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2018年9月1日土曜日

多摩市の建設中のビル火災の原因調査

 今回は、2018年7月26日(木)、東京都多摩市で安藤ハザマが建設中のビルで起きた火災事故の原因調査について紹介します。
< 発災施設の概要 >
■ 発災があったのは、東京都多摩市唐木田の建設中の多摩テクノロジービルディング(仮称)で、三井不動産が100%出資する南多摩特定目的会社が発注し、安藤ハザマが施工していた。

■ 事故があったのは、地上3階、地下3階建ての工事中の建物(建築面積5,360㎡)で、工事は2016年10月に着工し、2018年10月に完成する予定だった。事故当時は内装工事を中心に作業しており、足場の解体や内装など、仕上げ工事に入りつつある段階だった。

<事故の状況および影響 >
事故の発生
(写真はSankei.comから引用)
■ 2018年7月26日(木)午後1時45分頃、多摩市で建設中のオフィスビル(鉄骨造り、地上3階地下3階)の地下3階の床下から出火した。

■ 事故発生の通報を午後1時52分に受けた東京消防庁は、ただちに現場へ出動した。

■ 現場では当時、約320人の作業員が働いていたが、逃げ遅れた男性作業員5人が煙を吸うなどして死亡した。負傷者は気道熱傷など43人にのぼり、このうち約24人は症状が重いという。死亡した5人は屋上で1人、地下3階で2人、地下3階の下の免震階で2人が発見された。亡くなった作業員は全員男性で、年齢は52歳、51歳、49歳、44歳で、一名は60歳代である。

■ 警視庁などによると、作業員2人が地下3階でガスバーナーを使い、鉄骨(金属製のくい)を切断していたところ、地下3階の下の免震階の天井部分に貼られたウレタン製の断熱材に火花が飛んで、出火したとみられる。ひとりが切断、もうひとりが火花を水で消す役割だったという。火がついた後、作業員は消火器を使うなどして消火を試みたが、火の回りが早く、瞬く間に燃え広がったという。

■ 東京消防庁によると、この火災で約70台の消防車や救急車が出動。延べ床面積約17,656㎡のうち約5,000㎡が燃え、約6時間後の午後7時40分に火災を鎮圧した。正式な鎮火時間は午後10時38分だった。

■ 5人が死亡した建設現場では、建物内で出火直後に停電が起きていたことが分かった。現場の地下3階では、出火直後に作業リーダーが「火事だ」と、トランシーバーで別な作業員に連絡した。多くの作業員が避難を始めたが、直後に停電して照明が消えたという。黒煙が充満し、作業員の避難の遅れにつながった可能性がある。警視庁は、工事用の電源ケーブルが焼けて断線したのではないかとみている。

被 害
■ 人的被害として死者5名、負傷者43名(重症13 名、中等症11 名、軽症14 名ほか)が発生した。

■ 物的被害は分かっていない。 

< 事故の原因 >
■ 事故の原因は、警視庁が刑事事件として調査中で、8月28日(火)に安藤ハザマの関係部署に家宅捜査に入った。

■ 安藤ハザマは、「地下3階にて鉄骨のガスバーナーによる溶断作業中に、何らかの原因で火が付近の可燃物に移り、急速に延焼したもの」とみている。

■ 8月28日(火)段階で、つぎの事項がわかった。
● 当初、難燃性のウレタン材を使う予定だったが、実際は燃えやすい種類のウレタン材が使われていた。
● 鉄骨に仮設したH鋼を切断するため、ガスバーナー作業を実施した。
● 地下3階の床に隙間があったことが分かった。ガスバーナーの火花が隙間から落ち、地下3階の下の免震階の天井部分にあるウレタン製の断熱材(厚さ15mm)に引火したとみられる。
● 地下3階ではアセチレンガスのバーナー作業が二人一組で行われ、ひとりが鉄骨を切断、ひとりがコップの水をかけ、飛び散った火花を消す役割だった。
● 切断作業前に、床にベニヤ板と不燃性のシートを敷き、周辺には水もまいていた。

