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2019年6月5日水曜日

韓国のスチレンモノマー装置でタンクからオイルミスト噴出

 今回は、2019年5月17日(金)、韓国の忠清南道の瑞山市にあるハンファ・トタル・ペトロケミカル社の大山工場のスチレンモノマー装置で重合によって屋外タンクから多量のオイルミストが噴出した事故を紹介します。
(写真はKoreatimes.co.krから引用)
< 発災施設の概要 >
■ 発災施設は、韓国の忠清南道(チュンチョンナムド/ちゅうせいなんどう)瑞山市(ソサン・し)にあるハンファ・トタル・ペトロケミカル社(Hanwha Total Petrochemica )の大山(デサン)工場である。
 
■ 事故があったのは、首都ソウルの南150kmに位置する大山工場の生産能力40万トン/年のスチレンモノマー装置にある屋外タンクである。発災当時、大山工場には327名の従業員がいた。スチレンモノマーは、発泡スチロールなどの合成樹脂の製造に使用される無色の可燃性液体物質である。
瑞山市にあるハンファ・トタル・ペトロケミカル社の工場付近
(写真はGoogleMapから引用)
     ハンファ・トタル・ペトロケミカル社の発災場所付近 (矢印が発災タンク)
(写真はGoogleMapから引用)
< 事故の状況および影響 >
事故の発生
■ 2019年5月17日(金)午前11時45分頃、大山工場のスチレンモノマー装置の屋外タンクから多量のオイルミストが噴出する事故が発生した。茶色をしたミストは数十メートルの高さにまで達した。(噴出状況はユーチューブに投稿されており、YouTube주황색 기름 '콸콸'…한화토탈서 유증기 대량 유출 사고 / SBS / 제보영상」オレンジオイル“ごぼごぼ”... ハンファトタルで油蒸気の大量流出事故/ SBS /情報提供映像)を参照)

■ 屋外タンクはスチレンモノマー装置のスチレンモノマーを合成した残りの残渣油を保管するタンクで、凝固を防ぐためにスチームを使用して一定の温度を保持している。噴出による漏れは、何らかの理由でタンク内の温度が上昇し、タンク内にあったスチレンモノマー成分と他のケミカル成分の残渣油がガス化して起こったとみられる。漏洩は約40分間続いた。

■ 当初、屋外タンクのスチームを停止し、消防隊によってタンク外壁への冷却を行った結果、漏れは午後2時頃におさまったといわれていた。

■ この噴出状況について、タンクの温度を下げようとしたが、一旦温度の上昇したタンクはなかなか冷めず、タンクが爆発する恐れが懸念され、消火薬剤を投入した。しかし、消火薬剤がタンク内の物質と化学反応を起こし、体積が膨張してタンク内の圧力が上がり、ベントバルブから有害物質が気体となって噴き出したという。

■ 漏洩事故によってタンクの近くで作業中だった労働者2名が油のベーパーを吸込み、病院へ搬送された。その他に多くの人が体の変調を訴え、少なくとも126人の労働者と住民がめまいや吐き気の症状があり、治療を受けた。影響を受けた人の中には、工場から約4km離れた場所の住民もいた。

■ 瑞山市は、住民に対してハンファ・トタル・ペトロケミカル社で起こった事故により悪臭が発生しているので、なるべく外出を控えるよう注意を促した。

■ 事故を受けて、原因を調査するため、警察署と消防署が現場に入った。

■ 翌5月18日(土)午前5時40分頃、再び同じような漏洩が起こった。問題のタンクに事故防止のために消火泡を注入する過程で、タンク残渣油のベーパーと消火泡が噴出した。この漏洩事故によって、工場の従業員約10名が病院へ搬送されたという

■ 瑞山市は、第1回目の漏洩の確認を要求するまで事故に関する報告は無かったし、2回目の漏洩については報告が無かったと述べている。一方、ハンファ・トタル・ペトロケミカル社は、5月17日(金)漏洩を確認した45分後の午後12時30分頃、漏洩を消防に通報しており、午後1時30分頃には自治体に連絡したと述べている。

