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2025年12月31日水曜日

米国カリフォルニア州のガソリンスタンドの地下タンクが爆発・火災

 今回は、20251215日(月)、米国カリフォルニア州サンフランシスコにあるシェル社ガソリンスタンドの地下にあるガソリンタンクが爆発・火災を起こした事例を紹介します。

< 発災施設の概要 >

■ 発災があったのは、米国のカリフォルニア州(California)サンフランシスコ(San Francisco)のミッション地区(Mission)にあるシェル社(Shell)のガソリンスタンドである。

■ 事故があったのは、ミッション地区の16番ストリートとゲレロ通りの角にあるシェルガソリンスタンド内の地下にあるガソリンタンクである。

< 事故の状況および影響 >

事故の発生

■ 20251215日(月)午後430分頃、シェル社のガソリンスタンドで爆発・火災が発生した。

■ ガソリンスタンドでは、建設作業員が地下のガソリンタンクを撤去しようと作業を行っていた。

■ 発災にともない、サンフランシスコの消防隊がミッション地区のガソリンスタンドに出動した。

■ 現場で消防隊は、撤去する作業中であった地下タンクが燃えているのを確認した。消防車6台を含む9台の消防車両とともに、数十人の消防士が出動していた。

■ 近くの家が揺れ、濃い黒煙が地区一帯に立ち込めた。 地域住民のひとりは、「ものすごく大きな音が聞こえた」といい、「爆竹か何かの音だと思ったんです。外に出てみると、大きな黒い煙が上がっていました。歩いていくと、タンクが火災になっており、信じられませんでした」と語った。別な住民は、「大きな音が聞こえました。建物が揺れけど大したことはなかった」といい、「外に出て様子を見に行くと、消防車が7台、パトカーが数台、そして100人ほどの群衆がいました。だから、ガソリンスタンドだとわかりました」と語った。 

■ ガソリンスタンドの隣にある学校とアパートは、どちらも避難を余儀なくされた。警察によると、隣の建物から人は無事に避難できたと語った。

■ 事故にともなう負傷者はいなかった。

■ 火災は撤去作業中の地下タンク内に残留ガスが残っていたからだと消防署は発表した。

■ 当局は一般の市民への脅威はないと述べたが、消防署長は空気中に危険物質や有害化学物質が含まれていないか監視していると述べた。

■ ユーチューブなどには、火災の状況を伝えるニュースや撮影された動画などが投稿されている。

 YouTubeGas tank catches fire at San Francisco Mission District gas station2025/12/16

    ●YouTubeSan Francisco gas station fire, explosion: What we know2025/12/16)

    ●Instagram.comEarlier today, San Francisco firefighters were on the scene at・・・」2025/12/16

被 害

■ 地下のガソリンタンクが損傷した。残留していたガソリンが焼失した。 

■ 負傷者はいなかった。

■ ガソリンスタンドの隣にある学校とアパートの人たちが避難を強いられた。

< 事故の原因 >

■ 発災の原因は、作業中の掘削機が地下のガソリンタンクに衝突し、残留していたガソリンが配管から漏洩し、火花が出て爆発・火災が発生したとみられる。 

< 対 応 >

■ 消防隊はガソリンタンクの火災を泡消火剤を使用して消し止めた。消防隊員らは10分以内に火を消し止め、午後5時までに鎮火したという。掘削機の下半分全体が黒く焼け焦げていた。

■ 発災の原因は、作業中の掘削機が地下のガソリンタンクに衝突し、残留していたガソリンが配管から漏洩し、火花が出て爆発・火災が発生したとみられる。 

■ 消防署によると、タンク内に燃料が残っており、外部の業者に除去を依頼したという。建設作業員が後で安全に作業を再開できるよう、残りの燃料を除去するためにシェル社の人間が来ていると述べた。作業員は現場に長時間留まり、地下タンクに残った燃料の搬出作業のため安全対策を講じている。

補 足

■「カリフォルニア州」(California)は米国西海岸に位置し、メキシコとの国境から太平洋沿いに細長く伸び、人口約3,950万人の州である。

「サンフランシスコ」(San Francisco)は、正式にはサンフランシスコ市郡(City and County of San Francisco)で、米国西海岸にあるカリフォルニア州の北部に位置し、人口約87万人の都市である。

「ミッション地区」( Mission District)サンフランシスコの地区のひとつである。

■「シェル社」(Shell)は、設立が1907年で、 旧称ロイヤル・ダッチ・シェル(Royal Dutch Shell plc)と称し、イギリスのロンドンに本拠を置き、石油・天然ガス等のエネルギー関連事業を展開する多国籍企業である。グループ企業は145の国にあり、世界中に47以上の製油所と、40,000店舗超のガソリンスタンドを展開している。

■「発災タンク」は、ガソリンスタンド内の地下に埋設された横型のタンクである。地下のガソリンタンクを撤去しようと作業を行っていた。

 米国におけるガソリンスタンドの地下タンクは、一般に容量が10,000ガロン(37KL)であり、標準的なサイズは直径2.5m×長さ8.0mである。米国では、地下貯蔵タンクは漏洩事故から地下水の環境汚染の問題があり、米国環境保護庁(EPA)が厳しい規制を行っている。

 なお、当ブログでガソリンスタンドなどの地下タンク事故について紹介したのは、つぎのとおりである。

  ●「米国で地下タンクからの油流出によって環境汚染」2012年3月)

  ●「米国ニューハンプシャー州の地下タンクでフラッシュ・ファイヤー、2名負傷」20139月)

  ●「米国オハイオ州の地下貯蔵タンクが落雷で爆発、地表にクレーター」20158月)

  ●「米国アイダホ州のガソリンスタンドで壊滅的な爆発・火災、死傷者4名」202410月)

  ●「ロシア連邦チェチェン共和国のガソリンスタンドで壊滅的な爆発、死傷者9名」202410月)

所 感

■ ガソリンタンクの撤去理由は報じられていないが、ガソリンスタンドの撤退ではなかろうか。工事請負会社の作業員も掘削機の作業に安全意識が欠けていただろう。また、地下タンクからガソリンを抜出す作業は別な作業会社が行っただろうが、この作業も安全意識が徹底していなかったと思われる。そして、シェル社(またはガソリンスタンド運営会社)も安全管理が欠けていたと思われる。

■ 日本でもガソリンスタンドの撤退が進んでいるが、地下タンクという見えない設備の工事を行う上での安全管理は地上設備より細かい配慮や徹底が必要だと思わせる事例である。 


備 考

 本情報はつぎのインターネット情報に基づいてまとめたものである。

     Abc7news.com, Massive fire erupts at San Francisco Mission District gas station,  December  16,  2025

     Ktvu.com, Gas tank catches fire at San Francisco Shell station,  December  15,  2025

     Instagram.com, An explosion struck a Shell gas station in the Mission District on Monday afternoon,  December  17,  2025

     Msn.com, San Francisco firefighters battle Mission District gas station blaze,  December  16,  2025

     Sfchronicle.com, San Francisco firefighters battle Mission District gas station blaze,  December  15,  2025

 

後 記: カリフォルニア州サンフランシスコにあるガソリンスタンドの地下タンクが爆発したということで調べることとしました。最近のタンク事故に関するメディア情報に比べると、はるかに内容が整っていました。そうなると、なぜ地下のガソリンタンクを撤去しなければならないのか、地下タンクの大きさはいくらなのかなどの情報が欲しくなりました。なぜこの種の情報が飛んでいる(抜けている)のかというと、SNS(ソーシャルネットワーク)がメディアに代わって画像などを流しているからだと感じます。 

      

後 記: ます。 

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