< 対 応 >
■ 警視庁は業務上過失致死傷容疑で捜査を始め、7月27日(金)午前、捜査員ら数十人が現場に入った。

■ 警視庁は捜査員60人態勢で臨み、8月28日(火)、業務上過失致死容疑で、施工者の「安藤ハザマ」の本社(東京都港区)と火災現場の事務所に家宅捜索に入った。同社の防火管理体勢や施工手順などに問題がなかったかを調べる方針で、燃えやすいウレタン材のそばでバーナーなどを使う際の防火措置や作業手順に不備があった可能性があるとみて、家宅捜索に踏み切った。同社本社のある港区のビルには午前10時頃、捜査1課の腕章を着けた捜査員数十人が到着し、隊列を組み、次々と中に入って行った。

■ 安藤ハザマをめぐっては、昨年2017年6月にも、同社が施工した東京都江東区の倉庫解体工事現場で同様の火災が起きている。

■ 現場では当初、難燃性のウレタン断熱材を使う予定だったが、実際は燃えやすい種類のウレタン材が使われていたという。

■ 警視庁は、現場にいた作業員約320人全員から話を聴いて火災発生時の状況について捜査するほか、押収した資料を分析して、当日の人員配置や避難経路などに問題がなかったかも調べる。

補 足
■ 「多摩市」は、東京都23区外の多摩地域南部にあり、人口約147,000万人の市である。

■ 「安藤ハザマ」は、正式には㈱安藤・間(Hazama Ando Corp.)で、東京都港区に本社をおく大手建設会社である。安藤建設と間組(はざま・ぐみ)が合併してできた会社で、両社は対等な精神に基づく吸収合併の方式による合併(存続会社は間組)により、2013年に新会社としてスタートし、社名はそれぞれの旧社名をとり「安藤・間」(呼称は「安藤ハザマ」)となった。従業員は約3,500名である。

■ 当初使用予定だったウレタンは「難燃性のウレタン材」としたが、メディアによって「耐火性」や「不燃性」という言葉が使用されている。「難燃性」でも誤解を受けるが、「耐火性」や「不燃性」では、さらに誤解されるので、あえて「難燃性」 とした。
 「日本ウレタン工業協会」では、ウェブサイトにウレタンの特徴や取扱方法などを掲載している。この中で、例えば、硬質ウレタンフォームについて、「リン酸エステル系難燃剤を増やしたり、イソシアネート指数を大きくすることで、難燃化(燃え難くすること)ができる、有機物である限り、不燃化には至らない。ウレタンフォームの難燃化は、火災の初期段階で火災の拡大を遅らせて、手のつけられない火災状態になる前に人が避難できる時間を増やすことを目指している」という。
 また、同ウェブサイトには、「硬質ウレタンフォームの難燃性はJIS A 9511などの試験によって評価されるが、これらの試験は一定の条件下での材料の燃焼性の比較を目的としたものであり、必ずしも実際の火災時の危険性を反映したものではない。従って、これらの試験に合格したもの、あるいは準不燃・難燃材料の認定をうけている材料であっても火気に接すると燃焼するので、他の一般的なプラスチック材料と同様に取扱いにおいては火気に対する注意は怠らないこと」と注意喚起されている。

所 感
■ 今回、当初「難燃性のウレタン材」が使用される予定だったという事実が出てきた。 「難燃性のウレタン材」を使用するという判断は設計部門で行われたはずである。その決定が工事管理部門に移った際に「普通のウレタン材」に変更されている。どのような「変更管理」が行われたかが、ひとつの焦点になると思われる。しかし、 ウレタン材を使用する限りにおいては、今回の火災状況(規模や速さ)から「難燃性のウレタン材」の効果があったかは懐疑的に思わざるをえない。そして、 「難燃性のウレタン材」の効果を設計部門と工事管理部門が認識を共有化していたのだろうか。

■ 事故防止に重要なつぎの3つがいずれも行われなかった場合、事故は起こる。
 ① ルールを正しく守る
 ② 危険予知活動を活発に行う
 ③ 報連相(報告・連絡・相談)を行い、情報を共有化する
 今回の火災事故の原因については、防火管理体勢や施工手順などに問題がなかったか調査されている。しかし、断熱材を貼った工事の仕上げ段階で仮設のH鋼をガスバーナーで切断しなければならないような施工に至ったのは、単に工事管理部門における安全管理だけでなく、設計部門を含めた社内体勢に問題があったのではないかという疑念があり、根が深そうである。

