今回は、米国ワシントン州にあるハンフォード・サイトと呼ばれるエネルギー省管轄の放射性廃棄物保管施設にある二重壁型の放射性廃液タンクから漏れがあったほか、二重壁型タンク28基のうち20基は漏洩のリスクが高いという情報について紹介します。
二重壁型タンクAY-102は1969年に建設されたもので、2012年に放射性廃液が内殻から漏れ、外殻との間のアニュラーエリアに流れ出た。
(写真および解説はTri-CityHerald.comから引用)
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<状 況>
■ 米国ワシントン州にあるハンフォード・サイトの核保有施設は西半球で最も大きな放射性廃棄物保管施設である。そして、米国内で大きな環境問題となっているが、そこで何が起こっているかについてはあまり知らされていなかった。ここにきて、福島の災害をきっかけに注目されるニュースになっている。
■ 2014年3月1日、AP通信は入手した資料から、ハンフォード・サイトの放射性廃棄物保管施設にある比較的新しい二重壁型の放射性廃液タンクから漏れがあったほか、6基については漏洩に至る恐れのある“重大な建設時の欠陥”があるという情報を流した。
ハンフォード・サイト
(図はエネルギー省ハンフォードのウェブサイトから引用)
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タンク所の配置
(図はエネルギー省ハンフォードのウェブサイトから引用)
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■ ハンフォード・サイトの二重壁型放射性廃液タンク28基には、米国本土で最も放射能汚染のひどい核兵器施設の中で、最もひどい放射性廃液を保管している。2012年に、この大型タンクの1基から漏洩していることが分かった。さらにその後、二重壁型タンクについて米国エネルギー省がハンフォード・サイトの請負会社の一社に委託した追跡調査によって、将来漏れに至るタンクには少なくとも6つの共通的な欠陥のあることがまとめた資料で分かった。資料によれば、13基のタンクに漏れ発生の恐れがあるという。
二重壁(ダブル・シェル)型地下タンクの構造例
(図はエネルギー省ハンフォードのウェブサイトから引用)
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■ 貯蔵タンクに関する課題は、ワシントン州南東部における放射性廃液のクリーンアップ作業の実施が危ぶまれていることである。ハンフォード・サイトのクリーンアップには、すでに年間20億ドル(2,000億円)の税金が投入されている。ロン・ワイデン上院議員はエネルギー省アーネスト・モニス長官宛の2月28日金曜の書簡の中で、「エネルギー省にとって、ハンフォードの状況が有効に管理されているという隠し球(実態隠し)や偽りをやめる時期は今でしょう」と述べている。
■ エネルギー省ワシントン州リッチランド支部の担当官は、当局としては徹底した検査を継続して実施しているし、検査周期は増やしていると語っている。エネルギー省タンク地区の部長補佐であるトム・フレッチャー氏は、「タンクの使用は5年~7年で見直しています。現在、3年間の時間枠に移行しつつあります」と語った。フレッチャー氏によると、エネルギー省では、2012年に漏洩が発見されて以降、分析されていなかった二重壁型タンク8基について検査工程に入っているという。フレッチャー氏は、新たな漏れは見つかっていないといい、「タンク地区において潜在するリスクの把握や、これまでの経験に基づいて実施してきた管理手法について変更や改善の必要があれば、私どもは取り組んでいきますよ」と語った。さらに、エネルギー省では、ハンフォード・サイトに新しい貯蔵タンクの建設可能性について検討を継続していると、フレッチャー氏は付け加えた。
■ 放射性廃棄物の排出や漏洩の問題は、ワシントン州だけに限られたものではない。2週間前には、ニューメキシコ州の核廃棄物地下処分場で働いていた作業員13名が被爆するという事故が起こった。地上における放射線量は廃棄物隔離パイロット施設の操業を停止させるもので、当局は漏洩の原因と作業員の健康への影響について調査を行っている。
