このブログを検索

2024年4月26日金曜日

茨城県のキリンビール取手工場でビールの副原料タンク内で作業中に死亡事故

 今回は、2024420日(土)、茨城県取手市にあるキリンビール㈱取手工場においてビールの副原料となるコーンスターチを貯蔵するタンクが詰まったため、タンク内に入槽して棒で突つくなどの作業をしていたメンテナンス会社の社員が倒れており、消防隊が救助で出動したが、作業していた社員が死亡していたという人身事故を紹介します。

< 発災施設の概要 >

■ 発災があったのは、茨城県取手市(とりで)桑原にあるキリンビール㈱の取手工場である。

■ 事故があったのは、工場内にあるビールの副原料となるコーンスターチを貯蔵するタンク(サイロ)である。

< 事故の状況および影響 >

事故の発生

■ 2024420日(土)正午前、ビール工場のコーンスターチと呼ばれる粉を貯蔵するタンクの中で作業をしていたメンテナンス会社の社員(29歳)の姿が見えなくなった。

■ 現場にいた同工場関係者がタンク内をのぞきこむと、メンテナンス会社の社員が副原料に埋もれた状態だったため、119番通報した。通報にもとづき、消防隊が出動した。

■ 消防隊員がタンクを捜索したところ、メンテナンス会社の社員がコーンスターチの白い粉の中で倒れているのが見つかった。メンテナンス会社の社員は約1時間半後に意識不明の状態で救助されたが、午後3時頃、搬送先の病院で死亡した。

■ メンテナンス会社の社員は、当時ひとりで、直径約4m×高さ約10mのタンクの中で、タンクの底の部分でコーンスターチの粉が詰まったのを解消するため、棒で突く作業などをしていたという。キリンビール㈱は、タンクで詰まりが発生したため、メンテナンス会社に依頼していたという。

■ ユーチューブでは、人身事故を伝えるメディアのニュースが投稿されている。

  Youtube、「キリンビール工場で男性作業員が「コーンスターチ」に埋もれているのが見つかり、その後死亡 茨城・取手市」2024/04/20

被 害

■ タンク内で詰まり解消作業をしていたメンテナンス会社の社員が死亡した。 

■ 操業への影響は不明である。

< 事故の原因 >

■ 事故原因は、タンク内に貯蔵されていた副原料のコーンスターチに埋もれたためとみられる。詳細は警察で作業方法や手順などに問題がなかったか調査中である。

< 対 応 >

■ 警察は詳しい状況を調べている。 ひとりで命綱を付けてサイロ内に入って作業をしていたというので、警察は作業方法や手順などに問題がなかったか、ほかの作業員から事情を聞くなどして、事故原因を詳しく調べている。メディアによっては、落下を防ぐロープが外れたと報じているところがある。

■ キリンビール取手工場では、202310月にも倉庫の屋根で作業をしていた男性が転落して死亡する事故が起きている。105日(木)、メンテナンスの男性会社員(62)が倉庫の屋根板を踏み抜き、高さ約8.8mからアスファルトの地面に転落して死亡した。死亡した男性は委託を受け、商品を保管する倉庫の屋根に設置された太陽光パネルの定期点検をしていた。屋根には採光用に半透明になっている箇所があり、そこを誤って踏み抜いたとみられている。安全帯は着用していたが、別の場所とつないでいなかったという。

補 足

■「茨城県」は、日本の関東地方に位置し、人口約281万人で、県庁所在地は水戸市である。 

■「取手市」は、茨城県の県南地域に位置し、人口約103,000人の市である。取手市には、キリンビール取手工場のほか、日清食品関東工場、伊藤ハム取手工場、キヤノン取手事業所などがある。

■「ビールの製造工程」の例を図に示す。ビールの主原料はモルト、ホップ、酵母、水である。これに副原料を入れてビールの味や香りを調整し、まろやかさやスッキリさを引き出すといわれている。この副原料にはコーンスターチや米などが使用される。

■「コーンスターチ」(Corn starch)はとうもろこしのデンプンで、ビールの副原料として使われるほか、料理やお菓子のとろみをつけることに使用される。和食や中華料理では片栗粉が使用されるが、西洋料理ではコーンスターチが用いられることが多い。コーンスターチはとうもろこしの殻粒からとったもので、白色でわずかに穀物の匂いのあるさらさらとした粒子の細かい粉である。片栗粉はじゃがいものデンプンであり、風味は異なるが、見かけに大きな差はない。自家製のコーンスターチを製造する映像をみると、特別に固化しやすいように見えないが、湿気の条件によっては部分的に固まるのかも知れない。 Youtube,HOMEMADE CORNSTARCH RECIPE | How To Make CORNSTARCH | Easy Homemade Cornstarchを参照)