備 考
 本情報はつぎのインターネット情報に基づいてまとめたものである。
  ・Asahi.com, 多摩のビル火災、安藤ハザマを捜索 業務上過失致死容疑,  August  28,  2018
    ・S.mxtv.jp,  安藤ハザマを家宅捜索 東京・多摩市の5人死亡火災で ,  August  28,  2018
    ・Jiji.com , 安藤ハザマを家宅捜索=5人死亡ビル火災-警視庁,  August  28,  2018
    ・Nikkei.com, 多摩ビル火災、安藤ハザマを捜索 業過致死の疑い ,  August  28,  2018
    ・Sankei.com, ビル建設現場火災 安藤ハザマ本社を捜索,  August  28,  2018
    ・Risktaisaku.com, 安藤ハザマを家宅捜索=5人死亡ビル火災-警視庁,  August  28,  2018
    ・Jp.reuters.com, ビル火災、安藤ハザマを家宅捜索,  August  28,  2018
    ・Mainichi.jp, 多摩5人死亡火災 安藤ハザマを捜索 業過致死容疑,  August  28,  2018
    ・Urethane-jp.org , ウレタンフォームは難燃化できますか。
    ・Urethane-jp.org , 難燃性硬質ウレタンフォームとはどのようなものですか?


後 記: 今回の事故は多くの死傷者が発生し、警察が家宅捜査に入りました。このため、新しい事実が一部出てきましたが、情報開示という点においては、ここまでだろうと思います。押収した資料の調査と320人の事情聴取を考えると、相当な期間を要することでしょう。人を裁くことになるので、慎重にならざるを得ませんが、事故の教訓を活かすということからすれば、この方法が良いかどうかは疑問です。裁判になれば、何年もの間、情報は開示されず、意見をいうことも憚(はばか)られます。この期間に一般の人にとって事故は忘れ去られます。(関係者は針のむしろですが) オウム事件などと異なり、工業事故はだれも事件を起こそうとしたわけではありません。事故は活かされてこそ価値があるわけで、警察の刑事事件とは別に、工業事故としての調査が行われ、早く教訓を開示すべきではないかと思います。

2018年8月22日水曜日

米国ルイジアナ州の油井用タンク施設で落雷による火災

 今回は、2018817日(金)、米国ルイジアナ州セント・マーティン教区にあるJPオイル社の油井用のタンク施設で落雷による火災事故を紹介します。
(写真はKatc.comから引用)
< 発災施設の概要 >
■ 事故があったのは、米国ルイジアナ州(Louisiana)セント・マーティン教区(St. Martin Parish)にあるJPオイル社(JP Oil Company)のタンク施設である。

■ 発災があったのは、ブロー・ブリッジ(Breaux Bridge)郊外のルイジアナ州高速94号(LA94号線)沿いにある油井関連のタンク施設である。
        ブロー・ブリッジ郊外のルイジアナ州高速94号付近 (矢印部が発災場所)
(写真はGoogleMapから引用)
< 事故の状況および影響 >
事故の発生
■ 2018年8月17日(金)昼過ぎ、油井関連施設の古い油タンクが火災となった。発災現場からは、火災から上がる煙の雲が地域一帯に流れた。

■ 油タンクは落雷によって火災になったとみられる。少なくとも、タンク1基が火災になった。

■ 発災に伴い、セント・マーティン教区消防署が出動した。

■ ルイジアナ州高速94号、通称ミルズ通りは、ラファエットとブロー・ブリッジの間で、消防隊の消火活動中、警察によって一時的に閉鎖された。

■ 事故による負傷者はいなかった。

被 害
■ 火災に伴い、少なくともタンク1基が焼損し、内部の油が焼失した。

■ 事故に伴う負傷者は出なかった。 

< 事故の原因 >
■ 火災の原因は落雷によってタンク内部の油に引火し、火災になったとみられる。

< 対 応 >
■ ハズマット(HazMat)隊は、事故後のクリーンアップのため現場に残った。

■ 出動した消防隊員など緊急対応人員の人数や活動の詳細は分からない。
(写真はKlfy.comから引用)
(写真はKlfy..comから引用)
(写真はKlfy..comから引用)

