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2012年1月29日日曜日

漏洩ポンツーンの補修方法

2011年11月は事故の多い月でした。その後、12月以降、貯蔵タンクの事故の情報は聞こえてきません。良いことです。
という訳で、今回は2011年10月にあった米国石油協会のAPIタンク会議で発表された漏洩ポンツーンの補修方法2件を紹介します。一つは「漏洩ポンツーンのウレタン製ポンツーン・ライナー・ブラダーによる補修」(Mesa Industries Inc. David J. Maurer)で、もう一つは「漏洩ポンツーンのポリウレタンフォーム材による補修」(Unicoat International Inc. Tommy Lightfoot)です。
































後記; 2011年11月地元周南市で起こった東ソー塩ビモノマー製造設備の爆発火災事故は発災後の対応についてまずさがあったことは紹介しましたが、1月24日に山口県が事故を受けての必要な対策をまとめた報告書を発表しました。朝日新聞の地方版によると、対策として、①事故が起きたら周辺の事業所が風向・風速や有毒ガスの検知結果を提供する、②休日・夜間の連絡網など情報提供・収集態勢を整備する、③住民への広報と避難対策の強化などです。これを受けて周南地区防災協議会(22事業所)は「初動対応マニュアル」を3月末までに作成することになっています。
対策の第1項目に周辺事業所の情報提供が出ており、理解しずらいと思います。当日、火災に伴って煙とともに有毒な塩化水素ガスが発生しました。この住民の環境・健康問題への対応が後手後手に回ったという反省から出たものです。発災事業所が周南コンビナートの西部にあり、その東側にその他のコンビナート群があります。参考に地図を示します。
これらの対応は当日の反省から出たものでしょう。しかし、肝心の環境行政機関の役割と対応が欠けています。環境行政機関が住民の立場で、自ら測定してモニタリングし、危険性があれば、住民の避難の要否を判断(最終決定は自治体の長)という対応が一番に来るべきです。
仮に当日の風が南からの風で周辺事業所にガスが流れず、直接住宅地へ流れた場合はどうだったでしょう。また、発生源がはっきりしない有毒ガスが発生した場合、誰が先頭になって住民の避難要否を判断するのでしょう。
大気と水と土壌の汚染問題に関して住民の健康・安全を守るという環境行政の視点が欠落しているように思います。

2012年1月20日金曜日

スリランカの石油施設のパイプラインで油漏れ

今回は、2011年11月29日、スリランカのコロンボにある石油施設のパイプラインから油漏れの事故情報です。コロンボ港からコロナワ石油施設までの石油パイプラインはセイロン・ペトロリウム公社系列のセイロン・ペトロリウム・ストレージ・ターミナル社が操業していますが、以前から油漏れの問題がある中で、11月末にコロンボ市のブローメンダール地区で漏洩していることがわかり、その状況について紹介します。

後記; 今回の事故について関連情報を調べていて、興味深い石油貯蔵基地があることがわかりました。それは、スリランカに進出したインディアン・ペトロリウム公社の現地法人であるランカIOCのトリンコマリーにおける石油ターミナルです。この石油タンク群は1942年に英国軍が建設したもので、トリンコマリー石油貯蔵基地として存在しています。このような石油貯蔵基地が残っていて、さらにそのタンクを活用するということについて信じられません。



2012年1月13日金曜日

ケニアのオイルターミナルから油漏れ後に爆発

今回は、2011年11月30日、ケニアのナイロビにある工業地区のハシ・オイルターミナルから漏れた油が排水系統のマンホール内で爆発した事例を紹介します。
爆発という事象で工業地区は混乱が起こりましたが、幸い負傷者はおらず、事態は一旦収束しました。しかし、この事故が取材されていく中で、実は2日前の11月28日に油漏れによる火災があり、11名が火傷を負うという事故があったことがわかりました。
これらの事故はケニア・パイプラインが関係しており、このブログで以前紹介した2011年9月12日、120名の死者を出したケニア・パイプラインの油漏れによる爆発事故から2か月余りで、再び同じような事故が起こったため、ケニア国内では安全問題とともに石油製品の供給にも影響するニュースとして取り上げられています。


後記; 新年になって最初に取り上げたのはケニアの事故情報になりました。11月30日の事故はマンホール内の爆発で、負傷者もなく、インターネットで得られる情報は同じ記事が多く、迅速な事態収拾という内容でした。ところが、前前日の11月28日に負傷者を出す火災事故が起こっていることがわかり、根の深い事故だという思いがしていましたが、暮れの12月26日にも、これらの事故が取り上げられていることがわかりました。9月12日の「シナイ火災事故の悲劇」が尾を引いているようです。
一方、11月13日、地元周南市の東ソー塩ビモノマー製造設備の爆発火災事故のその後は、被災場所の安全が確認できないということで、現場検証ができない状況でしたが、油などの危険物質の除去が終わり、2012年1月10日に警察、消防署、労働基準署による現場検証が再開されました。現場検証だけで数週間かかるといわれ、この事故の事態収拾も長引きそうです。
再開された東ソー事故の現場検証 (写真は山口新聞から引用)