■ 事故のあった「コーンスターチ用タンク(サイロ)」の大きさは直径約4m×高さ約10mと報じられており、円筒タンクであれば容量は125㎥である。仕込み釜への投入調整用タンクであれば、底部が円すい状のホッパー形タンクで、食品を取扱うため材質はステンレス鋼または亜鉛メッキであろう。固体や粉状用のタンクであれば、ブリッジによる詰まり防止のためにバイブレーターやノッカーが付けられているものがあるが、今回のタンクは詰まり解消のため人が入槽しているので、そのような付属設備はなかったものとみられる。

所 感

■ 警察の報道発表による事故状況であるが、メディアによって受け取り方が少しづつ違っており、妥当と思われる状況内容にした。消防による救出時の状況により酸欠という要因では無いようとみられる。タンク内のコーンスターチのレベルが分からず、また、肝心の安全帯の装着状況もはっきりしないが、何かの切っ掛けでコーンスターチの固化が崩れ、粉に埋もれてしまったものと思う。

■ タンク内にひとりで入槽して棒で突く作業をしていたというが、監視も置かずに作業を行ったということは過去にも同様の作業をした経緯があるのではないだろうか。事業所やメンテナンス会社の安易な考え方で人身事故を引き起こした可能性があるように思う。

 過去に、石油系以外のタンクにおいて発生した人身災害で紹介した事例は、つぎのとおりである。

 ●「石川県の製紙工場において溶剤タンクで死者3名」20186月)

 ●「大阪府のカーペット製造会社でタンク清掃時に転落、2名死亡」20192月)

 ●「北海道のでんぷん工場で男性が点検中にタンクへ転落か、死亡確認」 202010月)

 ●「日本製紙岩国工場においてタンク洗浄中に硫化水素中毒2名」 202112月)

 ●「群馬県の香料工場の円筒タンクで一酸化炭素中毒、死傷者3名(原因)」 202211月)

 ●「山口県の下関バイオマス発電所の焼却灰タンクで人身事故」20226月)

 これらの事例では、硫化水素や酸素欠乏に関わる事故だったことに比べると、今回は違った人身事故ではあるが、タンク内に入槽するという危険性のある作業では、つぎの3つの要素が重要である。

 ① ルールを正しく守る

 ② 危険予知活動を活発に行う

 ③ 報連相(報告・連絡・相談)を行い、情報を共有化する


備 考

 本情報はつぎのインターネット情報に基づいてまとめたものである。

      Fnn.jp, 【速報】サイロに埋もれ29歳男性作業員死亡 茨城・取手市のキリンビール工場,  April  20,  2024

      Msn.com,  29歳男性作業員「コーンスターチ」に埋もれ死亡 茨城のキリンビール工場で…,  April  20,  2024

      News.infoseek.co.jp,  キリンビール工場で男性作業員が「コーンスターチ」に埋もれているのが見つかり、その後死亡 茨城・取手市,  April  20,  2024

      Article.auone.jp,  キリンビール工場で男性作業員が「コーンスターチ」に埋もれているのが見つかり、その後死亡 茨城・取手市,  April  20,  2024

      Yahoo.co.jp,  ビール原料「コーンスターチ」に埋もれ作業員死亡,  April  20,  2024       


後 記: 関東で起こった死亡事故であるため、SNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)ではいろいろな意見が出ていました。初期情報による早い対応ではありますが、酸欠や安全帯不装着が原因ではないかというもので、拙速感は免れません。先日、「消滅可能性」自治体という話題がニュースになりましたが、一方、東京一極集中が本当に良いことでしょうか。政府は地方創生の対応として文部科学省の文化庁を20233月から京都府に移転しましたが、それっきりです。メディアの記事も東京圏では速い報道ですが、速報レベルといった内容が薄いもので、かえって地方のメディアの方が追っかけて報道していると感じます。

2024年4月22日月曜日

ブラジル・ペトロブラス社の製油所で工事中のタンク設備で爆発、負傷者4名

 今回は、2024125日(木)、ブラジルのペルナンブコ州イポジュカにあるペトロブラス社のアブレウ・エ・リマ製油所においてメンテナンス中の石油貯蔵タンク設備で爆発が起こり、4名の負傷者が出た事例を紹介します。

< 発災施設の概要 >

■ 発災があったのは、ブラジル(Brasil)ペルナンブコ州(Pernambuco)イポジュカ(Ipojuca)にあるペトロブラス社(Petrobras)のアブレウ・エ・リマ製油所(Refinaria Abreu e LimaRNEST)である。現在、製油所は約10万バレル/日の原油を精製している。