■ 事故によって少なくとも110トンの有害物質が漏洩した。ハンファ・トタル・ペトロケミカル社は、タンクには当初170トン貯蔵されていたが、事故後は約60トンのスチレンモノマーが残っていると述べた。

■ ハンファ・トタル・ペトロケミカル社によると、5月17日(金)の正午頃に100℃を超え、通常の50~60℃より2倍近く高くなったという。タンク内の温度が急激に上昇すると、オイルの残渣がタンクの開口部分から噴出する要因になることがあるという。

■ この二度の漏洩事故によって約650人が影響を受けたといわれ、5月19日(日)の午後2時までにオイルのベーパに曝された327人が吐き気、目の刺激、頭痛の治療を受けた。

■ 近くの住民のひとりは、「すごく怖いです。同じことが二度と起こらないようにハンファと政府が対応策を講じない限り、こんなところには住めません」と語っている。

■ 大山工場では、3月6日~5月6日の定期修理のあと、もう1系列の能力70万トン/年のスチレンモノマー装置の運転を再開する計画だったが、労働組合によるストライキによってすでに一部が操業できない状態にある。このため、ハンファ・トタル・ペトロケミカル社は、5月9日(木)、ストライキと原料不足のため操業停止の不可抗力を宣言していた。

被 害
■ スチレンモノマー装置の屋外タンクが内部圧力上昇によって一部破損した。

■ タンク内にあったスチレンモノマーなどのケミカル約110トンが大気へ噴出して消失した。 

■ 事故に伴い約650人が影響を受け、オイルのベーパに曝された327人が吐き気、目の刺激、頭痛の治療を受けた。
(写真は、左;News.sbs.co.kr、右;Hani.co.kr から引用)
(写真はKoreatimes.co.krから引用)
(写真はM.ohmynews.com から引用)
< 事故の原因 >
■ スチレンモノマー装置における異常な重合によってタンク内圧が上昇し、噴出した。この背景は、スチレンモノマー装置の重合の危険性に対する事業所の認識の甘さのため、タンクの温度・圧力管理が不適切だったとみられる。 

■ ハンファ・トタル・ペトロケミカル社は、つぎのようにみている。
 ● 事故発生の1週間前、DA205という設備に異常が生じ、通常よりも高濃度のスチレンモノマーをタンクへ移送した。スチレンモノマーは、温度が65℃以上になると重合現象が生じ、熱を放出する性質がある。また、長い期間、保存すればするほど重合反応が進む。
 ● 5月17日(金)午前11時45分頃、問題のタンクからオイルミストが発生したのを観測し、爆発の危険性が高いと判断して、消防車を出動させて冷却作業を行った。
 ● タンク外壁からの散水では限界があり、タンク内に蒸気雲が満たされていると判断し、タンク内に消火薬剤を入れた。ハンファ・トタル・ペトロケミカル社の説明では「仕方なく」という表現を使った。
 ● しかし、消火薬剤が体積を増加させ、圧力が上昇し、タンク内にあったスチレンモノマーなどのケミカルを噴出させる現象が発生した。これが最終的に被害を大きくする要因になったと推測している。爆発は防いだが、有害なケミカルを飛散させるという副作用を生じた。

< 対 応 >
■ 5月17日(金)、原因を調査するため、警察署と消防署が現場に入った。

■ プラントで矢継ぎ早に2件の事故が発生したため、市民グループと地域の住民が抗議し、事故防止の予防策の実行を求めた。

■ 5月18(土)、ハンファ・トタル・ペトロケミカル社は漏洩事故について謝罪し、事故がどのように起こったのかを調べ、予防策を講じるといい、「事故を防ぐために、私どもはタンク温度を正常化し、漏れが起こらないようにします。私どもは運転を停止し、専門家による精密検査を受ける予定です」と語った。

■ 忠清南道は、「ハンファ・トタル・ペトロケミカル社が法令違反をしたか調べる。環境省などと共同で、
有毒化学物質管理法に照らして排気や液放出に管理値を超えていないか状況を調べる」と語った。

■ ハンファ・トタル・ペトロケミカル社の業績が低下している中で、労働者は賃金闘争のため4月25日(木)からストライキを続けている。ストライキをしている人に代えて仕事に不慣れな人を当てるという会社の判断が漏洩事故の要因だと論じる見方がある。

