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2012年2月15日水曜日

米国オクラホマ州で銃弾によるタンク火災

今回は、2012年1月29日、米国オクラホマ州キングフィッシャーにあるコンチネンタル・リソース社の油井用タンクで銃弾によって爆発・火災が起こった事故を紹介します。

後記; 防災訓練では、仮想事故を想定しますが、常識の範囲内の事故しか考えられないのが通常です。しかし、今回の事例は、世の中には常識を越えた事故が起こることを示しています。
 ところで、地元なので、何度も事故後の経過について述べてきましたが、東ソー塩ビモノマー製造設備の事故後の対応について周南市が防災検討会議で検討してきた結果が2月8日公表されました。
 それによると、事故が起きて市民に影響が生じる恐れがある場合は、市役所内に対策室を設けることとしています。対策室は、県が現地本部を作るまでの間、市長を室長として立ち上げ、避難準備などを担当するとしています。事故が起きた場合の通報先は、従来の消防に加え、環境政策課にすることとなっています。検討初期には、防災政策課を窓口とする方針だったのを、環境行政部署へ変更しています。通報内容は、有害物質の漏出や住民への影響の有無などだそうです。
 やっと、住民目線の環境行政に変わってきたようです。もう一歩進めてもらうことを期待しています。事故が大きな企業であれば、意図した通報内容が返ってくるかもわかりませんが、小さな工場で目の前の対応に追われている場合、消防のほかに通報する余裕はないでしょうし、当初は発生源が不明な環境汚染の事故もありうることを想定する必要があります。環境行政部署にはもっと勉強して自ら行動して、判断するようになることを期待したいものです。

2012年2月7日火曜日

カナダのキンダー・モーガン社の石油ターミナルで油流出

今回は、2012年1月24日、カナダのブリティッシュコロンビア州アボッツフォードにあるキンダー・モーガン社のスーマス石油ターミナルにおいてパイプラインから原油が流出した事故を紹介します。原油はカナダのアルバータ州のオイルサンドから精製された軽質原油で、エドモントンから太平洋側にあるバーナビーへ輸送するトランス・マウンテン・パイプラインで起こったもので、住民からの悪臭クレームから油漏洩が発見されました。




後記; 東ソーの事故後に“事故の連鎖”について後記で述べましたが、周南コンビナートの事故の連鎖は終わったと思いたいですね。
 周南コンビナート西端のリサイクルプラザ(市の廃棄物処理場)で2011年10月の火災発生に続いて、11月の東ソー塩ビモノマー製造設備の爆発火災事故後、2012年1月20日に総合化学メーカートクヤマ徳山製造所の廃タイヤ置き場で火災発生、1月30日に東ソー分析センター研究棟から出火、2月2日に国内唯一の石油系ワックスメーカー日本精蝋徳山工場の蒸留プラント付近から火災発生と“連鎖”が続きました。日本精蝋は周南コンビナートの東端に当たり、西から始まった連鎖はこれで終わったと思いたいわけです。
 日本精蝋の火災は朝日新聞山口版によると、発電装置のボイラーにトラブルがあり、製造工程を停止し、午後から復旧のため、製造過程で発生する重油留分の抜出し作業を行なっていたときに火災が起こったということです。(写真は「火災が起きた徳山工場、施設の一部が黒く焦げている」と解説されています)
(朝日新聞山口版から引用)