■ 事故があったのは、製油所内にある貯蔵タンク設備である。

<事故の状況および影響>

事故の発生

■ 2024125日(木)午後330分頃、製油所で爆発が起きた。

■ 発災に伴い、消防隊が出動した。

■ 事故により作業員4名が負傷した。負傷者は火傷を負っており、救急車で病院へ搬送された。

■ アブレウ・エ・リマ製油所の経営陣は、作業員が石油タンクのメンテナンスをしており、その過程で火花が発生し、爆発が起こり、火災が発生したと話している。

■ しかし、ペトロブラス社は製油所で爆発があったことを否定し、「火花が発生し、その後の炎によるもので、すぐに制御された」と述べている。

■ アブレウ・エ・リマ製油所では、社内チームが招集され、事故後の対応に取り組んだ。

■ ペトロブラス社は、「火災はすぐに鎮火し、原因が調査されており、製油所の生産装置は影響なく正常に稼働している」と述べた。

■ 事故のあったタンクはメンテナンスのために開放されたが、従業員がタンクを開けたところ、炎とともに熱が放出したという。

■ ユーチューブでは、事故に関する映像が投稿されている。主なものはつぎのとおり。

 ● YoutubeExplosão na refinaria Abreu e Lima, em (PE), deixa trabalhadores feridos2024/1/26

Youtube、「Explosão em tanque de óleo na refinaria Abreu e Lima (PE) deixa 4 operários feridos2024/1/26

被 害

■ 貯蔵タンク1基が一部損傷した。

■ 負傷者が4名出た。

< 事故の原因 >

■ 事故原因は貯蔵タンクのメンテナンス中の爆発による。詳細は不明である。

< 対 応 >

■ 火傷を負った負傷者のひとりは退院したが、そのほかの3名は治療を受けるため、入院している。

■ アブレウ・エ・リマ製油所では、2022年に可燃性製品の漏洩により火災が発生したが、負傷者は出なかった。その1年前の20219月、外部委託会社の従業員がアブレウ・エ・リマ製油所にある圧縮空気装置の機器のメンテナンス中に死亡した事例がある。  

補 足

「ブラジル」(Brasil)は、正式にはブラジル連邦共和国で、南アメリカに位置する人口約21,340万人の連邦共和制国家である。州はブラジル連邦単位(Unidades Federativas do Brasil) から成り立っており、ある程度の自治権 (自治、自主規制、自己徴収を備えた組織で、独自の政府と憲法を備えていて、これらが集まって連邦共和国を形成している。ブラジルには26の州があり、各州政府は行政府、立法府、司法府をもっている。

「ペルナンブコ州」(Pernambuco)は、ブラジル北東部に位置し、東は大西洋に面しており、人口約930万人で、州都はレシフェである。

「イポジュカ」(Ipouca)は、ペルナンブコ州にある自治体で、人口約98,000人の町である。

■「ペトロブラス社」(Petrobras)は、1953年にアマゾンのウルクー油田開発のために設立され、現在は南半球最大の石油掘削会社で広く石油産業に携わっている。ブラジルのリオデジャネイロ市に本社を置き、慣例としてブラジル石油会社あるいはブラジル石油公社と表記されることのある半官半民企業である。

■「アブレウ・エ・リマ製油所」(Refinaria Abreu e LimaRNEST、 英語;Abreu e Lima Refinery)のペルナンブコ州のイポジュカにあり、1日当たり10万バレルの石油製品を生産する認可を受けている。アブレウ・エ・リマ製油所は完全に国の技術によって建設された最初の製油所である。ペトロブラス社は、製油所が国内で建設された中で最も近代的なものになると考えている。

■「発災タンク」の仕様について何も報じられていない。事故は“マラカナン”と呼ばれるタイプのタンクで起きたという報道があるが、この呼び名の根拠は分からない。映像で見ると、発災タンクは浮き屋根式タンクと思われる。製油所の境界柵近くにある浮き屋根式タンクは同径のタンクが8基あるので、この中の1基とみられる。直径は約95mであり、高さを20mとすれば、容量は141,700KLとなり、日本の鹿児島にある JX喜入石油基地㈱の容量160,000KL(直径100m×高さ23m)のタンクに匹敵する超大型タンクである。

所 感

■ 今回のタンク開放工事に関わる人身事故の原因ははっきりしない。発災会社であるペトロブラス社が製油所で爆発があったことを否定し、「火花が発生し、その後の炎によるもので、すぐに制御された」と述べており、発災をできるだけ小さく見せようとする失敗学の典型である。失敗事例は活かすことで、再発をなくすよう取り組むべきである。

■ 原因は、米国CSB(化学物質安全性委員会)がまとめた「タンク内外の火気工事における人身事故を防ぐ7つの教訓」20117月)のうちのいずれかと思われる。

   ①火気作業の代替方法の採用  ⑤着工許可の発行

   ②危険度の分析        ⑥徹底した訓練

   ③作業環境のモニタリング   ⑦請負者への監督

   ④作業エリアのテスト 

■ 開放工事中のタンク事故は無くならず、つぎのような事例を紹介してきた。

  ●「フランスで内部浮き屋根式タンクの清掃工事中に爆発」20159月)

  ●「エクソンモービル名古屋油槽所の工事中タンクの火災事故」20164月)

  ●「太陽石油の原油タンク清掃工事中の火災事故」20173月)