■ 市民監視グループ「ハンフォード・チャレンジ」のトム・カーペンター氏は、二重壁型タンクから漏れの起こる危険性が高いという話は驚くようなことではないと言い、「タンクには設計寿命というものがあります。悪いのは、タンクを新しく建てて管理しようとしないことです」と語った。カーペンター氏は、さらに、タンクを新しくすることは安くはないが、漏れてクリーンアップするようになったら、もっと高くつくと言い、「この廃棄物が一旦外へ出てしまい、汚染された環境をクリーンアップするための費用は計りしれないものになります」と語っている。
■ ハンフォード・サイドには、核兵器用のプルトニウム製造過程から出た高レベルの放射性廃液が5,300万ガロン(20万KL)保管されている。この放射性廃棄物は177基の地下貯蔵タンクに保管されているが、その多くは1940年代の第二次世界大戦時に建設された一重壁型である。これらの一重壁型はあとから製作された二重壁型に比べて補強性に欠けており、すでに多くの漏れが見つかっている。28基の二重壁型タンクは1960年代から1980年代にかけて建設されており、それでも30年~50年を経過している。
新しいプランでは、130億ドル(1兆3,000億円)を掛けて廃液の処理施設を建設する一方、放射性廃液は、漏れのある一重壁型タンクから新しい大型の二重壁型タンクへ移し換えて保管する計画であった。しかし、処理施設は設計上の問題に悩まされ、建設は中断している。
■ 2012年10月のニュースが流れるまでは、ハンフォード・サイトの状況が悲惨なものと思われていなかった。2012年10月、AY-102と呼ばれる最も古い二重壁型タンクから漏れていることが分かった。これが28基ある二重壁型タンクの最初の漏洩事故になった。このとき、エネルギー省は、漏れたタンクだけにあった建設時の問題のせいにし、他の二重壁型タンクで漏れる可能性は“考えにくい”と発表した。
■ しかし、ワイデン上院議員によると、技術的な見直しを行なった結果では、6基の二重壁型タンクについて建設時の重大な欠陥があることがわかり、漏れたタンクと本質的に同じだという。ワイデン上院議員は、最近まで上院エネルギーおよび天然資源委員会の委員長を務めており、同議員の書簡では、6基のタンクに約500万ガロン(3,500KL)の放射性廃液が入っているという。
ワイデン上院議員の入手した資料によれば、例えば、あるタンクには1次底部および2次底部に膨れがあることが分かった。また、このタンクは検査官によって不合格にされた溶接部が相当な数あり、建設時に再溶接されている。見直しの結果によると、13基の二重壁型タンクについては、漏れのあったタンクより多少マシな程度だということが分かった。「しかし、溶接の不合格率でわかるように、二重壁型タンクには建設時の問題点のあることが明らかで、これが懸念されるところであるとともに、“長期的なタンク健全性の不確実性”が高い」とワイデン上院議員は述べている。このことは、ハンフォード・サイトにおける28基の二重壁タンクのうち20基は憂慮されるレベルにあることを意味する。
■ ハンフォード・サイトに新しい貯蔵タンクを建設すべきだとするワシントン州とオレゴン州の両知事が行なった提案にエネルギー省は耳を傾けるべきだと、ワイデン上院議員は語った。タンク建設には、それぞれ1億ドル(100億円)以上のコストが掛かるとみられる。また、二重壁型タンクの建設時の欠陥について言及することなく、ハンフォード・サイトのクリーンアップ計画の枠組みを9月に発表したエネルギー省に対して上院議員は批判した。上院議員は、これを“インディフェンシブル”(防御否定)と呼び、「コロンビア川流域に暮らしている住民は、ハンフォード・サイトのタンクで何が起こっているのか全てのことを知る権利がある」と述べている。ワイデン上院議員は、エネルギー省に対して45日でアクション・プランの回答をするよう申し入れている。
■ 当局は、漏れた廃液が地下水系に達するにはおそらく何年もかかるので、廃液の漏洩は公共の安全や環境へすぐにリスクをもたらすことはないと語っている。
AP通信のレポートが出された後、ドク・ヘイスティング下院議員(ワシントン州選出)は、“我々のコミュニティーや環境に対して新たな脅威ではない”といい、ハンフォード核廃棄物問題にとって“新しい貯蔵タンクも決して万能の方策ではない”という声明を出した。
■ 漏れのあったAY-102タンクの処置についてワシントン州エコロジー局核廃棄計画部のジェーン・ヘッジス部長は、「このタンクの廃液を移送する必要性についてずっと強く言ってきました。私たちは本当に憂慮しているのです」と語った。ワシントン州は、1月に廃液の監視計画について要請していたが、状況が悪化しなければ、何らアクションをとらないエネルギー省へ対して批判していた。3月7日(金)、エネルギー省はAY-102タンクからの移送計画を発表した。
