今回は、2026年9月14日(月)、米国ミネソタ州ダルースにある燃料施設でガソリン貯蔵タンクの液抜出し作業中に爆発・火災となり、施設の従業員1名が負傷するという事例を紹介します。
< 発災施設の概要 >
■ 発災があったのは、米国ミネソタ州(Minnesota)ダルース(Duluth)のリンカーンパーク地区(Lincoln Park)にある石油会社のスーペリア・フューエル社(Superior Fuel)の燃料施設である。
■ 事故があったのは、ウェストスーペリア通りとカールトン通りの交差点近くにある燃料施設のガソリン貯蔵タンクである。タンクは、容量17,000ガロン(64KL)で、使用をやめており、撤去の予定だった。
<事故の状況および影響>
事故の発生
■ 2026年9月14日(月)午後1時30分頃、スーペリア・フューエル社の燃料施設でガソリン貯蔵タンクが爆発し、火災となった。爆発によってタンク屋根が噴き飛んだ。
■ 爆発後、現場周辺では炎と黒煙が立ち昇るのが見られた。爆発現場の近くで働く住民のひとりは、「これまで経験したことのないような建物の揺れを感じました。音は落雷の100倍のように感じました」と語った。
■ 発災にともない、ダルース消防署の消防隊が出動した。リンカーンパーク消防署の消防隊員は、別の案件で出動していた任務を終えようとしていたところ、爆発音を聞き、煙を発見した。彼らは直ちに指令室に連絡して応援部隊を要請し、現場へ直行した。ダウンタウン、スピリットバレーなどの各消防署からも隊員が出動した。
■ 消防隊は、火災タンクの消火作業を行うとともに、隣接する2基のタンクの冷却作業を行った。隣接タンクへの延焼は免れ、近隣住民の大規模な避難は回避された。
■ ダルース警察は現場周辺の交通を遮断したが、避難命令は出さなかった。
■ ガソリンタンクは、爆発前にすでに使用されておらず、配管接続も切り離されており、撤去して別な新しい場所への移設準備が進められていたという。容量17,000ガロン(64KL)のガソリンタンクの液は残りわずかで、スーペリア・フューエル社の従業員2名がガソリンの最終的な抜出し作業を行っていた。爆発は、作業員2名がタンクから残燃料を抜出し、輸送の準備をしていた際に発生した。
■ 事故にともない、従業員2名のうちひとりが負傷した。負傷者は手に火傷を負い、病院に搬送され、治療を受けた。ダルース消防署とダルース警察署が現場周辺を捜索した結果、他に被害を受けた人はいないことが判明した。
■ スーペリア・フューエル社によれば、残留ガソリンのベーパーが封じ込め区域に充満し、従業員が延長コードを差し込んだ際に発生した火花で引火したという。しかし、ダルース消防署は同社の説明を裏付けておらず、爆発とそれに続く火災の原因を調査している。
■ ユーチューブなどでは、火災のニュースを伝える動画が投稿されている。
●Youtube、「 UPDATE:
Superior Fuel worker released from hospital after fuel tank explosion leads to
fire in Du..」(2026/9/17)
●Facebook、「 New
video of tank fire at Superior Fuel in Duluth‘s Lincoln Park.」 (2026/9/14)
●Facebook、 「 NEW DETAILS: We now know more about the explosion in Lincoln Park this morning that prompted a large emergency response and road」 (2026/9/14)
被 害
■ ガソリンタンク1基が焼損した。残液が焼失した。
■ 1名の負傷者が出た。
< 事故の原因 >
■ 事故原因は、発災事業所のスーペリア・フューエル社によれば、残留ガソリンのベーパーが封じ込め区域に充満し、従業員が延長コードを差し込んだ際に発生した火花で引火したという。しかし、ダルース消防署は同社の説明を裏付けておらず、爆発とそれに続く火災の原因を調査している。
< 対 応 >
■ 火災は消防隊によって消された。
■ スーペリア・フューエル社社は事故当日の9月14日(月)午後遅くに営業を再開した。
補 足■「ミネソタ州」(Minnesota)は、米国中西部の北に位置し、カナダに接しており、人口約570万人の州である。
「ダルース」(Duluth)は、ミネソタ州北東部に位置し、人口約86,000人の都市で、セントルイス郡の郡庁所在地である。ダルースは五大湖のひとつであるスペリオル湖の最西端に位置する港湾都市でもある。