補 足
   ルイジアナ州の位置  (写真はNizm.co.jpから引用)
■ 「ルイジアナ州」(Louisiana)は、米国南部のメキシコ湾に面しており、州都はバトンルージュ、最大の都市はニューオリンズである。人口は約457万人であるが、2005年のハリケーン・カトリーナなど何度も大型のハリケーンに襲われたため、移転する州民が多く、他の州に比べて人口が伸び悩む傾向にある。
 「セント・マーティン教区」(St. Martin Parish)は、日本ではセント・マーティン郡とも呼ばれ、ルイジアナ州南部に位置し、人口約52,000人の郡である。群庁はセントマーティンビル(人口約6,100人)であり、最大の町は「ブロー・ブリッジ」(Breaux Bridge:人口約8,100人)である。

 なお、ルイジアナ州では、つぎのような事故や対応事例がある。
         ルイジアナ州のメキシコ湾岸  (写真GoogleMapから引用)
■ 「JPオイル社」(JP Oil Company, LLC)は、1975年に設立された石油・天然ガス掘削・生産の石油会社で、ルイジアナ州ラファイエットを拠点として、主にルイジアナ州、テキサス州、カリフォルニア州、ワイオミング州で事業を展開している。
JPオイル社の石油・天然ガス掘削生産の例
(写真はJpoil.comから引用)
■ 「発災タンク」の仕様については「古いタンク」ということだけで、大きさなどの情報は報じられていない。グーグルマップで発災場所を調べてみると、ルイジアナ州高速94号(ハイウェイ)沿いに新旧の油井用タンク施設がある。(写真を参照)

 JPオイル社は、石油メジャーから既存の油井(採掘権)を買収し、新しい掘削・生産方法をとる事業を行っている。今回、発災した油井用タンク施設はその例のひとつだと思われる。グーグルマップで調べると、古い方のタンクは、直径約2.5m×3基、直径約4.5m×2基である。直径約2.5mのタンクの高さを4mとすれば、容量は20KL級タンクとなる。直径約4.5mのタンクの高さを6mとすれば、容量は100KL級タンクとなる。容量20~100KL級のタンクのいずれが発災タンクかは特定できなかった。
発災したとみられる油井用タンク施設 (右が古い施設)
(写真はGoogleMapから引用)
事故前の油井用タンク施設 (左が古い施設)
(写真はGoogleMapストリートビューから引用)
所 感 
■ 今回、久しく無かったルイジアナ州での落雷によるタンク火災である。「NASAによる世界の雷マップ」によれば、ルイジアナ州は、テキサス州などと並び、雷の多い地域である。米国の原油・天然ガスの油井施設が好調の背景から、メキシコ湾岸でのタンク火災の頻度の高まる可能性があるのではないだろうか。

 消防活動については、あまり言及されていないが、タンクが容量20~100KL級の規模から数時間で火災は消えたと思われる。注目している点は、ハズマット(HazMat)隊が出動し、事故後のクリーンアップのため現場に残ったことである。ルイジアナ州はハズマット隊の組織化に熱心なところであるが、人口約52,000人のセント・マーティン教区消防署でもハズマット隊を編成していることは興味深い。


備 考
 本情報はつぎのインターネット情報に基づいてまとめたものである。
  ・Katc.com,  Oil Tank Fire Extinguished in St. Martin Parish,  August  17,  2018
    ・Klfy.com,  Major Fire on Mills Highway in St. Martin Parish Now Under Control ,  August  17,  2018
    ・Kadn.com,  Oil Tank on Fire at Refinery outside Breaux Bridge,  August  17,  2018
    ・Hazmatnation.com , Lightning Strikes Oil Tank in St. Martin Parish,  August  18,  2018


後 記: 米国の事故情報を調べていて、最近、感じることはツイッターを利用する人が増えたことです。以前からフェースブックを使う人はありましたが、大統領の影響(?)でツイッターを使用する人が増えているようです。私は事故の状況の詳細を知りたいので、事故があったということだけを伝えるツイッターは、参考になりません。しかし、メディアも今回のような通信社のような記事だと、伝えるべき内容に乏しいですね。人口約8,100人のブロー・ブリッジのさらに郊外で起こった火災事故では、近隣の人の意見は出ないでしょう。現地に行った記者がいなければ、消防隊が出て消火活動に勤(いそ)しんでも、感想が無いのは当然なのでしょうかね。救いは、事故の写真や映像が出ていることです。(今回は良い写真や映像ではありませんが) これがなければ、無味乾燥の内容になっているでしょう。 




