今回は、2025年12月29日(月)、米国ノースダコタ州マッケンジー郡ワトフォードシティにあるセレクト・ウォーター・ソリューションズ社の石油生産関連施設でタンクが爆発・火災を起こした事例を紹介します。
< 発災施設の概要 >
■ 事故があったのは、米国ノースダコタ州(North Dakota)マッケンジー郡(McKenzie)ワトフォードシティ(Watford City)にあるセレクト・ウォーター・ソリューションズ社(Select Water Solutions)の石油生産関連施設である。
■ 発災があったのは、ワトフォードシティのジョンソンズコーナーの西約3マイル(約4.8km)にあるセレクト・ウォーター・ソリューションズ社のリンクSWD2と称する施設の貯蔵タンクである。
< 事故の状況および影響 >
事故の発生
■ 2025年12月29日(月)午後11時頃、ワトフォードシティにある石油生産関連施設で爆発・火災が発生した。
■ 火災は施設のタンク1基に収まっているが、近隣のタンク4基が爆発の危険にさらされた。
■ 発災にともない、キーン消防署が消火活動のため現場に出動した。
■ セレクト・ウォーター・ソリューションズ社は、ノースダコタ州規制当局に対して、爆発により4,000バレル(636KL)の産出水が施設内に流出したと報告した。産出水は石油とガスの生産の副産物である。
■ 現場へ出動した消防隊員は、汚染を可能な限り抑えるため、現場周辺に堤防を築いた。
■ 事故によって近くを通っているノースダコタ州道23号線が閉鎖された。
■ ノースダコタ州の石油ガス部門は、爆発による石油生産関連施設の産出水の流出を監視している。
■ 事故にともなう負傷者はいなかった。
■ ユーチューブでは、事故のニュースが投稿されている。
●Youtube、「Western
ND Oil Field Tank Explosion」(2025/12/31)
被 害
■ 貯蔵タンク1基が焼損した。また、内部の油が焼失した。
■ 石油生産施設の算出水が4,000バレル(636KL)タンク外へ流出した。
< 事故の原因 >
■ 事故の原因は不明である。
< 対 応 >
■ ノースダコタ州ハイウェイパトロールによると、12月30日(火)の朝の段階で、消防隊による対応が続いており、爆発はタンク1基に限定されているが、残りの4基のタンクでさらなる爆発が起こる危険性が続いているという。
■ マッケンジー郡当局者によれば、 12月30日(火)午後の時点で道路は閉鎖されたままだった。ノースダコタ州石油ガス局の検査官が現場を訪れ、追加の浄化作業が必要かどうか監視する予定だという。
■ ノースダコタ州ハイウェイパトロールは12月30日(火)午後5時過ぎに、閉鎖していた道路を再開した。
■ 当局は爆発の原因を特定していない。
補 足
■ 「ノースダコタ州」(North Dakota)は、米国の北部に位置し、カナダに接する州で、人口約79万人である。州都はビスマルク市である。ノースダコタ州はシェールオイルの生産による石油ブームが続いており、石油生産量はテキサス州につぐ全米第2位になっている。
「マッケンジー郡」(McKenzie)は、ノースダコタ州の西に位置し、人口約14,700人の郡である。
「ワトフォードシティ」(Watford City)は、マッケンジー郡の中央に位置し、人口約6,200人の郡庁所在地である。
■「発災場所」は、ジョンソンズコーナーの西約4.8kmの位置と報じられている。グーグルマップで調べると、確かにタンク群がある。しかし、施設内にはタンクが多数あり、発災タンクの特定はできなかった。石油生産関連施設は、主に塩水処理を行う施設だと思われる。中には、原油(液化ガス)を取扱うタンクが含まれると思われるが、はっきりしない。ただ、施設内のタンクの直径は同じくらいで約3.5mであり、高さを6~8mとすれば、容量は57~76KL程度である。
所 感
■ タンクの爆発・火災の原因は分からない。2024年9月の「米国ノースダコタ州の石油生産施設で原油タンクが爆発・火災」の事例では、「施設に人がいないときに起こっている。最近、このような事例があり、石油生産施設のタンク管理状況に問題がないか確認していく必要があるのではないだろうか」と所感に書いたが、今回の事例でも同じ感想を持たざるを得ない。
■ 消火戦略には、「積極的戦略」、「防御的戦略」、「不介入戦略」の3つがある。通常、水圧破砕方式で塩水処理設備を有する陸上石油生産施設では、不介入戦略や防御的戦略がとられることが多い。今回の事例でも積極的戦略をとった様子は伺えない。「現場へ出動した消防隊員は、汚染を可能な限り抑えるため、現場周辺に堤防を築いた」とあり、「ノースダコタ州の石油ガス部門は、爆発による石油生産関連施設の産出水の流出を監視している」と報じられており、消火よりも環境汚染の防止に気を遣っている。
備 考
本情報はつぎのインターネット情報に基づいてまとめたものである。
・Kfyrtv.com, Tank battery explosion, fire near McKenzie County causes
produced water spill, December 31, 2025
・Valleynewslive.com, Highway 23 reopens after tank battery explosion
in McKenzie County, December 31, 2025
・Minotdailynews.com, Explosion, fire temporarily close Highway
23, December 31, 2025
・Minotdailynews.com, Closeup of tank battery incident, January 02, 2026
・Watfordcitynd.com, TANK BATTERY EXPLOSION SHUTS DOWN PORTION OF
HIGHWAY 23, December 30, 2025
・Kfgo.com, Cleanup process beginning after tank battery explosion in
North Dakota’s oil patch, December 31,
2025
・Grandforksherald.com, Northwest North Dakota highway reopens after
oil field explosion, December 31,
2025
後 記: 年末年始に入ってきたタンク事故の情報です。日本では、正月という行事を重要視しますが、米国では日本ほど大事にする考え方はないようです。石油生産関連施設でタンク火災が起こっても淡々として処理しているように感じます。(実際には緊張感をもって対応しているのでしょうが) ところで、今回の事故でこれまでと違っていると感じたのは、「消防隊員が現場周辺に堤防を築いた」とあることです。米国ではテリトリーがはっきりしており、守備範囲を超えた職務をやらないと思っていました。今回の場合、夜半でもあり、事業者が対応のとれないことからやったのでしょう。それにしても施設の運営者(事業者)は事故連絡をしていますが、対応の姿がまったく感じられませんね。






