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2018年8月14日火曜日

イタリアの高速道路で渋滞中、タンクローリーが突っ込み爆発、死傷者72名

 今回は、2018年8月6日(月)、イタリアのボローニャを通る高速道路で渋滞していた車列にタンクローリーが突っ込み、火災が起き、その後、タンクローリーに積んでいた液化石油ガスが爆発した事故を紹介します。
(写真Nytimes.comから引用)
< 発災施設の概要 >
■ 発災があったのは、イタリアのボローニャ(Bologna)を通る上下8車線の高速道路A14号で、ボローニャ空港に近い市西部のボルゴ・パニガーレ(Borgo Panigale)地区付近の高架橋である。

■ 事故は、渋滞していた車列にタンクローリーが突っ込み、火災が発生したことによって起こった。
       ボローニャを通る高速道路A14号で事故のあった場所付近  (矢印が発災場所)
(図はGoogleMapから引用)
<事故の状況および影響 >
事故の発生
■ 2018年8月6日(月)午後1時過ぎ、ボローニャ郊外の高速道路で、液化石油ガスを積んだタンクローリーが、渋滞していた車列のトラックに突っ込み、火災が起こり、その後に爆発した。現場では、巨大な火柱が立ち、黒煙が付近一帯に立ちこめた。

■ 近くのレストランで勤務していた男性は、「激しい爆音が聞こえ、テロ攻撃だと思った。爆発後にレストランの屋根が崩れ落ち始めた。外に目をやると、目の前に炎の壁があるように感じた」と語った。

■ この事故で、2人が死亡、70人が負傷した。タンクローリーの運転手は事故時に死亡した。地元保健当局の報道官によると、やけどの治療のため55人が病院に搬送されたと説明した。高速道路警備当局によれば、負傷者のうち少なくとも2人は警官だという。在ミラノ総領事館によると、日本人が巻き込まれたとの情報はない。

■ 現場はボローニャ空港の近くで、大型ショッピングセンターなどがある。爆発の衝撃で、高速道路の高架の一部が崩落したほか、炎によって高架道路下にあった自動車販売店にあった車に延焼し、これらの車も爆発し始めた。また、付近の店舗や住宅に窓ガラスが割れるなどの被害が出た。けが人の中には、飛んできた窓ガラスの破片で負傷した人もいる。

■ 付近にあるボローニャ空港は運航に影響は出なかった。

■ 消防隊によると、爆発後、火災は3時間ほどで消えた。
■ 現場では、夜になっても積み荷の一部とみられる木材がくすぶるなど、激しい事故の痕跡が残っていた。

被 害
■ 人的被害として死者2名、負傷者70名が発生した。

■ タンクローリーは破裂損壊し、内部の液化石油ガスが焼失した。高速道路が一部崩落したほか、付近の建物や自動車に被害が出た。詳細な物的被害は分かっていない。 
               衝突の前後  白い枠内がタンクローリー)
(写真Youtube.comの動画から引用)
(写真はDailymail.co.ukから引用)
(写真はDailymail.co.ukから引用)
< 事故の原因 >
■ 事故の原因は、タンクローリーが前に渋滞していたトラックに衝突し、火災となり、タンクローリーの液化石油ガスに着火し、爆発を起こしたとみられる。
 タンクローリーが渋滞していたトラックに、なぜ衝突したかは分かっていない。

< 対 応 >
■ 警察は市民に対し、爆発が起きた一帯に近づかないよう呼びかけた。また、国家消防当局は、現場の調査などを担うヘリコプターを派遣した。

■ イタリア内相は、検察が事故原因を調べていると明らかにした。
(写真はMotorbox.comから引用)
(写真はDailymail.co.ukから引用)
崩落部に破裂したタンクが見える
(写真はMotorbox.comから引用)
(写真はDailymail.co.ukから引用)
(写真はMotorbox.comから引用)
補 足 
■ 「イタリア」(Italy)は、正式にはイタリア共和国で、南ヨーロッパにおける単一国家、議会制共和国である。イタリアは、ロスティバル(lo Stivale)と称されるブーツ状の形をしており、国土の大部分が温帯に属する人口約6,000万人の国である。
 「ボローニャ県」は、イタリアエミニア=ロマーニャ州に属する県級行政区画で、人口約100万人の県である。「ボローニャ」(Bologna)は、イタリアの北部にある都市で、人口約39万人のボローニャ県都である。
  イタリアとボローニャの位置  図はGoogleMapから引用)
■ タンクローリーによる衝突と爆発時の映像は報道でいろいろ報じられており、Youtubeにも投稿されている。その中で、事故時の状況を知る上で、参考になるものを紹介する。
 ● Video Drole、「Explosiond‘un camion-citerne à Bologne (Italie)」(2018/8/7)  

