このブログを検索

2026年4月8日水曜日

米国メリーランド州の温室施設で温水タンクが破裂、死傷者3名

 今回は、2026320日(金)、米国メリーランド州キャロル郡キーマーにあるカトクティン・マウンテン・グローワー社の温室施設で大型の温水(貯蔵)タンクが破裂して、3名の死傷者を出した事例を紹介します。

< 発災施設の概要 >

■ 発災があったのは、米国メリーランド州(Maryland)キャロル郡(Carroll)キーマー(Keymar)にあるカトクティン・マウンテン・グローワー社(Catoctin Mountain Growers)の温室施設である。

■ 事故があったのは、シックス・ブリッジ通り8000番地付近にある温室施設内の大型の温水(貯蔵)タンクである。


<事故の状況および影響>

事故の発生

■ 2026320日(金)午後5時頃、キャロル郡の温室施設で爆発があり、建物などに被害が出た。

 発災の通報にともない、キャロル郡の保安官と消防隊が現場に出動した。

■ 当初、ボイラーが爆発したという通報だったが、消防隊員らは、建物の一部が倒壊するなど広範囲にわたる被害を確認した。また、横転した車両が瓦礫に絡まっていた。

■ 関係機関は、事故が爆発ではなく、温水タンクが破裂し、82℃の温水が大量に周辺に流出したことを突き止めた。

■ 事故にともない、負傷者が出た。負傷した3人は温水施設の従業員だという。消防局によると、65歳の男性が重傷を負い、火傷専門治療センターに空路搬送された。他のふたりも火傷を負い、ひとりは病院へ搬送された。当局は施設内にいた全員の所在と安否を確認したという。

■ ユーチューブなどでは、事故のニュースを伝える動画が投稿されている。

 YoutubeThree injured after hot-water tank rupture collapses Carroll County greenhouse2026/03/21

 ●YoutubeInjuries reported after hot-water holding tank ruptures at・・・」2026/03/21

被 害

■ 温室施設の温水(貯蔵)タンクが破裂したほか、建物の一部が損壊した。

■ 死傷者3名が被災した。内訳は死亡1名、負傷者2名である。

< 事故の原因 >

■ 事故の原因は調査中である。

< 対 応 >

■ 当局は貯水タンクが破裂した原因を調査している。

■ 重傷だった65歳の男性は事故から3日後に亡くなった。この男性はカトクティン・マウンテン・グローワー社の創業者でありオーナーだった。

補 足

■「メリーランド州」(Maryland)は、米国の中部大西洋岸に位置し、人口約625万人の州である。メリーランド州の州都はアナポリス、州内で最も人口の多い都市はボルチモアである。メリーランド州は、首都ワシントンDCに近いことと、製造業、小売サービス業、情報技術、医療、バイオテクノロジーなどにまたがる多様な経済のおかげで高い世帯所得を有している。

「キャロル郡」(Carroll)は、メリーランド州の北部中央に位置し、人口約17万人の郡である。

「キーマー」(Keymar)は、キャロル郡の東部に位置し、非法人地域である。

■「カトクティン・マウンテン・グローワー社」(Catoctin Mountain Growers)は、1985年に設立した家族経営の商業用温室を営む会社組織で、15エーカー(60,700㎡)の敷地を保有している。春咲きの一年草、秋咲きの菊や一年草、ポインセチアなどを栽培している。

■「発災タンク」は、大型の温水(貯蔵)タンクと報じられているが、構造や仕様などは分かっていない。温水タンクの例を下記に示す。温水タンクが破裂する要因としては、内部の急激な圧力上昇、経年劣化、凍結による膨張などである。

 ● タンク内の過圧; タンク内の圧力を放出する安全弁が故障したり、入口弁を閉めて作動しなくなり、沸き上げ時の熱膨張で圧力が高まり続けて破裂する。または、温度を制御するサーモスタットが故障し、水が沸騰し続けて蒸気が発生、内部圧力が限界を超えて破裂する。

 ● 経年劣化; 長年使用してタンク本体が腐食して、通常時の圧力に耐えきれなくなって破裂する。

 ● 凍結による配管・タンクの破損; 冬の気温低下により、タンク内の水や配管内の水が凍って膨張し、タンク本体や配管が破裂する。 

所 感

■ 温水タンクが破裂して死傷者を出す事例を紹介するのは初めてである。どのような温水システムで、どのようなタンク構造をしていたかは明らかでないが、水のタンクであっても破裂することがありうるということを示す事例である。

 これまで紹介してきた水タンクの主な破裂事例は、つぎのとおりである。

 ●「消火用水タンクが破裂して死者2名の事故」20116月)

 ●「福岡県苅田町の工場で円筒形タンクの漏れ検査中に破裂、死傷者4名」20252月)

 ●「米国カリフォルニア州で飲料水用貯水タンクが爆発で噴き飛び、死傷者2名」 202310月)

■ 今回の被災写真の中には、消火用ホースが展張されている写真があるが、火災対応のためでなく、熱い温水が噴出したので、冷却のために使用されたのではないだろうか。事故の中には、予期しない対応が必要になるといえよう。


備 考

 本情報はつぎのインターネット情報に基づいてまとめたものである。

    Wbaltv.com, Injuries reported after hot-water holding tank ruptures at Carroll County greenhouse facility,  March 20,  2026

Msn.com, 65-year-old critically injured in boiler rupture at Catoctin Mountain Growers in Carroll County,  March 20,  2026

    Instagram.com,  Gardencentermag,  April 03,  2026

    Podcasts.apple.com, Hot Water Tank Rupture Critically Injures Man at Maryland Nursery,  March 21,  2026


後 記: 今回は温水タンクの破裂事故というので、調べることとしました。異質な事故なので、もう少し報道されて事故状況がわかるのではないかと思っていましたが、あにはからんや詳細はわかりませんでした。それにしても、温水タンクの破裂で建物が壊れたり、駐車していた車両がひっくり返っている被災写真をみると、かなりひどい破裂事故だったことがうかがい知れます。温室施設はお花の栽培をやっており、あまりにも落差のある状況だと感じます。温水タンクは付属施設ですし、温水タンクの近くにいたと思われる施設のオーナーが亡くなっていますので、原因の調査は難しいのではないでしょうか。