■ エネルギー省ハンフォード・サイトが隔週毎に行っている検査によって、地下タンクのアニュアル部、すなわち内郭と外郭の間のスペース部にかなり大きな乾いた廃棄物のあることがわかった。アニュアル部をアクセスできるようにしたライザーに設置したビデオカメラは、底部の何もないところに影を撮し出していた。明らかに新しい乾いた廃棄物である。この新たしい乾いた廃棄物の大きさは、長さ7フィート×幅21インチ×厚さ1インチ以下(長さ210cm×幅530cm×2.5cm以下)と推測された。2012年、同じライザー部で撮影されたビオカメラの映像には何もなく、きれいな箇所だった。エネルギ-省は、タンクのアニュアル部に“条件の変化があっている”としか答えていない。ハンフォード・サイトの関係者は、いろいろな可能性をいい、内郭から複数の漏れが起こっているかどうかは分からないと言う。内郭と外郭の底部はセラミック耐火材であり、内郭はこの上に載っている。この内郭と外郭の間の円環部は冷却空気の通風路であり、廃液が漏れたときの逃げ場になっている。タンクの直径は75フィート(22.5m)である。廃液がタンク下の土壌部に達してはいないとみられている。
二重壁型タンクの内郭と外郭の間の空間 二重壁型タンクの内郭からの漏れ廃液
(写真はエネルギー省ハンフォードのウェブサイトから引用)
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ビデオ撮影による検査 (上:2012年異常なし 下:2014年廃棄物らしいもの)
(写真はエネルギー省ハンフォードのウェブサイトから引用)
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■ エネルギー省は1969年~1980年代半ばに掛けて二重壁型タンクを建設したが、これは漏れやすい古い一重壁タンクを空にするためであった。その後、少なくとも一重壁型タンクの1基からは土壌部に廃液が漏れたとみられており、149基のうち67基の一重壁型タンクは、廃液の移送が行われる前に、漏れがあっているのではないかと疑われている。漏れのあったAY-102タンクは1969年に建設され、40年の設計寿命を超えて廃液を保管していた。
■ エネルギー省は、二重壁型タンクから廃液移送のためのポンプを設置してきた。しかし、タンク内には、151,000ガロン(570KL)の放射性汚泥と冷却用を兼ねている680,000ガロン(2,570KL)の廃液が入っている。放射性汚泥は放射性崩壊による熱を発生し、熱はタンク内の腐食率を増大させるとともに、可燃性の水素ガスが形成する可能性に寄与する。
エネルギー省が年初に見込んだところによると、
AY-102タンクから汚泥を移送するための準備に18~20か月かかるという。しかし、州条例では、漏れや異常が発見されてから24時間以内に原因究明のための検査を行なうようエネルギー省に求めている。州によれば、この時間には、検査をするために必要な汚泥の移送を含んでいるという。
■ ワシントン州は1月にエネルギー省へ出した書簡の中で、エネルギー省は漏れの明確な箇所、漏洩の速さ、漏洩部の条件について把握していないし、漏れがいつ、どのようにして悪化していくかも把握していないと指摘している。タンクを空にするまでの待ち時間の間にもリスクがあると、州は述べている。漏れは通風路の妨げになる可能性があり、タンク内の熱を緩和する能力を損ない、タンク底部の腐食性を増大させてしまうことになる。
■ デジタル・ジャーナルのカレン・グラハム氏は、ハンフォード・サイトの問題について記事を書いたあと、最後につぎのような所見を述べている。「私たちは、日本の発電所の混乱について、実際問題、気取った態度で見ている場合ではありません。私たちは同じ沈没前の船に乗っているようなものです」
補 足
■ 「ワシントン州」は、米国西海岸最北部に位置し、人口約670万人で、州都はオリンピアであるが、規模や経済の面で中心都市はシアトルである。
放射性廃棄物保管施設のハンフォード・サイトはワシントン州東南部のベントン郡にある。ハンフォードという町は、核生産施設の土地を確保するため、1943年、当時小さな農業の町だったが、強制的に立ち退かされ、現在は存在しない。町があった場所は、現在、ハンフォード・サイトの100F区域とされている。
ハンフォード・サイトのタンク地区 (上部にコロンビア川が見える)
(写真はエネルギー省ハンフォードのウェブサイトから引用)