所 感
■ 今回の事例は、タンクローリーが渋滞していたトラックに衝突して起きた事故である。事故時の状況は高速道路の監視カメラに残されていたので、世界中に配信され、日本のメディアでも取り上げられた。ただ、詳細な状況ははっきりしない。前にいたトラックは、自動車を運んでいたらしいが、衝突の影響で自動車が外に飛び出し、火災を起こしたように見える。この後、高速道路上にいた車両が避難し、交通遮断された状況の中で、液化石油ガスを積んだタンクローリーが爆発したものだと思われる。タンクローリーは完全に破裂し、崩落した高速道路に残骸を残した。爆発までにしばらく時間があったようなので、高速道路上にいた車両は被害を免れた。そうでなければ、もっと被害は大きくなっていただろう。

■ タンクローリー車は、ブレーキをかけないで、前に渋滞していたトラックに衝突したと思われる。この原因は、運転手が病気で意識をなくしたか、携帯電話(スマートフォン)の画面に気をとられ、前方を見ていなかったという要因があげられる。最近、自動車だけでなく、自転車や歩行中の携帯電話(スマートフォン)の使用による追突や事故を生じる問題があるが、絶対に止めなければならない。今回の事故は、思ってもいなかったような大きな影響になることを示す事例である。


備 考
 本情報はつぎのインターネット情報に基づいてまとめたものである。
  ・Asahi.com, イタリアでタンクローリー爆発 1人死亡、高架が崩落,  August  07,  2018
    ・Mainichi.jp, イタリア 高速でローリー爆発 2人死亡60人超負傷 ,  August  07,  2018
    ・Cnn.co.jp, 高速道路でタンクローリー爆発 3人死亡、67人負傷 イタリア,  August  07,  2018
    ・Jp.sputniknews.com, ボローニャでのタンクローリー爆発の瞬間、動画に撮影,  August  07,  2018
    ・Afpbb.com, 伊北部でタンクローリー爆発、約70人死傷,  August  07,  2018
    ・Jiji.com, イタリアでタンクローリー爆発、2人死亡=60人以上負傷,  August  07,  2018
    ・Tokyo-np.co.jp, イタリアでローリー炎上2人死亡 高速道路事故、60人負傷,  August  07,  2018
    ・Nhk.or.jp, イタリアでタンクローリー事故 大規模な爆発・炎上,  August  07,  2018
    ・Fnn.jp, タンクローリー大爆発 3人死亡 伊・ボローニャ,  August  07,  2018
    ・Yomiuri.co.jp, タンクローリー追突し爆発…イタリア,  August  07,  2018
    ・Driving.co.uk, 70 Injured in Devastating Tanker Explosion Italy,  August  07,  2018
    ・Washingtonpost.com, Tanker Truck Explosion in Italy Kills 2,Iinjures up to 70,  August  06,  2018
    ・Cnbc.com, Fuel Truck Explosion in Italy Kills 2, Injures up to 70,  August  06,  2018
    ・Dailymail.co.uk, New CCTV Shows Moment Gas Tanker Plowed into Back of a Truck, Sparking Explosion that Left One Dead and Scores Injured in Italy,  August  07,  2018
    ・Kdvr.com , 3 Killed, Several Injured in Italy Highway Gas Tanker Explosion,  August  07,  2018    



後 記: 今回の事故の状況はいろいろ報じられていますが、最初に悩んだのが、動画です。米国のCNNが報じている動画の初めに「グラフィック・イメージを含むので、視聴者の慎重な裁量に委ねる」というような表示が出てきました。当初は、爆発の画面に車両が映っていないので、この場面に何らかな処理をしているのかなという疑問を持ちました。(下記写真を参照) しかし、いろいろ調べていくと、どうやらそうではなさそう気がしてきましたが、「グラフィック・イメージ」(Graphic Imagery)の意味がはっきりしませんし、結局、この爆発動画からの写真を使わないことにしました。このような事実をあいまいにする表現は避けてほしいと思いますね。
(写真はEdition.cnn.comから引用)

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