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2022年3月26日土曜日

米国テキサス州バールソン郡の油井用タンクが火災

  今回は、202225日(土)、米国テキサス州バールソン郡にあるチェサピーク・エナジー社の油井施設で油井用タンクが火災になった事例を紹介します。

< 発災施設の概要 >

■ 発災があったのは、米国のテキサス州(Texas)バールソン郡(Burleson)クックスポイント(Cooks Point)近くにあるチェサピーク・エナジー社(Chesapeake Energy)の油井施設である。

■ 事故があったのは、バールソン郡の農道FM1362号線と郡道340号線の近くにある油井用タンクである。

< 事故の状況および影響 >

事故の発生

■ 202225日(土)の午前10時頃、油井用タンクが火災になった。

■ 発災に伴い、ボランティア型のクックスポイント消防署とコールドウェル消防署の消防隊が出動した。消防隊が現場に到着したとき、2基のタンクが炎上していた。

■ 消防隊は火災を制圧するまでに約25分かかった。  

■ 火災は事故によるものとみられ、現時点では原因はわからないという。

被 害

■ 油井用タンク2基が火災で焼損した。タンク内に入っていたオイルが焼失した。 

■ 負傷者はいなかった。

< 事故の原因 >

■ 事故の原因は調査中である。

< 対 応 >

■ チェサピーク・エナジー社では、この事故に先立つ34日(金)午後7時頃、サマービル湖(Lake Somerville)近くのパークロード57号線と郡道403号線の近くにある油井で爆発事故が発生した。爆発による破片がパークロード57の真ん中付近まで飛散した。この爆発による破片によってひとりの運転手が被災し、病院に搬送された。

補 足

■「テキサス州」(Texas)は、米国の南部に位置し、人口約2,900万人の州である。

「バールソン郡(Burleson)は、テキサス州の中央部東に位置し、人口約17,000人の郡である。

■「チェサピーク・エナジー社(Chesapeake Energy)は、1989年に設立し、石油探査・掘削を行う米国のエネルギー会社で、オクラホマ州のオクラホマ・シティに本社がある。同社はチェサピーク湾地域に設立されたことから名付けられた。同社は1日あたり445,000バレル(70,700KL)の石油を生産し、そのうち69%が天然ガス、24%が原油、7%が液化ガスだった。

■「発災タンク」の仕様や内液の情報は報じられていない。グーグルマップで調べると、発災地区の近くに2基のタンクがあり、これが発災タンクとすれば、直径は約4mである。高さを10mと仮定すると、容量は125KLほどのタンクである。

所 感

■ 発災タンクには容量一杯に天然ガスや原油が入っていなかったと思われる。消防隊が到着して25分で制圧していることと、発災写真を見ると制圧後のタンクからは白色の水蒸気が出ている。また、発災タンクの側板は変色しておらず、焼けた跡が顕著には見られない。内液は水が主で、上部にあった油が燃えたものではないだろうか。原油・天然ガスの採掘で近年多用されている水圧破砕法(フラクチャリング) の関連タンクではないだろうか。

■ 発災の引火原因や消防活動に関する情報がないが、被災写真によると、泡消火を使用していたとみられる。米国らしいボランティア型の消防署による消火活動だったようだが、火炎の勢いが強いようなタンク火災を消火できるような装備ではなかったと思われる。 


備 考

 本情報はつぎのインターネット情報に基づいてまとめたものである。

     Kltv.com,  Two oil tanks catch fire in Burleson County,  February  06,  2022

     Kwhi.com,  MULTIPLE OIL WELL INCIDENTS UNDER INVESTIGATION IN BURLESON CO,  February  07,  2022

     Bctribune.com,  Oil tanks catch fire on CR 340,  February  09,  2022    


後 記:  20203月以来、久しく伝えていなかった油井施設のタンク火災事故です。最も火災事故の多い施設分野で2年間も事故が無かったということはないでしょう。この事故は「テキサス」を検索語にして出てきたローカルのタンク事故情報です。20分で制圧されており、インターネットのメディアでも事故内容に乏しい情報でした。被災写真が添付されていたのは良かったのですが、出所は消防署から提供されたものです。

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