■ 5月20日(月)、ハンファ・トタル・ペトロケミカル社は漏洩状況について記者会見した。それによると、
 ● 事故発生の1週間前、DA205という設備に異常が生じ、通常よりも高濃度のスチレンモノマーをタンクへ移送した。スチレンモノマーは、温度が65℃以上になると重合現象が生じ、熱を放出する性質がある。また、長い期間、保存すればするほど重合反応が進む。
 ● 5月17日(金)午前11時45分頃、問題のタンクからオイルミストが発生したのを観測し、爆発の危険性が高いと判断して、消防車を出動させて冷却作業を行った。
 ● タンク外壁からの散水では限界があり、タンク内に蒸気雲が満たされていると判断し、タンク内に消火薬剤を入れた。ハンファ・トタル・ペトロケミカル社の説明では「仕方なく」という表現を使った。
 ● しかし、消火薬剤が体積を増加させ、圧力が上昇し、タンク内にあったスチレンモノマーなどのケミカルを噴出させる現象が発生した。これが最終的に被害を大きくする要因になったと推測している。爆発は防いだが、有害なケミカルを飛散させるという副作用を生じた。
(写真はGoodmorningcc.comから引用)
爆発扉のようなタンクベント
(写真はGoodmorningcc.comから引用)
(写真は、左;Goodmorningcc.com、右;Ytn.co.krから引用)
補 足
■ 韓国は、正式には大韓民国(テハンミングク/だいかんみんこく)といい、朝鮮半島南部にある人口約5,100万人の共和制国家である。
 「忠清南道」(チュンチョンナムド/ちゅうせいなんどう)は、韓国の西部にあり、黄海に面する人口約2,100万人の行政区である。
 「瑞山市」(ソサン・し)は、忠清南道の西部に位置し、人口約150万人の市である。
韓国の忠清南道の位置と周辺地域
(写真はGoogleMapから引用)
ハンファ・トタル・ペトロケミカル社の大山工場
(写真はPetrotahlil.comから引用)
■ 「ハンファ・トタル・ペトロケミカル社」(Hanwha Total Petrochemica )は、2003年に設立され、韓国のハンファ・ジェネラル・ケミカルズ社(Hanwha General Chemicals)とフランスの大手エネルギー会社トタール社(Total)による5050の合弁事業の会社である。石油化学工業の基礎石油化学品としてエチレン、プロピレン、ブタジエン、ベンゼン、トルエン、パラキシレン、スチレンモノマーなどの製品を生産している。 

■ 「スチレンモノマー」は、化学式C8H8で、無色透明の液体で特有の強い臭気のある有害化学物質で、比重:0.906、引火点:31℃、自然発火温度:490℃である。熱や光により容易に重合するので、市販されているものは重合禁止剤が含まれている。

■ 「スチレンモノマー装置」は、主にエチルベンゼンを脱水素してスチレンを製造する方法(脱水素法)のほか、エチルベンゼンを酸化・脱水してスチレンと酸化プロピレンを得るハルコン法などがある。ハンファ・トタル・ペトロケミカル社で採用しているプロセスは分からないが、ベンゼンの脱水素によるスチレンモノマー装置の例を図に示す。
                 スチレンモノマー装置の例   (図はJstage.jst.go.jp から引用)
■ 「大山工場」(デサン工場)では、「スチレンモノマー装置」を生産能力40万トン/年と65万トン/年の2系列有している。生産能力40万トン/年のNo.1装置が517日(金)に事故を起こした装置である。このNo.1装置は当初425日(木)に運転を開始する予定だったが、56日(月)に遅れたほか、低い稼働率で運転していた。No.2ユニットは生産能力65万トン/年で、35月の定期修理のあと操業再開の予定だったが、労働組合のストライキで運転ができず、操業停止の不可抗力を宣言していた。これらによって、大山工場のスチレンモノマー装置は6月の製品供給ができないという不可抗力を宣言せざるを得なくなった。 

■ 「発災タンク」に関する直径などの仕様は報じられていない。被災写真のタンクやまわりの状況をグーグルマップで調べたところ、敷地北側に発災箇所と思われる場所があった。これによると、発災タンクは直径約7mであり、高さを10mと仮定すれば、容量は380KL級となる。