2018年8月14日火曜日

イタリアの高速道路で渋滞中、タンクローリーが突っ込み爆発、死傷者72名

 今回は、2018年8月6日(月)、イタリアのボローニャを通る高速道路で渋滞していた車列にタンクローリーが突っ込み、火災が起き、その後、タンクローリーに積んでいた液化石油ガスが爆発した事故を紹介します。
(写真Nytimes.comから引用)
< 発災施設の概要 >
■ 発災があったのは、イタリアのボローニャ(Bologna)を通る上下8車線の高速道路A14号で、ボローニャ空港に近い市西部のボルゴ・パニガーレ(Borgo Panigale)地区付近の高架橋である。

■ 事故は、渋滞していた車列にタンクローリーが突っ込み、火災が発生したことによって起こった。
       ボローニャを通る高速道路A14号で事故のあった場所付近  (矢印が発災場所)
(図はGoogleMapから引用)
<事故の状況および影響 >
事故の発生
■ 2018年8月6日(月)午後1時過ぎ、ボローニャ郊外の高速道路で、液化石油ガスを積んだタンクローリーが、渋滞していた車列のトラックに突っ込み、火災が起こり、その後に爆発した。現場では、巨大な火柱が立ち、黒煙が付近一帯に立ちこめた。

■ 近くのレストランで勤務していた男性は、「激しい爆音が聞こえ、テロ攻撃だと思った。爆発後にレストランの屋根が崩れ落ち始めた。外に目をやると、目の前に炎の壁があるように感じた」と語った。

■ この事故で、2人が死亡、70人が負傷した。タンクローリーの運転手は事故時に死亡した。地元保健当局の報道官によると、やけどの治療のため55人が病院に搬送されたと説明した。高速道路警備当局によれば、負傷者のうち少なくとも2人は警官だという。在ミラノ総領事館によると、日本人が巻き込まれたとの情報はない。

■ 現場はボローニャ空港の近くで、大型ショッピングセンターなどがある。爆発の衝撃で、高速道路の高架の一部が崩落したほか、炎によって高架道路下にあった自動車販売店にあった車に延焼し、これらの車も爆発し始めた。また、付近の店舗や住宅に窓ガラスが割れるなどの被害が出た。けが人の中には、飛んできた窓ガラスの破片で負傷した人もいる。

■ 付近にあるボローニャ空港は運航に影響は出なかった。

■ 消防隊によると、爆発後、火災は3時間ほどで消えた。
■ 現場では、夜になっても積み荷の一部とみられる木材がくすぶるなど、激しい事故の痕跡が残っていた。

被 害
■ 人的被害として死者2名、負傷者70名が発生した。

■ タンクローリーは破裂損壊し、内部の液化石油ガスが焼失した。高速道路が一部崩落したほか、付近の建物や自動車に被害が出た。詳細な物的被害は分かっていない。 
               衝突の前後  白い枠内がタンクローリー)
(写真Youtube.comの動画から引用)
(写真はDailymail.co.ukから引用)
(写真はDailymail.co.ukから引用)
< 事故の原因 >
■ 事故の原因は、タンクローリーが前に渋滞していたトラックに衝突し、火災となり、タンクローリーの液化石油ガスに着火し、爆発を起こしたとみられる。
 タンクローリーが渋滞していたトラックに、なぜ衝突したかは分かっていない。

< 対 応 >
■ 警察は市民に対し、爆発が起きた一帯に近づかないよう呼びかけた。また、国家消防当局は、現場の調査などを担うヘリコプターを派遣した。

■ イタリア内相は、検察が事故原因を調べていると明らかにした。
(写真はMotorbox.comから引用)
(写真はDailymail.co.ukから引用)
崩落部に破裂したタンクが見える
(写真はMotorbox.comから引用)
(写真はDailymail.co.ukから引用)
(写真はMotorbox.comから引用)
補 足 
■ 「イタリア」(Italy)は、正式にはイタリア共和国で、南ヨーロッパにおける単一国家、議会制共和国である。イタリアは、ロスティバル(lo Stivale)と称されるブーツ状の形をしており、国土の大部分が温帯に属する人口約6,000万人の国である。
 「ボローニャ県」は、イタリアエミニア=ロマーニャ州に属する県級行政区画で、人口約100万人の県である。「ボローニャ」(Bologna)は、イタリアの北部にある都市で、人口約39万人のボローニャ県都である。
  イタリアとボローニャの位置  図はGoogleMapから引用)
■ タンクローリーによる衝突と爆発時の映像は報道でいろいろ報じられており、Youtubeにも投稿されている。その中で、事故時の状況を知る上で、参考になるものを紹介する。
 ● Video Drole、「Explosiond‘un camion-citerne à Bologne (Italie)」(2018/8/7)  

