(写真はEn.tengrinews.kzから引用)
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<事故の状況>
■ 2014年7月16日(水)午後10時過ぎ、カザスタンにある製油所で火災が起こった。事故があったのは、ヴァーナル・オイル・カザフスタン社(Vernal
Oil Kazakhstan LLP )のアクトベ州ムガルザール区カンダガッシュの町にある製油所で、石油タンク地区から火災が起こったものである。
アクトベ州ムガルザール区カンダガッシュ付近
(中央のタンク群があるところがヴァーナル・オイル・カザフスタン社の製油所とみられる)
(写真はグーグルマップから引用)
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(写真はBnews.kzから引用)
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火災はおよそ5時間後の17日(木)午前3時25分に鎮火した。近くにあったガソリンや燃料油などのタンクへの延焼は回避することができた。
■ この事故に伴い、ヴァーナル・オイル・カザフスタン社の従業員3名が火傷を負った。うち一人は瀕死の重傷で、別な一人は体の50%の火傷で地方病院に入院している。もう一人は軽傷で、すでに帰宅している。
■ ツレスヘヴ消防本部長は、「被災者の証言によると、1基のタンクから別なタンクへ油をポンプ移送する際、最初に引火したといいます。火災の原因および被災状況は現場検証を行なったのちに調査する予定です」と語った。
補 足
■ 「カザフスタン」は、正式にはザフスタン共和国で、中央アジアに位置する共和制国家である。人口約1,700万人で、石油が豊富なため隣国の中国ウイグル自治区、ウズベキスタン、キルギスなどと経済で差をつけている。
「アクトベ州」(Aktobe
region)はカザフスタンの北西部に位置し、人口約80万人の州で、州都はアクトベである。「ムガルザール区」(Mugalzhar
District)はアクトベ州の中央部に位置する区で、人口は約64,000人である。「カンダガッシュ」(Kandyagash)はムガルザール区の中央に位置する人口約29,000人の町である。
■ 「ヴァーナル・オイル・カザフスタン社」(Vernal Oil Kazakhstan LLP )は2002年に設立された石油会社で、石油の掘削・生産から製油所での精製を手がけている。アクトベ州ムガルザール地区カンダガッシュの町に製油所を有しており、年間150,000トンの精製能力で、小型製油所である。特長は生産された原油を直接精製するという効率性にある。
■ 事故の状況ははっきりしないが、タンク間の切替え作業時における事故と思われる。推測される例としては、切替えが円滑に行かず、ポンプが締切り状態になったり、圧力変動が起こったりして、ポンプの軸封部から多量漏洩した可能性がある。揮発性の高い原油やガソリンの場合、漏洩したベーパーへの引火は極めて高い。
■ 従業員が3名も火傷を負っており、多量漏洩の異常事象時の状況確認のため現場に行った際(あるいは作業中)、引火が起こったのではないかと思われる。
異常事象時の確認は物陰から見るなどして、爆発や火災が突発的に起こっても、人身災害に至らないようにすべきである。過去の事例の中にも、目前の対応を優先する責任感からこのような配慮が足らずに人身災害になったり、大勢で危険な個所へ集まり、被災者を増やしてしまう例はある。
備 考
本情報はつぎのようなインターネット情報に基づいてまとめたものである。
・Bnews.kz,
Large Fire Flam Ed at Oil Plant in Aktobe
Region, July 17, 2014
・Cn,TengriNews.KZ,
Three Injured in Oil Refinery in Western Kazakhstan, July 21, 2014
後 記: このところ良いことであるのですが、タンク事故がなく、7月のタンク本体の火災ではないカザフスタンの製油所事故を取り上げました。名前はよく聞きますが、どこに位置する国かよく知らなかったので、初めて調べました。
ところで、最近、知ったのですが、外国人の名前についてWeblio辞書「外国人名読み方字典」というのがあります。私のブログでは、基本的に人名は日本語にしますので、非常に参考になります。今までは、原文の名前を入力して検索し、日本名の文章になったものを探していました(当たる確率は低いのですが)が、同じように悩んでいた人が少なくなかったのですね。
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