  ●「東燃ゼネラル和歌山工場の清掃中原油タンクの火災原因(最終報告)」20176月)


備 考

 本情報はつぎのインターネット情報に基づいてまとめたものである。

     G1.globo.com,  Explosão em tanque de petróleo deixa quatro feridos na Refinaria Abreu e Lima; VÍDEO,  January  25,  2024

     Cnnbrasil.com.br, Explosão na Refinaria Abreu e Lima (PE) deixa feridos,  January  25,  2024

     Correiobraziliense.com.br, Explosão em tanque da refinaria Abreu e Lima deixa quatro feridos em PE,  January  25,  2024

     Exame.com, Tanque da Refinaria Abreu e Lima explode e deixa trabalhadores feridos; veja vídeo,  January  25,  2024

     Petronoticias.com.br, VEJA O VÍDEO DA EXPLOSÃO DE TANQUE NA REFINARIA ABREU E LIMA. ACIDENTE DEIXOU QUATRO TRABALHADORES FERIDOS, January 25, 2024

     Diariodepernambuco.com.br, Vídeo: Explosão de tanque na Refinaria Abreu e Lima deixa feridos,  January  25,  2024

     Istoedinheiro.com.br, Refinaria Abreu e Lima tem acidente durante manutenção de tanque de petróleo,  January  25,  2024


後 記: 発災事業所が事故事例を活かそうという意識がなければ、報道には限界があるという事例です。最近、感じているのは、うそをついてもよいという風潮になっているということです。戦争では、ある戦術が大失敗しても、作戦上、戦果は大成功とうそを言ってもよいという異常な考え方です。これが戦争だけの話でなく、日常化してくるのがこわい話です。 SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)では、フェーク・ニュースという言葉が出始めたと思ったら、最近ではもっと質(たち)が悪く、有名人を騙(かた)る投資詐欺が話題になっています。その投資詐欺のアプリは騙られた人が削除を依頼してもそのままになっているそうで、何ともおかしな話です。今回の事例のように被災写真が無いのも困りますが、別な事例の写真やフェーク写真が出回るのはもっと迷惑な話です。 

2024年4月16日火曜日

愛知県の武豊火力発電所でバイオマス燃料が爆発・火災(調査)

 今回は、愛知県武豊町にあるJERAパワー武豊合同会社の武豊火力発電所で2024131日に起きた爆発事故について現場調査が行われ、2024321日(木)にその内容が報告されたので、事故経緯とともに紹介します。

< 発災施設の概要 >

■ 発災があったのは、愛知県武豊町(たけとよ・ちょう)にあるJERAパワー武豊合同会社の武豊火力発電所である。武豊火力発電所は、東京電力と中部電力が出資している電力会社「JERA」に電力を供給している石炭火力発電所で、2022年からバイオマス燃料として使われる木質ペレットも燃料として取り入れ始めた。

■ 事故があったのは、発電事業者であるJERAに電力を供給している設備所有者のJERAパワー武豊合同会社が所有している武豊火力発電所5号機である。火力発電所で使う燃料(石炭・木質バイオマス)を貯蔵するバンカー設備である。施設内には6つのバンカーがあり、このうちのひとつを木質ペレット専用に割り当てている。事故があったのは、木質ペレット専用のバンカーで、当時、このバンカーには300トン程度の木質ペレットが保管されていた。


<
事故の状況および影響
>

事故の発生

■ 2024131日(水)午後3時頃、武豊火力発電所で爆発が起きた。爆発のあと建物から炎と黒い煙があがった。

■ 住民から「爆発音があり、黒煙が上がっている」と消防に通報があり、消防隊が出動した。消防車など16台が出動した。

■ 近くの住民のひとりは、「午後3時すぎ、家にいるときにドーンという音がして家が揺れて、ベランダから外に出たら火力発電所が黒い煙を上げながら燃えていました。その後、『石油コンビナートで火災が発生しました』という町内放送も聞こえ、消防車がたくさん集まっています」と語った。

■ 武豊町は、発電所での爆発と火災を受け、町内に設置されている防災行政無線を通じて住民に対し、「煙が回る可能性があるので、ドアや窓を閉めてください」と注意を呼びかけた。 

■ 発電所の5号機が運転していたが、火災を受けて、午後329分に運転を停止した。武豊火力発電所によると、中部電力管内の電力の供給について「現時点では安定供給できると考えている」と述べた。  

■ 事故に伴う負傷者はいなかった。当時、敷地内にいた職員ら約220人に怪我はなかった。

■ 武豊火力発電所を運営する㈱JERA社は、燃料の貯蔵設備が出火元とみられると発表した。火元は、燃料となる木質ペレットをためておく鋼製の円筒バンカー(直径10m×高さ35m)で、当時、内部には約300トンの木質ペレットが入っていた。バンカーについている温度センサーが通常20℃のところ、55℃まで上がっており、外壁の損傷もバンカー付近が最も大きかったという。