所 感
■ 今回の事例は、タンクローリーが渋滞していたトラックに衝突して起きた事故である。事故時の状況は高速道路の監視カメラに残されていたので、世界中に配信され、日本のメディアでも取り上げられた。ただ、詳細な状況ははっきりしない。前にいたトラックは、自動車を運んでいたらしいが、衝突の影響で自動車が外に飛び出し、火災を起こしたように見える。この後、高速道路上にいた車両が避難し、交通遮断された状況の中で、液化石油ガスを積んだタンクローリーが爆発したものだと思われる。タンクローリーは完全に破裂し、崩落した高速道路に残骸を残した。爆発までにしばらく時間があったようなので、高速道路上にいた車両は被害を免れた。そうでなければ、もっと被害は大きくなっていただろう。

■ タンクローリー車は、ブレーキをかけないで、前に渋滞していたトラックに衝突したと思われる。この原因は、運転手が病気で意識をなくしたか、携帯電話(スマートフォン)の画面に気をとられ、前方を見ていなかったという要因があげられる。最近、自動車だけでなく、自転車や歩行中の携帯電話(スマートフォン)の使用による追突や事故を生じる問題があるが、絶対に止めなければならない。今回の事故は、思ってもいなかったような大きな影響になることを示す事例である。


備 考
 本情報はつぎのインターネット情報に基づいてまとめたものである。
  ・Asahi.com, イタリアでタンクローリー爆発 1人死亡、高架が崩落,  August  07,  2018
    ・Mainichi.jp, イタリア 高速でローリー爆発 2人死亡60人超負傷 ,  August  07,  2018
    ・Cnn.co.jp, 高速道路でタンクローリー爆発 3人死亡、67人負傷 イタリア,  August  07,  2018
    ・Jp.sputniknews.com, ボローニャでのタンクローリー爆発の瞬間、動画に撮影,  August  07,  2018
    ・Afpbb.com, 伊北部でタンクローリー爆発、約70人死傷,  August  07,  2018
    ・Jiji.com, イタリアでタンクローリー爆発、2人死亡=60人以上負傷,  August  07,  2018
    ・Tokyo-np.co.jp, イタリアでローリー炎上2人死亡 高速道路事故、60人負傷,  August  07,  2018
    ・Nhk.or.jp, イタリアでタンクローリー事故 大規模な爆発・炎上,  August  07,  2018
    ・Fnn.jp, タンクローリー大爆発 3人死亡 伊・ボローニャ,  August  07,  2018
    ・Yomiuri.co.jp, タンクローリー追突し爆発…イタリア,  August  07,  2018
    ・Driving.co.uk, 70 Injured in Devastating Tanker Explosion Italy,  August  07,  2018
    ・Washingtonpost.com, Tanker Truck Explosion in Italy Kills 2,Iinjures up to 70,  August  06,  2018
    ・Cnbc.com, Fuel Truck Explosion in Italy Kills 2, Injures up to 70,  August  06,  2018
    ・Dailymail.co.uk, New CCTV Shows Moment Gas Tanker Plowed into Back of a Truck, Sparking Explosion that Left One Dead and Scores Injured in Italy,  August  07,  2018
    ・Kdvr.com , 3 Killed, Several Injured in Italy Highway Gas Tanker Explosion,  August  07,  2018    



後 記: 今回の事故の状況はいろいろ報じられていますが、最初に悩んだのが、動画です。米国のCNNが報じている動画の初めに「グラフィック・イメージを含むので、視聴者の慎重な裁量に委ねる」というような表示が出てきました。当初は、爆発の画面に車両が映っていないので、この場面に何らかな処理をしているのかなという疑問を持ちました。(下記写真を参照) しかし、いろいろ調べていくと、どうやらそうではなさそう気がしてきましたが、「グラフィック・イメージ」(Graphic Imagery)の意味がはっきりしませんし、結局、この爆発動画からの写真を使わないことにしました。このような事実をあいまいにする表現は避けてほしいと思いますね。
(写真はEdition.cnn.comから引用)