今回は、2026年9月16日(水)、韓国の京畿道の華城市にある廃油処理施設において屋外タンクが爆発・火災を起こし、負傷者1名を出した事例を紹介します。
< 発災施設の概要 >
■ 発災があったのは、韓国の京畿道(경기도;キョンギド/けいきどう)の華城市(화성시;ファソンし/かじょうし)孝行区(ヒョヘンく)鄭南面(ヒョハンク・チョンナムミョン)にある廃油処理施設である。施設は廃油や廃オイルフィルターなどを処理する会社である。
■ 事故があったのは、廃油処理施設内にある屋外の貯蔵タンクである。
< 事故の状況および影響 >
事故の発生
■ 2026年9月16日(水)午後2時前、廃油処理施設内で爆発が発生した。
■ 京畿道消防本部は、廃油処理施設から「廃棄物が燃えている」という通報を受け、消防隊を出動させた。
■ 施設に火がつき、施設内帯には相次いで爆発が発生した。何度も爆発が続き、赤い火柱が空へ突き破るたびに振動が伝わり、近くの住民たちの嘆息が続いた。火災現場付近の住民たちは爆発が続くと、延焼してくるのを避けて避難した。住民のひとりは、「爆発音と炎が続くのがまるで戦争があったようでした」と語った。
■ 自宅が火災現場とすぐ隣接しているという住民のひとりは、「家にいましたが、大きな炎が立ち昇ったので、携帯電話だけを掴んで深く考えず家から飛び出しました」といい、「火が移って来て、被害を受けていないだけでも幸いです」と一息ついた様子だった。
■ 消防当局は、火災発生場所が廃油処理施設でまわりには他の工場や住宅地があり、延焼していく恐れがあると判断し、対応段階を上げていった。
■ 華城市は火災発生直後、「火災による煙が多量発生中です。近くの住民は窓を閉めるなど安全に留意してください」と伝えた。
■ 消防隊は、消防ヘリコプターをはじめとする装備58台と消防士120名を動員した。消防ヘリコプターは空中から消火水をかけ、消防車両は地上から消火水をかけた。救助隊と警察官は人命救助と現場統制に慌ただしく活動した。
■ 消防当局は、施設にある屋外タンクで火災が発生したとみている。
■ 事故にともない、ひとりが負傷した。火災初期の消火活動をした施設関係者1名が火傷の負傷をした。当初、消火活動をしたのは女性だと報じられたが、実際は50代の男性で右腕に火傷を負って病院に搬送されていた。
■ 事故発生当時、施設で働いていた9名は自力で避難した。
■ 施設で保管していた廃油の一部が近くの河川に流入した。関係機関とともに黄区地川につながる河川に土手によるダムをつくり、水道を遮断し、廃油や汚染水回収など防除作業に乗り出した。黄区地川は、義王市大峰山を源とし、水原、華城、五山、平沢を経て真威川に合流する総延長30kmの国家河川である。消防当局などは装備を投入して廃水の流入を防いでいる。
■ 華城市の関係者は、「現在まで廃油が川まで流入した痕跡はない」とし、「防除作業終了まで継続的にモニタリングして汚染物質遮断に総力を傾ける予定である」と話した。しかし、火災現場から出てきた廃水が黄区地泉支流に流入しており、二次被害が懸念されている。
■ ユーチューブでは、事故を報じる動画が投稿されている。
●Youtube、「화성시 자원순환시설에서 불...한때 대응 2단계 발령 / YTN」(2026/9/16)
●Youtube、「대형 참사 막았다...화성 폐유처리시설 화재」 (2026/9/16)
< 被 害 >
■ 廃油処理施設の屋外タンクなどの設備が焼損した。
■ 負傷者が1名出た。
■ 廃油が近くの河川に流出したとみられる。
■ 近くの住民には窓を閉めるなど安全に留意する旨の連絡があった。
< 事故の原因 >
■ 事故の原因は不明である。消防当局が火災原因と被害規模を調査している。
< 対 応 >
■ 消防隊は、事故発生から2時間余りの午後4時頃に火災を制圧し、午後5時前に鎮火させた。
■ 消防当局は正確な火災原因と被害規模などを調査する予定だ。
補 足
■「韓国」は、正式には大韓民国で、 東アジアに位置し、人口約5,120万人の共和制国家である。首都はソウル特別市である。
「京畿道」(경기도;キョンギド/けいきどう)は、大韓民国北西部にあり、朝鮮半島中西部に位置する人口約1,379万人の道である。
「華城市」(화성시;ファソンし/かじょう‐し)は、京畿道の南西部に位置し、人口約100万人の都市である。2025年1月に人口100万人以上の特例市となった。
韓国の京畿道では、タンク事故がよくあるところである。ブログには、つぎのような事例を紹介した。
●「韓国のレーザー加工工場で液体窒素タンクが破裂、建物2棟が損傷」(2025年10月)