■ ユーチューブでは、事故を伝えるテレビの映像などが投稿されている。主な動画はつぎのとおり。

  Youtube「高さ76メートルのはるか上まで炎が 火力発電所が爆発した瞬間の映像 近くの住人「ガラス窓がガタガタ揺れた」 」2024/02/01)  

  ●Youtube「武豊火力発電所の火災はなぜ起こった? 専門家に聞く 「燃料自体は危険ではないが保管や運搬などの過程によって発熱の可能性」2024/02/02

  ●Youtube、「【火力発電所が爆発】瞬間映像火柱、黒煙、熱風も何が? 運営会社が「おわび」

2024/02/01)  

  ●Youtube、「全国で火災や発煙13『バイオマス発電所』でなぜ事故が相次ぐのか 専門家が指摘する可能性」2024/02/01

被 害

■ 火災によってバンカー設備を含む18階建て建屋の一部と燃料運搬用のベルトコンベヤーが損壊した。(バンカー囲い~中継タワーJT7の範囲で著しい損傷があった)

■ 事故に伴う負傷者はいなかった。

■ 住民に対して、煙が回る可能性があるので、ドアや窓を閉めるよう、注意喚起が呼びかけられた。

< 事故の原因 >

■ 事故の原因はバイオマス燃料による粉塵爆発とみられる。

 ● バイオマス燃料運搬中に、粉塵濃度の高いAバンカー投炭装置下部~バンカー内部で爆発が発生し、ベルトコンベヤー(BC9)~中継タワー(JT8)へ爆発が伝播した。

 ● 着火源は、投炭装置スクレーバー部の機械的摩擦(昇降台カバーとベルトの摩擦)による発熱とみられる。あるいは、燃料中の異物による部材への衝突着火の可能性もあり、引続き調査中である。

< 対 応 >

■ 発電所内の火災は、約5時間後に制圧され、131日(水)午後8時すぎに鎮火した。

■ 21日(木)午後240分頃、ベルトコンベヤー付近において再び出火していることが確認されたため、公設消防に通報され、消火活動が行われた。火災は午後330分過ぎに鎮火に至った。この再出火は1度目の火災で損傷したベルトコンベヤー内の木質燃料に残り火があり、それに引火したとみられる。

■ 木質バイオマス燃料を混焼する武豊火力発電所5号機は20228月に営業運転を開始したが、バイオマス燃料に起因する発煙事象が過去にも起こっており、監視や清掃を強化する取り組みを行ってきたという。同発電所では、20228月、9月、20241月にコンベヤーなどで発火の事故が起きたといい、今回の爆発・火災事故によってリスクが改めて浮き彫りとなった。

■ 有識者は、昨今、バイオマス発電での火災事故が目立ってきていると指摘し、再生可能エネルギー拡大のためには、バイオマス発電の安全対策を洗い出し、今後につなげていく必要があるという。

■ 木質ペレットなどのバイオマス燃料は、素材が木質であることから燃えやすい性質を持っているうえに、ペレット状なのでいったん燃え出すと、燃料全体の温度が上昇して鎮火が容易ではない特徴を持つ。特に輸入したバイオマス燃料については、国内の輸入審査が甘いことから、不純物を含んだ質の悪いバイオマス燃料をつかまされるケースも起きている。

 木質ペレットなどのバイオマス燃料は、経済産業省の固定価格買取制度(FIT)で使用燃料ごとに発電電力の買い上げ価格が設定されており、2022年に発覚したベトナムのバイオマス燃料輸出業者の不正では、FITにより年間100億~160億円前後のバイオマス電力事業者への過払いが発生していた可能性が指摘された。だが、経産省は十分な調査をしないまま済ませてきた。

■ 25日(月)、JERA社は火災原因を究明する事故調査委員会を設置したと発表した。委員会のメンバーは、委員長にJERA社の副社長、JERA社の4名、バイオマスに詳しい名古屋大の成瀬教授の5人で構成するほか、他にも社外からの人選を調整している。また、オブザーバーとして経済産業省中部近畿産業保安監督部が加わる。

■ 2024321日(木)、JERA社は、経済産業省で開催された「第20回 産業構造審議会 保安・消費生活用製品安全分科会 電力安全小委員会 電気設備自然災害等対策ワーキンググループ」において131日に発生した武豊火力発電所における火災事故の調査状況を報告した。主な報告内容は、事故の概要(事故発生の時系列、火災による主要設備の損傷範囲)、武豊火力発電所における火災事故調査委員会による現在までの調査結果と推定原因、今後の調査内容・スケジュールである。 JERA社は、引き続き、武豊火力発電所における火災事故調査委員会において、火災事故の調査・分析にもとづく原因追究と再発防止を検討していくという。