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ハンフォード・サイトの処理施設
(写真はエネルギー省ハンフォードのウェブサイトから引用)
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■ 「AP通信」(Associated Press)は、1846年5月に米国で設立された世界的な通信網を持つ大手通信社である。
243の支局を持ち、121か国で世界各国のスタッフが活動している。 AP通信は米国内の放送局や新聞社の協同組合で、各メディアはAP通信から記事の配信を受けたり、AP通信を通して自社の記事を配信している。
■ 「ロン・ワイデン上院議員」はオレゴン州選出の上院議員(民主党)である。
ワイデン上院議員は2012年4月に来日し、東京電力福島第1原子力発電所の視察を行っている。ウォール・ストリート・ジャーナルは、同年4月18日付けで「福島第1原発は非常に危険
米議員が燃料棒について警鐘」と題して使用済み燃料プールのリスクなどについて、つぎのように報じている。
「視察を行った米上院エネルギー委員会の有力メンバー、ロン・ワイデン議員によると、非常に危険だという。ワイデン氏は藤崎駐米大使に宛てた16日付の書簡で、同原発の原子炉建屋が再び地震や津波に見舞われれば、崩壊し、“当初事故よりも大規模な放射性物質放出”
が起こる恐れがあると警鐘を鳴らした。特に、日本は動きが遅く、危険な核燃料棒を原子炉から取り出していない。米国はスピードアップに向けた支援をすべきだ。ワイデン氏は、藤崎大使のほか、米国エネルギー省長官、米国国務省長官、国際原子力規制委員会(NRC)委員長への書簡でも、こう訴えている。東京電力の広報担当者は、書簡についてコメントできないと述べ、同社としては行程表を着実にこなすことしかできないと説明した。外務省はコメントを控えた」
(写真はFinanceGreenWatch.comから引用)
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■ 「ニューメキシコ州の核廃棄物地下処分場の作業員13名が被爆」とは、2014年2月14日(火)、米国ニューメキシコ州にある米国エネルギー省が管轄している核廃棄物隔離試験施設で起こった放射能漏れ事故で、当初は人体に影響がないとしていたが、その後の検査で13名(その後、17名に増えた)の従業員が被爆していたことが分かったものである。当該施設は1999年に操業された放射性廃棄物貯蔵施設で、廃棄物の大半は防衛関係の研究や核兵器製造で用いた使用済みプルトニウムである。施設は地下655mの古代岩塩層に設置された処分室に試験的に貯蔵されている。放射性物質が検知されたのは、2月14日(火)午後11時30分頃で、大気中への放出を防ぐための換気システムが自動的にろ過モードに切り替わった。施設責任者は、放射能漏れは最小限度で、健康への影響もさらに調査が必要と語っている。
所 感
■ ハンフォード・サイトにおける一重壁型タンクの漏洩問題については、当ブログの2013年3月に「長崎原爆製造後の放射性廃液が貯蔵タンクから漏洩」として紹介した。今回は、二重壁型タンクの漏洩が問題視されたものである。二重壁型タンクの構造は、設計上、よく考えられているようだが、建設当時の溶接技能(技術)が付いていかなかったものと思われる。しかし、すでに設計寿命40年を越しており、石油工業における貯蔵タンクを考えれば、問題が出ても何らおかしくない。
■ ここで感じるのは、放射性廃液(廃棄物)が何と厄介なものかいうことである。放射性汚泥を含む放射性廃液を一旦タンクに貯蔵したら、開放検査することは難しい。プルトニウム(239)の半減期は2万4千年で、無害化まで10万年を要すという。設計寿命40年のタンクに貯蔵するとしたら、2,500回建て直す必要がある。保管数量を減らして長期保管するための処理施設は建設段階で目処が立っていない。現在は解決策がなく、意図的でないにしても情報を隠したがり、問題点の先送りをしているという状態である。
■ ハンフォード・サイトにおける不信感に満ちた「米国エネルギー省ーワシントン州ー住民」の関係は、数年後の「経済産業省(環境省)ー福島県ー住民」の関係を見るような感じである。すなわち、福島第1原子力発電所では、放射性汚染水だけでも貯蔵タンクや処理施設(ALPS)に問題があるのに、これからメルトダウンした原子炉の廃炉段階に入れば、ますます課題は深刻化し、情報は公開されず、問題は先送りされる状態になるだろう。
