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2024年8月2日金曜日

フィリピンの商業ビル内で液化石油ガスタンクが爆発、死傷者35名

 今回は、2024727日(土)、フィリピンのアルバイ州レガスピ市にあるCALコートヤードというショッピングモール内にあった液化石油ガス(LPG)タンクが爆発し、死傷者35名を出した事例を紹介します。

< 発災施設の概要 >

■ 発災があったのは、フィリピンPhilippines アルバイ州AlbayレガスピLegazpiにある商業ビルである。

■ 事故があったのは、CALコートヤード(CAL Courtyardというショッピングモール内にあった液化石油ガス(LPG)タンクである。

< 事故の状況および影響 >

事故の発生

■ 2024727日(土)午前1130分頃、 CALコートヤードの商業ビル内で液化石油ガスタンクが爆発した。

■ 目撃者のひとりは、爆発が起こったとき、まるで地震が起こったかのようだったと語った。

■ レガスピ市警察署は午後12時頃、事故の通報を受けた。直ちに、緊急迅速対応チーム(EQRT)、消防局(BFP)、救急医療サービス(EMS)、フィリピン国家警察(PNP)などの緊急対応隊が現場に出動し、対応を行った。

■ 事故に伴い、少なくとも23人が負傷した。負傷者は治療のため地元の病院に搬送された。

■ 爆発は、ショッピングモール内に新しくオープンした屋台の店のために宗教的な行事の最中に起きた。祝福式という宗教的な行事を執り行っていた司祭(71歳)も負傷者の中に含まれているという。

■ 爆発が発生したとき、負傷者のほとんどはCALコートヤードのGoto Mo‘Ko という家庭料理が食べられる屋台の祝福式に参加していた。

■ 屋外に駐車されていた車両数台も被害を受けた。

■ 警察によると、爆発で建物の天井と巻き上げドアが損傷したという。

■ 当初、負傷者は少なくとも23名と報じられていたが、その後の調べで死傷者は35名となった。うち1人が、728日(日)の朝、治療中に死亡が確認された。

被 害

■ 爆発によって、商業ビルの室内(天井と巻き上げドア)が損傷し、備品が被災した。 

■ 死傷者35名が出た。内訳は死者1名、負傷者34名である。

■ 屋外に駐車していた車両数台が被害を受けた。

< 事故の原因 >

■ 爆発は、液化石油ガス(LPG)の漏れが原因である。

< 対 応 >

■ 当局は、爆発は液化石油ガス(LPG)の漏れが原因だと語った。

■ 捜査は、727日(土)の正午近くに新しくオープンした屋台の祝福の最中に起きた爆発だとし、原因としてガス漏れに焦点を当てている。

■ フィリピン国家警察の爆発物処理グループ(PNP-EOD)は、事故による爆発であり、テロ行為ではないと発表した。当局は、爆発がテロリストの爆弾によるものだとするソーシャルメディアの報道には耳を貸さないよう住民に呼びかけた。

■ 727日(土)、ビルの管理者であるCALコートヤードは、つぎのように語っている。

「午前1130分頃、1 階にあるテナント店舗で発生した爆発事故に関して、当社は消防局(BFP)、フィリピン国家警察(PNP)、レガスピ市、その他の関係機関と継続的に協力しています。現在、事件は調査中で、現場は安全が確保されています。何よりも、私たちは、当該事故の影響を受けた個人に手を差し伸べ、早期の回復を促す最善の支援を提供することに尽力しています」

■ レガスピ市は、 CALコートヤードの中庭の建物には、まだ占有許可が下りていないことを明らかにした。 また、消防局はまだ許可取得申請中の当該施設を査察していないとのこと。同当局者は、建物の一部のテナントや屋台でも適切な営業許可を取得していないところがあると付け加えた。

補 足

■「フィリピン」(Philippines)は、正式にはフィリピン共和国で、東南アジアの群島国家である。西太平洋に位置し、7,641の島々から成り、大きくルソン島、ビサヤ諸島、ミンダナオ島の3つの主要な地理的区分に分類され、人口は約114百万である。

「アルバイ州」(Albay)は、フィリピンのビコル地方の州で、ルソン島の南東部にあり、人口約137万人の州である。

「レガスピ」(Legazpi)は、フィリピン中部アルバイ州の州都で、人口約209千人のビコル地方の政治的中心都市である。市の近郊には富士山のような特徴的な成層火山のマヨン山(2,463m)がそびえており、周辺地域のシンボルになっている。

■「CALコートヤード」(CAL Courtyard)は、レガスピのリサール通りに、2024年春にオープンしたショッピングモールである。

■「発災タンク」は、ショッピングモール内にあった液化石油ガス(LPG)タンクと報じられているだけで、タンクに関する仕様については分からない。新しくオープンした屋台の店のための宗教的な行事が行われたということからすると、屋台で使用するLPガスや宗教行事に使用されたLPガスボンベではないだろうか。

所 感

■ 爆発は液化石油ガス(LPG)の漏れが原因だという。しかし、どこにあった液化石油ガスタンクが漏れたかは明確にされていない。報じられている状況から類推すると、新しくオープンした屋台の店のために使用するLPガスの配管系や宗教行事に使用されたLPガスボンベではないだろうか。

■ 液化石油ガス(LPG)は漏れを判断しやすくするため着臭剤が添加されているので、多くのお客がいる中では容易に漏れに気づくと思われる。35名が死傷しており、ガスの漏洩に気が付かずに爆発に至るということは信じがたい。ひとつの推定であるが、工業用に使用される液化石油ガス(LPG)には着臭剤を添加しないものがあり、このようなガスを使用した可能性も否定できない。

■ 被災写真を見ると、室内に燃焼した様子は見えないので、一度だけの爆発で火災は起こらなかったものと思われる。消防隊による消火作業は行われず、35名の死傷者に対する救急隊の対応が忙しい事例であった。


備 考

 本情報はつぎのインターネット情報に基づいてまとめたものである。

     English.news.cn, Gas tank explosion injures 23 in Philippines,  July  27,  2024

     Mangalorean.com, 23 injured in gas tank explosion in Philippines,  July  27,  2024

     Newsinfo.inquirer.net, LPG tank explosion victim in Legazpi City dies,  July  28,  2024

     Manilastandard.net, 23 injured in gas tank explosion in Philippines,  July  28,  2024

     Gmanetwork.com, Several people hurt in reported explosion at bldg in Legazpi City,  July  27,  2024 

     Legazpi.bomboradyo.com, CAL Courtyard building na pinangyarihan nin pagsabog kan weekend, wara pa nin occupancy permit – Mayor Rosal,  July  29,  2024

     Gmanetwork.com, 31 hurt in Legazpi explosion; not a terrorist act, PNP assures,  July  28,  2024 


後 記: 事故の情報を知った最初は、商業ビルに常設されている液化石油ガスタンクの事故ではないかと思いました。第一報では数人のけが人が出た模様というあとに負傷者は23名という情報でした。そのあとに死亡1名、負傷者34名に増え、驚きました。液化石油ガスタンクの場所がはっきりしないため、新しくオープンした屋台の店のために使用するLPガスの配管系や宗教的な行事で使用されたLPガスボンベではないだろうかと思いました。 前回のブログ「カナダの建設機械レンタル会社でプロパンガスボンベが爆発・火災」2024727日)の話が筆者(私)に影響しているかも知れないと思いながらまとめました。

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