■ 321日(木)に報告された調査に関する内容はつぎのとおりである。

 < 設備の概要 >

 ● 関係設備である運炭設備、バンカー囲い、投炭装置の概要を図に示す。

 < 設備の損傷状況と爆発の関係 >

 ● 最初の爆発は、構内監視カメラの映像によってAバンカー投炭装置付近で発生している。

 ● 爆発はベルトコンベヤーを伝播して、約1.6秒で中継タワーJT8へ到達した。その後、延焼し続け、約18分後に中継タワーJT7へ達した。

 ● 着火場所とみられるAバンカー投炭装置~バンカー内部には、Aバンカーの天板に膨らみがあるほか、投炭装置のBC9ABC9Bのケーシングに爆発による変形(膨らみ)があった。また、 BC9ABC9Bの投炭装置案内板が上方への浮き上がり(変形)があり、爆発は投炭装置下部で起きたとみられる。

 ● 着火源は、投炭装置のBC9Bの昇降台カバープレート部に変色がみられ、摩擦・発熱の可能性が考えられる。あるいは、燃料中の異物による部材への衝突着火の可能性もあり、引続き調査中である。






 < 爆発の推定原因 >

  ● 事故はバイオマス燃料による粉塵爆発とみられ、着火場所はAバンカー付近である。なお、バンカー囲い~中継タワーJT7の範囲以外の設備には著しい損傷は認められなかった。

  ● 事故は、投炭装置内部で粉塵濃度が爆発下限以上になり、着火源によって装置内部で爆発(一次爆発)が発生して、投炭装置外部に粉塵が飛散することで、バンカー囲い内や建屋内で爆発(二次爆発)が発生したと推定する。

  ● 粉塵爆発の過程はつぎのように推定する。

   ①閉空間であるバンカー囲い内やコンベヤー・中継建屋内において、投炭装置内やバイオマスバンカー内で可燃性粉塵が浮遊する閉空間が形成し、着火源によって引火して一次爆発が発生

   ②一次爆発によって装置内部で拡散・浮遊、さらに粉塵が装置外部に拡散・浮遊

   ③飛散した粉塵によって閉空間の粉塵濃度が上昇、爆発で発生した着火源で引火し、二次爆発が発生

 < 要因分析・評価結果 >

  ● 着火源に関する要因、粉塵源・粉塵飛散・浮遊に関する要因、粉塵以外の要因について要因分析を行い、その評価結果を図に示す。


 < 法令適合の状況 >

  ●関係法令と適合状況の確認を表に示す。







   < 今後の予定 >

  ● 今後の調査項目と調査内容は表に示す。

補 足

■ 「バイオマス発電所」は、植物などの生物資源(バイオマス)を燃料に使用しながら発電する施設で、植物は生育過程で二酸化炭素を吸収するため、発電プロセスでバイオマス燃料を燃焼したとしても、大気中の二酸化炭素は増えない、いわゆるカーボンニュートラルの持続可能な発電方法として、現在、各地に設置されている。

 バイオマス発電に関してこのブログでは、つぎのような事故を紹介した。

 ● 20192月、「山形県のバイオマスガス化発電所で水素タンクが爆発、市民1人負傷」

(● 20196月、「山形県のバイオマスガス化発電所の水素タンクの爆発(原因)」

 ● 20226月、「山口県の下関バイオマス発電所の焼却灰タンクで人身事故」

 ● 20233月、「関西電力㈱舞鶴発電所でバイオマス燃料がサイロ内で自然発火して火災」

 ● 20239月、「米子市のバイオマス燃料発電所で爆発・火災事故」

(● 20239月、「米子市のバイオマス燃料発電所の爆発・火災事故の住民説明会」

 ● 202310月、「米子市のバイオマス燃料発電所の爆発・火災事故の原因調査結果」

 ● 20241月、「愛知県の武豊火力発電所でバイオマス燃料が爆発・火災」 

■「武豊火力発電所」は、1966年に1号機、1972年に2号機から4号機が運転を開始したが、老朽化に伴って1号機から4号機を廃止し、代わりに環境への配慮などから石炭と木質バイオマスを混ぜて燃やす新たな設備を導入し、20228月から5号機として運転を開始した。燃料となる石炭や木質バイオマスは貯蔵施設からベルトコンベヤーでボイラーの周辺へと送られる。

所 感 (今回)

■ 今回の資料は写真や図を多用し、被災箇所や着火源などわかりやすく作成されている。要因分析も粉塵爆発だという推定でみれば、うまくまとめられている。

 一方、バイオマス燃料の木質ペレットには、粉塵爆発のリスクのほか、木質ペレットの発酵による可燃性ガスの発生リスクがある。木質ペレットの発酵による可燃性ガスの発生リスクは本当に無かったかという点について疑問が残る。たとえば、事象発生までCO計濃度の上昇が無かったとしているが、CO計の設置位置は適切だったのか、あるいは粉塵環境のなかでCO計が正しい値を示していたのかという点である。CO計に疑問が出れば、バンカー下部に木質ペレットが堆積していた可能性の要因が出てくる。

