今回は、2025年1月6日(月)、米国テキサス州リーブス郡バーハレンにあるバイタル・エナジー社の石油生産施設でタンクが爆発して火災を起こした事故を紹介します。
< 発災施設の概要 >
■ 発災があったのは、テキサス州(Texas)リーブス郡(Reeves County)のバーハレン(Verhalen)にあるバイタル・エナジー社(Vital Energy)石油生産施設である。
■ 事故があったのは、郡道336号線と郡道121号線の近くにある石油生産施設のタンクである。
<事故の状況および影響>
事故の発生
■ 2025年1月6日(月)朝、石油生産施設のタンクが爆発し、火災になった。
■ 発災にともない、消防隊が出動した。
■ 消防隊が現場に到着すると、火災は石油掘削用リグが稼働している石油生産施設から発生していた。
■ 発災に伴う負傷者はいなかった。
■ 消防隊は、周辺地域への潜在的な危険を軽減するようバイタル・エナジー社の現場担当者と協力し、活動を行った。
被 害
■ 原油生産施設内にあった8基のタンクが損壊した。
■ タンク内にあった油類が焼失した。
■ 負傷者は出なかった。
< 事故の原因 >
■ 原因は分かっておらず、原因調査中である。
< 対 応 >
■ 消防隊は火災を制圧し、鎮火させた。
■ 消防隊は消火作業を終了し、危険が残っていないことを確認している。郡道336号線と郡道121号線のエリアを避けるよう住民に呼びかけている。
■ 火災の原因は現時点では不明で、調査が進行中である。
補 足
■「AIによる事故状況」; 事故の状況を報じているメディアが少ないため、 ChatGPTのAIによる事故状況を問合せしてみた。
質問; 2025年1月6 にテキサス州バーハレンのタンクのバッテリーでどのようなタンク火災が発生しましたか?
回答; 2025年1月6日、テキサス州バーハレンのタンクバッテリーで原油貯蔵タンクの火災が発生しました。この事故は、現場の貯蔵タンクの爆発が原因で、大規模な火災が発生しました。緊急対応要員が火災の鎮火に努め、死者は報告されていません。爆発の原因は調査中で、当局は機器の故障やその他の技術的不具合の可能性に注目しています。火災は最終的に鎮火されましたが、この事故により石油貯蔵施設の安全基準に関する懸念が生じました。
=感想= 結果は上記のとおりで、非常に上手にまとめている。そして、最後に問題提起の文章を入れ、締めくくっている。
■「米国テキサス州」(Texas)は、米国南部にあってメキシコ湾岸に面し、メキシコと国境を接する人口約3,050万人の州である。
「リーブス郡」(Reeves County)は、テキサス州の西部に位置し、人口約14,700人の郡である。リーブス郡の北部は平坦で起伏のある地形で、最南部は山岳地帯の土地で構成されている。
「バーハレン」(Verhalen)は、西部開拓時代、テキサス州の広大な土地へと導いた時代に反映した。しかし、時の流れとともに、活気を失い始め、中心地だった町は衰退していった。かつては人々の生活とつながりをもたらした鉄道は、徐々にその音を止め、今では人けのない通りに不気味な静寂が響き渡るゴーストタウンになった。テキサス州にはゴーストタウンが少なくなく、バーハレンはそのひとつである。
■「バイタル・エナジー社」(Vital Energy)は、2006年にラレド・ペトロリアムとして設立し、2023年に社名をバイタル・エナジーに変更した独立系エネルギー会社である。オクラホマ州タルサ拠点にし、テキサス州などで原油や天然ガスを探査・開発・掘削を実施している。
■「発災タンク」は、郡道336号線沿いにある石油生産施設の円筒タンクである以外、詳細仕様はわからない。グーグルマップで調べると、郡道336号線沿いにある発災した石油生産施設と見られるタンク群がある。石油生産施設は水圧破砕法による油井とみられ、タンクは計8基あり、油系を貯蔵する炭素鋼製タンクが4基、塩水系のグラスファイバー製小型タンクが4基である。被災写真では、グラスファイバー製タンクはすでに損壊しているものと思われる。
発災した炭素鋼製タンク4基の直径は約6.7mで、高さを7.0mとすれば、容量は約244KLである。この種の石油生産施設のタンクとしては大きい。標題の発災写真を見ると、噴き飛んだタンク屋根が防油堤外に落下しているので、少なくとも1基は爆発したものと思われる。このタンクに隣接する2基のタンクも屋根部がなく、側板もかなり変形しているので、爆発後の火災も激しかったと思われる。
所 感
■ 石油生産施設におけるタンクの爆発・火災は落雷によるものが多いが、要因を推測できるような情報は報じられておらず、事故原因はわからない。
■ 被災写真を見ると、発災タンクとみられるタンクは屋根が噴き飛んでおり、隣接する2基のタンクも屋根部が外れ、側板もかなり変形しているので、可燃性混合気の生成は大きかったと思われる。このように激しい爆発・火災の様相を呈しており、設備的に問題があったのかも知れない。
■ 消火戦略には、積極的戦略・防御的戦略・不介入戦略の3つがあるが、被災写真を見る限り、消火活動を行ったようには見えないので、不介入戦略をとったのではないだろうか。
備 考
本情報はつぎのインターネット情報に基づいてまとめたものである。
・Newswest9.com, Tank battery fire reported in Verhalen, Texas,
northwest of Fort Stockton, Junuary
06, 2025
・Firehouse.com, Tank battery fire reported in Verhalen, Texas,
northwest of Fort Stockton, Junuary
06, 2025
後 記: 今回、テキサス州の状況についてこれまでと違った別な面を垣間見た感じです。テキサス州といえば、陸上原油生産施設の数が多いところで、米国発展の礎の土地だと思っていました。今回、テキサス州の西にあるリーブス郡バーハレンにある原油生産施設でしたが、バーハレンがゴーストタウン化しているというのを初めて知りました。原油生産施設のタンク爆発事故ですが、情報を伝えるメディアが2社しかなく、実質1社によるものでした。バーハレンの人口統計はなく、リーブス郡にしても人口約14,700人です。これではニュース性がなく、テキサス州のメディアがタンク事故に対して淡泊なわけが分かりました。