■ スチレンなどの重合に関連した事故例には、つぎのようなものがある。
   未反応スチレンを回収する蒸留塔で、塔頂コンデンサーが詰まり気味になった後、塔底圧力・温度が上昇した。塔底液の留出先の廃液タンクで高温のため重合が起こった。気が付いた作業員が冷却作業を始めたが、間に合わず内液が噴出して、火災になった。廃液タンクの危険性に対する事業所の認識不足のため、蒸留塔および廃液タンクの温度・圧力管理不十分による破裂事故である。単位工程フローを図に示す。
             事例の単位工程フロー   (図はShippai.org から引用)
   樹脂製造装置で比較的軽微な爆発事故があり、設備の停止命令を受け、装置の停止作業中、原料のモノマー2種類と触媒を入れたモノマー混合槽からガスが漏洩した。対策会議を行っていた工場幹部など出席者全員が急遽漏れ現場に駆けつけたところで、大爆発が起こり、死者6名、負傷者207名(うち住民178名)の被災者が出た。
 ● 「高分子の重合と事故事例」(2015年12月、消防研究所報告)
   本報告は、モノマーをポリマーに合成する重合反応の種類について解説したものであるが、重合反応が関与している事故事例(1971年~2003年)を紹介するとともに、事故における消防活動上の注意点について説明している。この中で、重合前のモノマーのほとんとが低沸点化合物であり、重合熱で加熱されるとモノマー自体が気化し、容器内圧を上げることが事故の要因になっていると指摘している。

■ 「重合反応に関わる事故事例の消防活動上の注意点」について「高分子の重合と事故事例」(2015年12月、消防研究所報告)の中で記載されており、内容を紹介する。
 ● 反応容器等の発災では、一般に圧力放出のベントバルブが設置されていることがほとんどで、タンク圧力が一定圧以上となると内容物が噴出する。この状態で白煙に見えることが多く、第一次の通報では、煙の発生という情報となることがある。このような状態で公設消防隊が現場に到着した場合、内容物の暴走反応が進んでおり、内容物の加熱によりタンクの内圧が通常操業時より上昇中の場合がある。
 ● 放水などの冷却効果があり、内容物が安定化へ向かえば爆発危険性は低下するが、安定化へ向かわない場合、容器の爆発・破裂の危険性が高くなる。特にタンク圧力が上昇するほどに加熱された内容物は、高温となっているので、爆発・破裂により飛散範囲が広くなり、被害が大きくなる。2012年に発生した兵庫県姫路市での爆発事故はこの例である。
 注;この事例は本ブログ;「日本触媒でアクリル酸タンクが爆発・火災、死傷者37人」(2012年9月)で紹介した。

所 感
■ 今回の事故は、日本であった「スチレン回収塔廃液タンクにおける高温の留出液の異常反応による火災」(1993年9月)と極めて類似した重合に関連する事例である。発災に至る前に重合しやすい条件を作ったことで、日本での事例の教訓が「タンクの危険性(重合)に対する事業所の認識不足のため、蒸留塔とタンクの温度・圧力の管理不十分による破裂事故である」としているが、今回の事故でも「今回の事故発生の1週間前、DA205という設備に異常が生じ、通常よりも高濃度のスチレンモノマーをタンクへ移送した」ことで、重合が徐々に進行し、発災当日には、タンク(ベント)からオイルミスト(白煙)が出るほどに重合が進んでいたと思われる。この段階で冷却を行っても手遅れで、ましてや保温付きタンクを外壁からの放水で冷やすことはできないであろう。本事例も、重合への知識が不完全(甘さ)であったことによるタンクの温度・圧力の管理が不適切だった事故といえよう。

■ 日本での事例は火災に至っているが、今回の事故では、タンク内に消火薬剤を入れたため、「消火薬剤が体積を増加させ、圧力が上昇し、タンク内にあったスチレンモノマーなどのケミカルを噴出させる現象が発生した。これが最終的に被害を大きくする要因になった。爆発は防いだが、有害なケミカルを飛散させるという副作用を生じた」という事業者の推測は当たっていると思う。
 タンクには爆発扉のようなベントバルブが設置されていたと見られるので、プロセス設計者は重合によるタンク内圧の上昇を考慮してタンク内の圧抜きは想定していたと思われる。消火薬剤を入れるという思いつきが被害を大きくした事例である。