■ 前回、つぎのような疑問点を提示したが、今回の調査結果によれば、下線部の内容になり、疑問の残った項目もある。 

 ● 受入建屋、コンベヤー、バンカーには、木質ペレットの発酵による可燃性ガスの発生の可能性のある貯槽機能をもった設備で、この対策が必要である。  法令適合の状況では、バンカーには温度検知器およびガス検知器(CO計)を設置し、監視しているという。

 ● 受入建屋、コンベヤー、バンカーには、発酵による可燃性ガスを検出するようなガス検知器や温度監視計器は適切に機能するシステムを設置する。危険性を検知したら、回避の対応ができる方策が必要である。  同上。発熱兆候があれば、バンカー内のバイオマスの掻き出しを実施するという。  

 ● バンカーには温度計が設置されていたが、温度上昇に対応できていない。  要因分析で温度上昇についてコメントされていない。報道では、「バンカーについている温度センサーが通常20℃のところ、55℃まで上がっている」と報じられているが、要因分析などでは温度センサーに関するコメントはまったくない。

 ● 受入建屋、コンベヤー、バンカーには、粉塵発生のリスクに対して、粉塵爆発を防止する集塵機などの機器を設置する。  要因分析では、集塵機の能力不足の可能性があり、集塵能力を評価中だという。

 ● バイオマス燃料の質的転換をやってしまったのではないか。   要因分析では、バイオマス燃料の調達経緯についてコメントされていない。

 ● 運転管理の面でいえば、バイオマス燃料の自然発火を検知する監視システム(温度検知や一酸化炭素検知など)を装備していると思うが、この監視システムが正しく管理されていたか。1年の実績だけで監視システムをやめたりして、自然発火の要因を見逃したのではないだろうか。  法令適合状況では、建設時に1回、運転開始以降に2回の木質ペレットの発煙事象が発生している。その対応として安全確保のために適切な措置を講じているという。しかし、適切な措置の内容はコメントされていない。

 ● 木質ペレットが粉塵の出やすい種類に変更されていなかったか。  要因分析では、事故時の木質ペレット(米国産)について分析評価中だという。

 ● 1年余の運転実績では、受入搬送設備(受入建屋、コンベヤー、バンカー)に粉塵が多量に発生するような変化はなかったか。  要因分析では、事故時に搬送していた米国産ペレットだったという。現在、燃料を分析し、評価中だという。


備 考

 本情報はつぎのインターネット情報に基づいてまとめたものである。

  ・Nhk.or.jp,  愛知 武豊町 火力発電所火災 燃料を貯蔵する設備付近が火元か,  February  01,  2024

    Jera.co.jp,  武豊火力発電所における火災発生について(第1報~第5報),  January 31February  01,  2024

    Jera.co.jp,  木質バイオマス燃料を使用する当社火力発電所における緊急点検の実施結果について, February  02,  2024

    Yomiuri.co.jp,  愛知・武豊火力発電所の火災、出火元は燃料貯蔵設備か「木質ペレット」300トン保管, February  01,  2024

    Bloomberg.co.jp,  バイオマス発電所で相次ぐ火災、JERA武豊火力は過去3度発煙, February  01,  2024

    Jiji.com,  JERA武豊火力発電所で火災 ボイラー施設爆発、けが人なし愛知, January 31,  2024

    Nagoyatv.com,  火事の影響で5号機は発電を停止 復旧のめどは立たず 武豊火力発電所, February  01,  2024

    Asahi.com,  爆発音と震動に「地震が来たかと思った」 JERA火力発電所で火災, January 31,  2024

    Xtech.nikkei.com,  木質ペレット燃料が原因でまた火災事故、JERAは火力発電所を緊急点検, February  01,  2024

    News.yahoo.co.jp, 愛知の発電所火災、燃料入るバンカー火元か 通常20→55度に, February  01,  2024

    Rief-jp.org,  JERAの愛知・武豊火力発電所で爆発・火災事故。超々臨界圧火力発電(USC)にバイオマス混焼方式。バイオマスが火災要因の可能性。JERA1年半前に茨城県でもバイオマス火災発生, January 31,  2024

    Chunichi.co.jp, 武豊火力発電所の火災、中部電力など出資のJERAが事故調査委を設置, February  05, 

    Jera.co.jp,  131日に発生した武豊火力発電所における火災事故の調査状況について, March  21,  2024

    Jera.co.jp,  武豊火力発電所における火災事故について(第20回電気設備自然災害等対策ワーキンググループ資料, March  21,  2024


後 記: 今回の資料を最初に見て感じたことは、さすがに保安規定を司る経済産業省(中部近畿産業保安監督部)が関わる(オブザーバーですが)と、りっぱな調査報告書が出されるものだということです。それはそうでしょう、バイオマス発電所では、これまで東京電力、関西電力、中部電力という大手電力会社が直接あるいは間接に事故を起こしているのですから、真剣にならざるを得ないでしょう。ただ、調査報告の内容を読んでいくと、なにかすっきりしないものが残ります。なぜだろうと考えてみると、要因分析や法令適合状況を読むと、設計者の観点からの見方であり、発電所の保守や運転の実績・経験からの分析が希薄だったからです。

