中国山東省にある石油貯蔵所のタンクが爆発して、火災となり、消火活動を行う消防隊
(写真および解説はEnglish-Sina.comから引用)
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本情報はつぎのようなインターネット情報に基づいて要約したものである。
・English-Sina.com, 1
Missing, 1 Injured in E China Oil Tank Explosion, March 30, 2013
・News.Xnihuanet.com, , 1
Missing, 1 Injured in E China Oil Tank Explosion, March 29, 2013
・NewsHoma.us, Shandong Qingzhou
Tank Fire Has Been Extinguished Caused One Missing and One Dead, March 29, 2013
・FireDirect.net, 1
Missing, 1 Injured in E China Oil Tank Explosion, April 2, 2013
・ReadDailyNews.com, Shandong
Qingzhou Industrial Park Tank Explosion and
One Seriously Injured, March 29,
2013
<事故の状況>
■ 2013年3月29日(金)午前9時頃、中華人民共和国(中国)の山東省にある石油貯蔵所のタンクが爆発して、火災となる事故があった。事故があったのは、山東省青州市高柳(カオリュウ)の工業地域にある青州李浩恒石油化学社の貯蔵タンクで、爆発によって1人が重傷を負い、1人が行方不明となっている。同社はアスファルト貯蔵を操業している会社で、タンク内にはスラリーオイル(アスファルト)が入っていた。
中国 山東省 |
■ 齊魯(クイロ)ネットワークの記者によると、青州李浩恒石油化学社には、8基の貯蔵タンクがあり、そのうちの1基が爆発して火災になったもので、爆発によってタンク上部が剥ぎ取られ、青州地方の3~4mの風に乗って煙が市街地の方へ流れていき、煙は2・3km先まではっきり目に見えた。
■ 発災に伴い、10台を超える消防車が現場へ駆け付け、消火活動を行った。消防隊は、隣接する原油の入った7基のタンクに高圧のジェット水をかけ、延焼して爆発することのないように消防活動を行った。
(写真はEnglish-Sina.comから引用) |
■ 爆発の原因については調査中であるが、一部のメディアでは、静電気によるものと報じているところもある。
■ 爆発火災のあったタンクは、新しいプラント地区に建設されたものだった。齊魯ネットワークの記者によると、プラント地区では建設が進行中で、事務所も塗装の上塗りが終わっていない状況だった。プラントの近隣会社である山東清沢エナージー社に入構していた作業員によると、9時過ぎに爆発があった後、プラント地区の作業員は避難したという。齊魯ネットワークの記者によると、この地方の警察署と消防署は全員、今回の化学プラントの爆発事故対応に動員されているが、現在のところ、消防隊に負傷者が出たという報告はあがっていないという。
(写真はReadDailyNews.comから引用) |
補 足
■ 「山東省」(さんとう省/シャントン省)は、中華人民共和国の西部にある省で、北に渤海、東に黄海があり、黄河の下流に位置する。人口は約9,500万人、省都は済南で、他に青島、泰安などの主要都市がある。
「青州」(せいしゅう/ピンイン)は、山東省の地級市レベルの濰坊市(いほう市)にある県級市レベルの市で、海から離れた内陸地に位置し、人口約90万人の街である。
■ 「青州李浩恒石油化学」(Qingzhou
Hao Li Heng Petrochemical Co.)社は、記事中でアスファルト貯蔵を操業している会社と報じているが、詳細はわからない。青州市に8基の貯蔵タンクを保有しているので、場所をグーグルマップで調べたが、はっきり判断できなかった。
所 感
■ 以前から言ってきたようにアスファルト自体は火災を起こしにくい液体であるが、世界的にみると、アスファルトタンクの事故は少なくない。最近では、①2006年5月、日本の東亜石油京浜製油所におけるアスファルトタンクの爆発事故、②2009年9月、ニュージーランドのフルトンホーガン社のアスファルトタンク爆発による溶接士の死亡事故、③2010年12月、カナダのポートスタンレーにあるマックアスファルト・インダストリー社のアスファルトタンク破損による漏洩事故、④2011年5月、米国カリフォルニア州のグラナイトロック社のアスファルトタンク爆発事故、➄2012年6月、日本のコスモ石油千葉製油所においてアスファルトタンク破損によるアスファルト流出事故があった。前々回の当ブログで紹介した2013年3月7日、韓国の慶尚北道にある韓国鉱油の重油貯蔵タンクの爆発事故も同様に重質油である。そして、今回の中国山東省の爆発・火災事故である。
アスファルトタンクで注意すべきことは、水による突沸、軽質油留分の混入、運転温度の上げすぎ、屋根部裏面の硫化鉄の生成などである。今回の事故は、着火原因が静電気によるという情報もあるが、爆発の要因は上記のいずれかであろう。
後 記; 中国の事故情報はなかなか掴みきれないところがあり、今回の情報でもはっきりしないところがありますが、以前と比べると、随分情報公開されています。特に、写真が公開されており、タンクが新しそうだということ、スクアート車(屈折放水塔車)による泡消火活動などがよくわかります。しかし、山東省だけで9,500万人の人口がいるところだからでしょうか、負傷者・不明者が出た事故の割に人災の状況についてあっさりした記事になっています。
ところで、今年は暖かさ・寒さの変わりが激しい気候ですが、春は着実に進んでいます。満開の桜
が散った後、木々の新芽が日に日に伸び、新緑の季節になっています。我が家の庭の牡丹も開花し、楽しませてくれています。しかし、牡丹という花はひ弱で、雨や風に弱いところが欠点で、一雨濡れると、哀れな花姿になります。そこで、今年は傘をさすことにしました。風情があるのは和傘ですが、今は雨に濡れても大丈夫な和傘は高いので、安価な洋傘にしました。これが功を奏し、比較的長く鑑賞できました。少し派手目の傘でもよく、まわりが緑ですので、赤い傘は映えますし、牡丹がきれいに見えることがわかりました。
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