注記:当ブログで取り上げた東京電力福島第1原子力発電所の放射性汚染水の問題
備 考
本情報はつぎのようなインターネット情報に基づいてまとめたものである。
・FoxNews.com, Concerns Raised about Nuclear Waste Tanks at Haford, March 01, 2014
・RT.com, Construction Flaws in Six Hanford Nuclear Waste Tanks, 13 More May BE Compromised, March 01, 2014
・DigitalJournal.com, Op-Ed:Hanford- The Most Contaminated Nuclear Waste Site in America, March 01, 2014
・FoxNews.com, Concerns Raised about Nuclear Waste Tanks at Haford, March 01, 2014
・RT.com, Construction Flaws in Six Hanford Nuclear Waste Tanks, 13 More May BE Compromised, March 01, 2014
・DigitalJournal.com, Op-Ed:Hanford- The Most Contaminated Nuclear Waste Site in America, March 01, 2014
・NTI.org,
Leak Risk Seen in Washington State Nuclear-Waste Containers, March 03, 2014
・FireDirect.net,
USA-Radioactive Leak at Nuclear Waste Facility,
March 06, 2014
・Tri-CityHerald.com,
More Leaking Waste Found at Hanford Tank,
March 06, 2014
・NWCN.com,
Leak in Massive Hanford Nuclear Waste Tank Getting Worse, March 06, 2014
・NBCRightNow.com,
Department of Energy Releases Pump for Tank AY-102, March 08, 2014
・ KING5.com, DOE Criticized for
Delay in Emptying Hanford Tank, March
10, 2014
・Hanford.gov,
241-AY-102 Pumping Plan, March 07, 2014
・Asahi.com, 米核廃棄物処分施設、13人内部被曝か ニューメキシコ,
March 01, 2014
・FinanceGreenWatch.com , 米ニューメキシコの核廃棄物地下貯蔵施設の放射能漏れ、従業員13人の被爆明らかに, February
28, 2014
後記: 本文中には散漫になるので、情報を記載しませんでしたが、米国オバマ政権は国家予算の歳出削減に取り組んでおり、ハンフォード・サイトの予算もカットしています。科学的な議論でなく、ますます政治化する問題のようです。
ところで、日本の福島第一原子力発電所の汚染水の処理設備“ALPS”も問題が顕在化してきました。3月18日に性能が大幅に低下するトラブルで停止し、調査の結果、汚染水処理の障害になる塩分を取り除くフィルターが十分機能していなかったことが分かったそうです。しかし、3月24日午後に処理を再開しましたが、すぐに設備内のタンクから水が漏れる別のトラブルが見つかり、再び処理を停止したというニュースが3月25日に流れています。ALPSについては、当ブログの「汚染水処理施設のタンク不具合について」(2013.9.28)で「完成度としてはまだまだの感である。運転も強アルカリ性と中和を繰り返すなど調整の難しいかなり厳しい運転条件があり、今後の試運転にもいろいろな課題が出てくると思われる」と所感を述べましたが、最近では、この分野の学者の中にもALPSは役に立たないという人も出ています。
今回の情報の最後にカレン・グラハム氏が述べた「私たちは、日本の発電所の混乱について、実際問題、気取った態度で見ている場合ではありません。私たちは同じ沈没前の船に乗っているようなものです」という言葉が印象的です。