2024年4月10日水曜日

米国オクラホマ州の石油生産施設で落雷によるタンク爆発・火災

 今回は、2024320日(水)、米国オクラホマ州カナディアン郡ピエモンテにある石油生産施設に落雷があり、タンクが爆発して火災が起こった事例を紹介します。

< 発災施設の概要 >

■ 発災があったのは、米国オクラホマ州(Oklahoma)カナディアン郡(Canadian)ピエモンテ(Piedmont)にあるマラソン・オイル(Marathon Oil)の石油生産施設である。

■ 事故があったのは、ウォータールー道路とシマロン道路(Waterloo and Cimarron roads)の交差点近くにある施設のタンク設備である。

<事故の状況および影響>

事故の発生

■ 2024320日(水)夜、石油生産施設に落雷があり、タンク設備が爆発して火災が起こった。

■ 当時、ピエモンテの住民は数多くの雷の発生を目撃していた。タンク設備から少し離れたところの住民は、落雷時に爆発が見えたと語っている。

■ 発災に伴い、消防隊が出動した。

■ 石油生産施設では、避雷針を立てて雷の衝撃を回避しようとするが、ときには効果なく被害が出ることもある。今回の場合、有効に働かず、タンクに落雷した。

■ 石油生産施設内には、複数基の石油貯蔵タンクや塩水貯蔵タンクがあった。

■ 事故に伴う負傷者はいなかった。

■ 近くの水路系に流れ込んだものは無かった。

■ ユーチューブには、落雷を伝えるニュースが投稿されている。

 ●Youtube.comPiedmont residents witness lightning causing explosion at oil tank site in Piedmont2024/03/22

被 害

■ 石油生産施設の油タンクが損壊した。 

■ 負傷者は無かった。 

< 事故の原因 >

■ 爆発・火災の原因は落雷である。

< 対 応 >

■ 作業員が現場へ行ってすべてを閉止したあと、火災を鎮めることができた。

■ マラソン・オイル社の関係者は事故に関するコメントの要請に応じていない。


補 足

■「オクラホマ州」(Oklahoma )は、米国の中部にあり、州の南隣はテキサス州で、人口約400万人の州である。

「カナディアン郡」(Canadian)は、オクラホマ州の中部に位置し、人口約15万人の郡である。

「ピエモンテ」(Piedmont)は、カナディアン郡にあり、人口約6,000人の町である。ピエモンテは自治都市であり、市議会と管理政府が管轄し、オクラホマシティ都市圏である。

■ 「発災タンク」の仕様は報じられておらず、分からない。グーグルマップで調べると、発災場所と思われる場所に同じ直径のタンクが4基ある。タンク直径は約3.2mで、高さを56mとすれば、容量は4048KLである。タンクは石油貯蔵と塩水貯蔵であり、爆発して火災になったのが石油貯蔵タンクであるとみられる。被災後の施設を見ると、爆発して横倒しになったタンクが1基ある。立っているタンクは2基しか見られないが、もう1基被災しているのかも知れない。

所 感

■ 雷が地上に落ちる際に通る道は、空気が薄いところ(電気が通るときに邪魔になる窒素や酸素の分子が少ない状態)や湿度が高いところ(水に含まれるカルシウムや金属分によって電気が通りやすい)で、雷光が示すようにジグザグに進むが、地表へ最も速い経路だという。この地方は平原であるが、雷の落ちやすい風力発電の風車や他の設備を狙わず、事故のあった石油生産施設に落ちるとは自然の摂理とはいえ、辛辣な結果だと感じざるをえない。

■ 石油タンクが爆発で飛んでおり、一瞬の大きな力だったことがうかがえる。火災はタンクというより、周辺設備だったとみられる。消防隊が出動したようであるが、積極的な消火活動を行った様子はなく、燃え尽きるまでの消極的消火戦略だった思われる。


備 考

 本情報はつぎのインターネット情報に基づいてまとめたものである。

    Koco.com, Piedmont residents witness lightning causing explosion at oil tank site in Piedmont,  May 21,  2024

    Dailydispatch.com, Residents witness lightning cause explosion at oil tank site in Piedmont,  May 22,  2024


後 記: オクラホマ州カナディアン郡の発災した石油生産施設の近くには、風力発電の風車が立ち並び、米国の豊かさを感じます。しかし、202367月にかけて起こった「米国オクラホマ州の石油生産施設で相次いで落雷よるタンク火災」 20243月)を紹介しましたが、2024年に入ってからもオクラホマ州でのタンク火災事故は続いているようです。