リオデジャナイロ州ドゥケ・デ・カシアスで起こったタンク火災
(写真はFireGeezer.com
から引用)
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本情報はつぎのようなインターネット情報に基づいて要約したものである。
・Latino.foxnews.com, 1 Dead in Fuel Tank Fire in Rio de
Janeiro, May 23, 2013
・TheProvince.com, Massive Fuel-depot Fire Breaks out
in Rio de Janeiro; No Word on Cause, Injuries, May 23, 2013
・GlobalNews.ca,
Massive Fuel-depot Fire Breaks out in Rio de Janeiro, May 23,
2013
・FireGeezer.com, Spectacular
Oil Storage Tank Fire in Brazil, May
23, 2013
・Efe.com, 1
Dead in Fuel Tank Fire in Rio de Janeiro,
May 23, 2013
・JapanTimes,co.jp, Giant
Fuel Depot Blaze on Northern Outskirts of Rio de Janeiro Kills One, May 24,
2013
<事故の状況>
■ 2013年5月23日(木)午前11時頃、ブラジルのリオデジャネイロ州にある油タンク施設で6基のタンクが火災となった。事故があったのは、リオデジャネイロ州ドゥケ・デ・カシアスにあるペトロゴールド社の石油ターミナルで、少なくとも6基のタンクが炎上した。石油ターミナルは燃料油や潤滑油の物流基地として使われていた。この事故により、死亡1名、負傷7名の計8名の死傷者が出ている。火災は消防隊によって約4時間後に制圧された。
リオデジャネイロ州ドゥケ・デ・カシアスの周辺 (写真はグーグルマップから引用)
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■ ドゥケ・デ・カシアス市当局は、石油ターミナルで働いていた作業員1名が死亡し、他に7名がアダオ・ペレイラ・ヌエス病院に搬送されたことを確認しているという。死亡したのは43歳の男性で、救急車が到着したときには有毒ガスを吸い込んでおり、全身の90%に火傷を負って亡くなったものとみられる。
燃え上がるタンク群
(写真はJapanTimes.co.jpから引用)
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■ タンクからオレンジ色の炎が高さ50mほど空に舞い上がり、黒煙がもうもうと立ち昇り、火災の火は数キロメーロル離れたところからも見えた。テレビ局が上空から現場を撮影していたが、消防士が年老いた女性を介護しながら避難している姿や、近くに止まっていた燃料油ローリー車に炎上する状況が映し出されていた。
年老いた女性を介護して避難する消防士 タンク横に停車していたローリー車に延焼
(写真はFireGeezer.comの動画から引用) |
延焼防止のため住宅地に放水する消防車 (写真はFireGeezer.comの動画から引用) |
■ 午前11時に1基のタンクが火災になった後、5基のタンクに延焼し、1時間後には、隣接していた住宅地へ広がった。このため、爆発の危険性から消防隊は近づくことができず、また輻射熱によって数百メートルの位置まで退却せざるを得ず、消火は困難な状況だった。火災発生に伴い、6つの消防署が出動したが、貯蔵タンク近くで直接的な消火活動ができないため、消防隊は延焼防止を目的とした周辺の家の屋根や庭に放水する活動に留まった。消防署は、現場近くの6つの通りにある家の住民へ避難するように指示を出したほか、リオデジャネイロやテレゾポリスへ通じる高速道路を閉鎖するよう指示した。
タンクから噴き出す炎
(写真はFireGeezer.comの動画から引用)
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隣接する住宅地に拡大する火災 タンクの開口部から噴き出す炎
(写真はFireGeezer.comの動画から引用) |
弱まってきた火勢
(写真はFireGeezer.comの動画から引用) 追加 |
■ ドゥケ・デ・カシアスのアレクサンドリア・カルドーゾ市長は事故の原因調査を命じ、「地元で暮らし、学校へ通っている地域住民にとって、このように時限爆弾を抱えているようなことは断じて許されない」と語っている。リオデジャネイロ州の当局者によると、ペトロゴールド社は操業するための環境ライセンスを持っておらず、すでに連邦警察によって家宅捜査されていたという。現地の操業は裁判所で係争中だった。
補 足
■ 「ブラジル」は、南アメリカにあり、正式にはブラジル連邦共和国で、連邦共和制の国家である。人口約1億9,700万人で、首都はブラジリアである。
「リオデジャネイロ州」はブラジルの26ある州の一つで、ブラジル南東部の大西洋沿いに位置する。人口約1,540万人で、州都はリオデジャネイロである。
「ドゥケ・デ・カシアス」(Duque
de Caxias)は、ブラジルのリオデジャネイロ州の都市で、州都のリオデジャネイロ市と接する。人口約85万人で、石油精製や石油化学工業などの重要な工業を有している。
■ 「ペトロゴールド社」(Petrogold)は、
燃料油および潤滑油の地元の物流会社と思われるが、詳細はわからない。アラブ首長国連邦に同じ名前の石油会社があるが、関係はないと思われる。
■ ブラジルは自然環境の維持と保護のため、ブラジル環境省が国家環境プログラムや環境アスセメントに基づいて厳しく企業の資源開発に対する許認可を行っている。一方、環境保護局の「環境ライセンス」認可が厳しすぎ、プロジェクトの遅延やコストアップにつながっているという意見もあり、現政権は環境ライセンスの規制緩和を行い、国道や港湾整備、電力送電網や石油・天然ガス部門の開発加速化を図ろうとしている。
所 感
■ 石油ターミナルにある6つのタンク全基が火災になるという大きな事故である。しかし、報道される記事では状況を的確に伝えているといえないが、今回の事故では写真やビデオの情報が流れており、これらの映像によって現場の危機感が理解できる。しかし、事故原因はもちろん、油の種類、タンクの大きさ、発災の発端、死傷者と事故の関係、現地の声、消防署の発表、会社側の説明など基本的な情報がないので、危機管理上の貴重な事故情報としては内容に乏しい。現時点で言えるのは、事故の起こる要因はどこでも潜在しており、一旦、タンクが火災事故を起こせば、人に危害を加え、まわりに大きな影響を及ぼすことを示す事例だということである。
後記; 最初に発災場所をグーグルマップで探すことにしています。報道記事に詳しい場所が記載されていれば、簡単にわかりますが、そうでない場合、マップを動かして探します。今回は場所特定の情報に乏しく、高速道路沿いを追っかけてみましたが、わかりませんでした。報道の見出しに「リオデジャネイロ」とありますが、実際はリオデジャネイロ州の「ドゥケ・デ・カシアス」です。リオデジャネイロ市としては違うと言いたいでしょうが、有名料でしょうね。発災場所が特定できないと、何となく気持ちのおさまりが悪いので、日を改めて探すことにしていますが、結局見つからず、今回はあきらめました。
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