●「韓国華城市の廃油リサイクル会社の貯蔵タンクが爆発・火災、死者1名」(2024年5月)
●「韓国の石油貯蔵所で半地下式ガソリンタンクの爆発・火災」(2018年10月)
■「発災タンク」は、屋外タンクと報じられているだけで、タンク型式や大きさなどの仕様は分かっていない。、廃油処理施設は、一般事業場から排出される廃棄物や廃油・廃酸など有害物質を含む指定廃棄物を専門的に処理する施設であるが、どのようなプロセスかは分からない。日本国内の一般的な廃油処理施設の例を図に示す。なお、韓国では、産業事故に対しても消防ヘリコプターを使用しているようだが、爆発を繰り返すような火災現場で効果は疑問だと感じる。
所 感■ 今回の事例は、2023年8月に同じ韓国・華城市で起こった
「韓国華城市の廃油リサイクル会社の貯蔵タンクが爆発・火災、死者1名」 と類似の廃油処理施設の事故である。2023年の事故では、「廃油も揮発性の高いものではないのが通常であろう。しかし、爆発して火災になっており、日本で起こった「千葉県野田市の廃油処理施設の爆発事故(2013年)」と同じように原因はガソリンなど揮発性の高い油を投入したのではないだろうか。廃油リサイクル会社が意図して揮発性の高い油を処理したのではなく、廃油を出した側がガソリンを投入してしまったのではないか」と所感に書いた。
今回の事故では、火が出た際、事業所の作業員が初期消火活動をしていたという。なぜ、火が出たかは分からないが、その後の火災で爆発が連続して起こったということから、揮発性の高い油を処理または保管(貯蔵)していたと思われる。過去の貴重な事例が活かされていないと感じる。
■ 消火活動は、「消防ヘリコプターをはじめとする装備58台と消防士120名を動員した。消防ヘリコプターは空中から消火水をかけ、消防車両は地上から消火水をかけた」とあり、事故発生から3時間で鎮火させたという。この報道が正確なら、消火活動は適切に行われたのだろう。
備 考
本情報はつぎのインターネット情報に基づいてまとめたものである。
・V.daum.net,
“전쟁난 것 같은 폭발음이”…화성 폐유처리시설 화재, 한때 대응 2단계 [현장, 그곳&] [영상], September
16, 2026
・Kyeonggi.com,
화성 자원순환시설 화재에 대응 2단계…‘폐유 처리시설’로 확인, September 16,
2026
・Biz.chosun.com,
화성 자원순환시설 화재 2시간 40여분 만에 진화…1명 부상, September 16,
2026
・Kmib.co.kr, [포토] 화성 자원순환시설 화재, 160여분 만에 진화,
September 16, 2026
・Yna.co.kr,
경기 화성 자원순환시설 화재…대응 2단계 발령,
September 16, 2026
・Kyeonggi.com,
화성 자원순환시설 화재에 대응 2단계…‘폐유 처리시설’로 확인, September 16,
2026
・Kihoibo.co.kr,
화성 자원순환시설 화재...2시간 40분만에 진화, September 16,
2026
・News.ifm.kr,
화성 자원순환시설 화재 2시간 40여분만에 완진, September 16,
2026
・Yonhapnewstv.co.kr, 경기 화성 자원순환시설 화재…대응 2단계 발령 서승택 기자, September 16,
2026
・Kconsumers.com,
화성 자원순환시설 화재 2시간 40여분 만에 완진…50대 관계자 2도 화상,
September 16, 2026
後 記: 今回の韓国の事例報道を読んで感じたことは、取材が不十分なことです。その要因のひとつは、韓国ではよくあることですが、発災事業所の名前を報じないことです。そのためだと思いますが、初期消火をやっていた人を女性と報じたところが大半でした。“男女平等”の世の中ですが、初期消火をやっていた人が女性だと言われれば、最初に本当かなと思うはずです。メディアの中に疑いをもって調べたのでしょう、実際は男性だったという訂正の記事がありました。全般に報道を一歩引いて読んでいました。河川への油流出についても自治体関係者は流出はないと主張しています。対応はやっているようですが、結局、どのくらい流出したのか不明瞭(曖昧模糊)です。韓国でもメディアの人不足が深刻なようです。









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