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2022年7月11日月曜日

米国ルイジアナ州のIMTT社のオイルターミナルで火災、自衛消防隊で消火

  今回は、2022612日(日)、米国のルイジアナ州セントチャールズ教区のセントローズにあるインターナショナルマテックス・オイル・ターミナルにおいて石油燃料油配管マニホールドで火災があった事例を紹介します。

< 発災施設の概要 >

■ 発災があったのは、米国のルイジアナ州(Louisiana )セントチャールズ教区(St. Charles Parish)のセントローズ(St. Rose)にあるインターナショナルマテックス・オイル・ターミナル(International-Matex Tank Terminals LLCIMTT)である。貯蔵能力は1,630万バレル(259KL)である。

■ 事故があったのは、11842リバーロード(11842 River Road)沿いにあるオイル・ターミナルの施設である。施設は石油、植物油、アルコールなどの液体製品を貯蔵するために使用されている。

< 事故の状況および影響 >

事故の発生

■ 2022612日(日)の午後845分頃、オイル・ターミナルの石油燃料油配管マニホールドで火災が発生した。

■ 施設の自衛消防隊が消火活動を行って制圧し、午後930分頃、火災は鎮火した。

インターナショナル‐マテックス・オイル・ターミナル社(IMTT)によると、同社は工場火災に対応できるよう訓練された緊急対応チームを社内に持っているという。

■ 当局によると、インターナショナル‐マテックス・オイル・ターミナル社(IMTT)はすぐの従業員の安否を確認するとともに、緊急事態対応計画を発動させた。

■ セントチャールズ教区によると、同社は施設付近の大気環境をモニタリングしており、「火災による敷地外への影響はない」という。

■ セントチャールズ教区は、午後10時頃、セントローズのタンク・ターミナル施設で火災が発生したと警報を出した。

■ 発災に伴う負傷者はいなかった。

被 害

■ 石油燃料油配管マニホールドが火災によって焼損した。内部の石油が焼失した。 

■ 負傷者はいなかった。

< 事故の原因 >

■ 火災の原因は分かっておらず、調査中である。

< 対 応 >

■ この施設では、約2年前の20207月、ポンプピットで火災を起こしたことがある。このピットは、液体を地上貯蔵タンク間の移送を行うもので、このときも負傷者は発生しておらず、大気への影響も報告されていない。このときも午後2時頃に火災が発生したが、午後224分までに消火したという。

補 足

■「ルイジアナ州(Louisiana )は、米国南部に位置し、メキシコ湾岸にあり、テキサス州の隣にある人口約465万人の州である。 州都はバトンルージュ、最大の都市はニューオーリンズである。

「セントチャールズ教区」( St. Charles Parish)は、ミシシッピ川の東岸に沿った地域で、もともと1720年代に多くのドイツ人開拓者が定住していたが、 1803年に米国がルイジアナ買収を行った後、1807年に設立された。

「セントローズ(St. Rose)」は、セントチャールズ教区にある国勢調査指定地域(CDP)で、人口約7,500人の町である。

■「International-Matex Tank Terminals LLCIMTT)は、バルク液体貯蔵ターミナル施設を所有し、運営している。 IMTTは、石油製品、植物油および熱帯油、再生可能燃料、およびさまざまな化学物質を保管および取り扱い、精製業者、商品取引業者、およびタンクリースサービスを提供している。IMTTは北米で運営されている。もとは1939年に設立された輸送と貯蔵会社を2020年にIMTTが買収し、操業を行っている。20213月の時点で、ルイジアナ州には約220人の従業員がいる。

 セントローズの施設には、207基の貯蔵タンクがあり、最小は150,000リットル(150KL)、最大は500,000 バレル(79,500KL)で、総容量は1,630万バレル (259KL)である。

所 感

■ インターナショナル‐マテックス・オイル・ターミナル(IMTT)は、米国のタンク・ターミナルではめずらしく自衛消防隊を有している。ルイジアナ州では、「米国ルイジアナ州における消防活動の相互応援の歩み」20163月)で紹介したように消防活動に積極的な州である。もともと、インターナショナルマテックス・オイル・ターミナル(IMTT)の前身の会社が1939年創立と歴史があり、当時としては公的消防の消防資機材がタンク基地にとっては貧弱だったのかもしれない。発災直後に従業員数の確認や緊急事態対応計画の発動など基本に沿った活動を行っているようだ。比較的短時間で消火に至っており、運転操作や活動は適切に行われたのだろう。

■ 発災は石油燃料油配管マニホールドで起こったとしか報じられていないので、詳細は分からないが、発災時と思われる写真があり、煙が高く上がっており、小さな爆発が起こったとみられる。配管接続部の破損または漏洩ではなかろうか。偶然かも知れないが、インターナショナル‐マテックス・オイル・ターミナル(IMTT)にタンク・ターミナルが買収された2年前からメディアで報じられるような事故は2回目である。組織が変わると、従業員の人材や心に変化が出てくることがあり、運営体制に留意の必要なことがある。


備 考

 本情報はつぎのインターネット情報に基づいてまとめたものである。

     Nola.com,  Fire damages petroleum oil storage facility in St. Rose; no injuries reported, June 13, 2022

     Tankstoragemag.com,  IMTT St Rose suffers fire,  June  17,  2022

     Lobservateur.com, St. Charles Parish statement regarding fire at St. Rose tank terminal facility, June 13, 2022

     Brproud.com, St. Charles Parish: Fire put out at tank terminal facility, no injuries reported, June 13, 2022

     Wdsu.com, St. Charles parish officials confirm fire out at refinery in St. Rose, June 13, 2022


後 記:  新型コロナ発生以降、この種のローカルの事故の報道はほとんど無かったと感じています。このような報道をメディアがしてくるということは、世の中が安定してきたのでしょうか。 米国では、新型コロナの感染者数は日本のように毎日記事にされていないようです。それではコロナが収束したかといえば、そうではなく、まだ1日あたり10万人レベルの感染者が出ています。多くの人はワクチンを打ったことがあるし、インフルエンザと同じだと慣れてしまっているのでしょう。

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