■「スーペリア・フューエル社」(Superior Fuel)は、2006年に設立され、米国のミネソタ州やウィスコンシン州を中心に、一般住宅・商業・産業向けにエネルギーを供給している地域密着型の燃料供給会社である。
■「発災タンク」は、ガソリン用の容量17,000ガロン(64KL)で、事故時には液の抜取り作業中だった。グーグルマップで調べると、発災タンクは直径約3.3mであるので、高さは約7.4mである。タンク型式は、外観上、コーンルーフ型固定屋根型式である。通常、内液がガソリンの場合、内部浮き屋根式であるが、詳細はわからない。
所 感
■ 事故原因は、発災事業所のスーペリア・フューエル社によれば、残留ガソリンのベーパーが封じ込め区域に充満し、従業員が延長コードを差し込んだ際に発生した火花で引火したという。しかし、これだけでは事故状況がわかりずらい。発災写真(標題の写真)を見ると、タンクローリーらしい車両があるので、タンク内の残留ガソリンはローリーに移送していたのだろう。残留ガソリンの抜出し方法を決めた事業所の安全管理の方法と実際の抜出しを行った従業員の作業安全の方法に問題があったことは間違いない。すでに撤去を終えたタンクもあり、いままでのやり方で大丈夫だったから今回も問題ないと考えがちだが、実際の現場の安全管理に抜けがあれば、事故に至るという事例だと思う。
■ 消火戦略には積極的戦略・防御的戦略・不介入戦略の3つがあり、火災タンクへの泡消火活動(積極的戦略)と隣接タンクへの冷却活動を行い、適切に鎮火させたとみられる。火災タンクの保有燃料の量が少なかったし、消防活動のしやすい場所だったため、状況としては比較的消火活動が容易だったと思われる。
備 考
本情報はつぎのインターネット情報に基づいてまとめたものである。
・Duluthnewstribune.com, Fuel tank explodes near Lincoln Park
neighborhood, September 14, 2026
・Duluthmn.gov, Explosion and fire on corner of W Superior Street and
Carlton Street, September 14, 2026
・Northennewsnow.com, UPDATE: Superior Fuel worker released from
hospital after fuel tank explosion leads to fire in Duluth, September 15, 2026
・Hazardexonthenet.net, US fuel tank explosion injures worker at
Duluth transfer facility, September 22,
2026
・Gat.report, Worker injured in fuel storage tank explosion,
Minnesota, September 14, 2026
・Fox21online.com, New information on fuel explosion in Lincoln Park,
September 15, 2026
・98xrocks.com, One Injured In
Fuel Tank Explosion And Fire, September
15, 2026
・Kare11.com, 1 hurt after
explosion at Duluth fuel transfer facility, September 14, 2026
・Dailydispatchi.com, One injured, roads closed after fuel tank
explosion leads to fire in Duluth, September
15, 2026
後 記: タンクのメンテナンス工事中の事故では無く、タンクの油抜取り作業中の爆発・火災というめずらしい事例で、このブログでも扱ったことがない事例です。最近の米国におけるタンク事故については内容の乏しいメディアの記事が目立っていましたが、今回は発災事業者がその日のうちに原因について発表し、これまでの状況とは違っていました。米国南部のテキサス州やオクラホマ州と違って米国の北方に位置するミネソタ州だからでしょうか、あるいは地域密着型の燃料供給会社だったからでしょうか。いずれにしても、これからは事故を活かすメディアの記事を期待したいものです。















































