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2013年11月7日木曜日

米国テキサス州の油井施設でタンクから流出して爆発・火災

 今回は、2013年10月14日、米国テキサス州スミス郡にあるヴェス・オイル社の所有する油井関連施設でタンクから流出した後、爆発し、タンクや近くの建家が火災となった事故を紹介します。
スミス郡にある油井施設のタンクから流出して爆発・火災 
 (写真はEndtimebibleprophecy.wordpress.com から引用)
 <事故の状況> 
■  2013年10月14日(月)午後10時頃、米国テキサス州スミス郡にあるヴェス・オイル社の所有する石油施設で爆発・火災の事故があった。事故があった場所は、タイラー州立公園近くの郡道313東号線から私道を入ったところにある油井のスキミング施設でタンクから流出した後、爆発し、タンクや近くの建家が火災となった。
         テキサス州スミス郡の郡道303東号線付近   (写真グーグルマップから引用) 
■ 目撃した人のよると、炎は高さ50フィート(15m)まで燃え上がり、遠く4マイル(6km)先からも見えたという。午後955分、発災に伴う緊急連絡があり、レッド・スプリング消防署、リンデイル消防署、ウィノナ消防署が現場へ出動した。ヴェス・オイル社は担当者を現場に派遣し、油井の停止作業を行い、燃焼源を絶つようにした。

■ スミス郡保安官事務所によると、発災現場では施設の小さな建家が燃えており、油の貯蔵タンクの方へ広がっていたという。火災は、タンク内の入っていた油と塩水の混合液数千ガロン(10,000リットル程度)が防油堤を越えて流出したためであった。消防隊は15日(火)早くに火災の封じ込めに成功し、漏れを止めた。発災時、現場には人がおらず、避難指示も出ていない。事故の伴う負傷者は報告されていない。

■ レッド・スプリング消防署のマイケル・サモンズ副署長によると、施設は塩水・油・天然ガスのポンプ・ステーションで、発災時には無人だったという。施設には、タンクが3基とポンプ室が1棟あった。サモンズ副署長によると、消防隊は火を燃え尽きさせ、構造物だけは消火活動を行なったという。消防隊は流出の封じ込めの作業と火災の再燃がないかの監視を一晩中続けた。郡道313東号線沿いには住宅があったが、施設は道路から2マイル(3km)ほど離れたところにあった。

■ 現時点では、火災の原因はわかっていない。また、被害の程度もわかっていない。火災調査官が爆発・火災の原因追究を実施し始めたが、調査官によると、火災によってタンク3基と建家1棟が燃えたという。
 テキサス州環境品質委員会は、15日(火)の夜明け後、現場へ戻ってきて、状況を評価後、漏洩液のクリーンアップを始める予定である。
                  燃えるタンクと建家   (写真はTylerpaper.com から引用)
                                            燃える建家           (写真はCBS19.TVから引用)
補 足
■ 「テキサス州」は米国南部にあり、メキシコと国境を接している州で、人口は約2,510万人と全米第2位である。
 「カーンズ郡」はテキサス州の北東部に位置し、人口約17万人で、郡庁所在地はタイラーである。
テキサス州スミス郡の郡道303東号線付近の風景
(写真グーグルマップのストリートビューから引用) 
■ 「ヴェス・オイル社」(Vess Oil Corp.)は、1979年に設立された石油・天然ガスの生産を行うエネルギー会社で、カンザス州ウィチタに本部を置く。当初はカンザス州における生産活動のみであったが、最近ではテキサス州、モンタナ州、オクラホマ州で展開しており、油・天然ガスの生産井は1,600箇所を超えているという。
テキサス州スミス郡の郡道303東号線から私道を入ったところにある油井関連施設
特定できなかったが、ヴェス・オイル社の油井関連施設と思われる
(写真グーグルマップから引用)
所 感
■ 2013年10月8日、米国テキサス州カーンズ郡にあるガルフコースト・アクイジション社の油井関連施設で貯蔵タンクの爆発・火災事故があった。この油井関連施設は2年前に認可されたばかりで、操業期間は長くなかった。今回のヴェス・オイル社は、最近、テキサス州に進出してきたばかりで、施設は新しいものとと思われる。流出の要因や爆発の原因は不明であるが、このところ米国では、新しい天然ガス油井関連施設のタンク事故が目立つ。天然ガスの採掘技術が発達し、生産井が増加しているが、施設の管理(技術)が伴っていないのではないかと思う。
 10月8日の事故情報は、当ブログ「米国テキサス州で油井施設のタンクが爆発・火災、1名負傷」を参照。

■ 消防活動も上記10月8日事故時の消防活動と同様だったと思われる。10月8日の発災時には、複数のボランティア型消防署が出動し、燃え尽きさせる戦略をとったが、今回のヴェス・オイル社の爆発・火災事故でも、3つのボランティア型消防署が出動し、油系の火災は燃え尽きる戦略をとり、建家火災のみ消火活動を行っている。前回と異なり、タンクからの流出を伴っているので、流出の囲い込み作業の活動を行っている。混成のボランティア型消防署ではあるが、的確な判断を行ったという印象を持つ。 

備 考
  本情報はつぎのようなインターネット情報に基づいてまとめたものである。
       ・TLTV.com,  Explosion, Fire Reported at Smith Co.Oil Production Facility,  October 15, 2013
       CBS19.tv,  Fire Crews Battle Fire at Smith County Oil Facility,  October 15, 2013 
       ・TylerPaper.com, Firefighters Letting Oil Field Fire on County Road 313 Burn Itself out,  October  15, 2013
       TheCallahanlawfirm.com,  Explosion & Fire at Smith County, Texas Oil Production Facility,  October 15, 2013 
       ・EndTimeBibleProphecy.wordpres.com,  Explosion and Fire at Smith County Oil Storage Facility, October  15, 2013 


後 記: 今回の事故は夜10時頃に起こり、日が替わった夜中には鎮火しており、朝の早いニュースで報じられています。従って、情報不足の段階で事故の状況が伝えられているという感じです。情報源よっては建家のみが燃えたという内容のものもあります。しかし、写真をよくよく見ると、建家だけでなく、タンクからも火炎が上がっています。続報を報じるほど大きな火災では無く、負傷者が出ず、住民や住宅への影響もないことから、結局、詳細な情報は報じられなかった事故でした。
 話は変わりますが、先日、島根県にある三瓶山(さんべさん)に登ってきました。1,126mの山ですが、標高約600mのところから登り始めるので、実質500mほどです。登山道は比較的整備されており、天候も良かったので、息は上がりましたが、気持ちよく登りました。中腹あたりがちょうど紅葉時期にあたり、光の向きによって赤や黄色のきれいな木々の中を歩きました。北海道や東北のような鮮やかで全山紅葉といったものではありませんが、中国地方の山としては十分な紅葉でした。
三瓶山頂上からの眺め                                 中腹の紅葉 


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