■ タンクベントが作動し、消火薬剤を含む大量のタンク内容物が噴出したが、タンクが想像以上に頑丈にできていたと感じる。タンクの破裂あるいは爆発・火災が起こっていれば、タンク近くで冷却作業などを行っていた従業員はもっと激しい被災を受けていただろう。重合による事故の怖さとともに、消防活動時の留意は「日本触媒でアクリル酸タンクが爆発・火災、死傷者37人」(2012年12月)を思い出させる事例でもあった。


備 考
 本情報はつぎのインターネット情報に基づいてまとめたものである。
     ・En.yna.co.kr,  Massive Oil Mist Leaks From Chemical Factory,  May 17, 2019
     ・Poandpo.com,  Chemical Vapor Escape from Storage Tank in Hanwha Total Petrochemicals Plant in Seosan, Korea,  May  20, 2019
     ・Koreabizwire.com,  Hanwha Total Under Probe for Delayed Report of Oil Mist Leak,  May  20, 2019
     ・Koreajoongangdaily.joins.com, Chemical Vapor Escape Affects 327 in The Area,  May  20, 2019
     ・Argusmedia.com, Hanwha Total SM Tank Shut after Second Explosion,  May  20, 2019
     ・Straitstimes.com,  Hanwha Total's Chemical Leak Affects 650 People in South Korea,  May 21, 2019
     ・Hazardexonthenet.net,  Massive Chemical Leaks at South Korea Petrochemical Plant Leave 650 with Health Problems,  May 21, 2019
     ・Koreatimes.co.kr,  Hanwha Total Accident Leaves 300 People Suffering Health Problems,  May  21, 2019
     ・Firedirect.net,  South Korea – Massive Chemical Leaks At Petrochemical Plant Affects 650,  May  23, 2019
     ・Spglobal.com, South Korea's Hanwha Total Petrochemical Declares Force Majeure on June Styrene Monomer Supply from Daesan Plant,  May  24, 2019
     ・Mrcplast.com,  Hanwha Total Petrochemical Declares Force Majeure on SM Supply from Daesan Plant,  May  15, 2019
     ・News.joins.com,  한화토탈서 유증기 대량 유출…근로자·주민 126명 병원 치료,  May  17, 2019
     ・News.kmib.co.kr,  한화토탈 공장서 이틀 연속 유증기 유출… 320여명 병원 치료,  May  19, 2019
     ・Asiatoday.co.kr ,  한화토탈 “탱크발열·유증기 유출, 모두 정상화”,   May  17, 2019
     ・News.khan.co.kr,  충남 한화토탈 두 차례 유증기 유출사고로 327명 병원 진료,   May  19, 2019
     ・News.khan.co.kr, 환경부 “한화토탈 유증기 유출 ‘화학사고’…703명 병원 진료”,   May  21, 2019
     ・Goodmorningcc.com, 한화토탈 사고 피해 컸던 이유…"소화 약재로 부피 증가“ ,   May  20, 2019
     ・Jstage.jst.go.jp ,  スチレン, 高分子Vol.19, No.221, 1970


後 記: 1年半ほど前に「韓国の石油貯蔵所で半地下式ガソリンタンクの爆発・火災」(2018年10月)を調べたときに、韓国の情報公開がオープンであると感じましたが、今回の事故でも変わりませんでした。ただ、今回は化学工場内の事故であるためか、事実がはっきりしない情報が多いと感じました。例えば、発災時間はメディアによってバラバラでしたし、噴出物が茶色っぽい(ピンクという表現もあり)のは、タンク内部のサビが出たという情報もありました。オイルミスト噴出というのに火災にもならない異常な現象にメディアもびっくりしていろいろな人の意見を参考にしながら伝えたのでしょう。被災者数は、メディアの関心が高いにも関わらず、これもバラバラでした。なにが正しいのか何度も書き直しながら、事実(らしい)をかなり割り切ってまとめました。


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