオクラホマ州デルシティの人身事故の方が早いのですが、やはり日本の事例の方を優先しました。オクラホマ州デルシティの事故もローカルでしか報じられていないもので、事故情報としては不足感があります。その中で興味をもったのは、米国トランプ大統領のツイッターが話題になっていますが、デルシティ消防署がツイッターで事故のことを発表していることです。ただ、ツイッターはあくまで“つぶやき”であり、事故を伝えるには限りがあります。しかしながら、米国でのツイッターの広がりを感じますね。

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