今回は、2026年5月4日(月)、東南アジアのタイのチョンブリー県にあるタイ石油公社のシラッチャ製油所で原油貯蔵タンクに落雷があり、屋根シール火災があった事例を紹介します。
< 発災施設の概要 >
■ 発災があったのは、タイ(Thai)チョンブリー県(Chonburi)シラッチャ(Si Racha)にあるタイ石油公社(Thai Oil Public Co.)のシラッチャ製油所(Si Rracha
refinery)である。製油所の精製能力は275,000バレル/日である。
■ 事故があったのは、製油所の原油貯蔵タンクである。
<事故の状況および影響>
事故の発生
■ 2026年5月4日(月)午後5時頃、製油所にある原油貯蔵タンクの屋根に落雷があり、火災が発生した。
■ その時間帯にこの地域では、激しい雨と雷雨が発生していた。現場に居合わせた目撃者によると、原油貯蔵タンクの上部に落雷があり、大きな破裂音が聞こえたという。その後まもなく、タンクの屋根から黒煙と炎が立ち上るのが目撃された。
■ 火災の炎はタンク屋根部で急速に燃え広がり、近隣住民を不安にさせた。■ 発災にともない、製油所の消防隊と地元の消防隊が出動した。
■ 消防隊は、泡消火剤を散布して火災が近隣のタンクに延焼するのを防いだ。
■ ユーチューブやフェースブックでは、事故のニュースを伝える動画が投稿されているが、このブログで紹介している画像と同様ではっきりした事故画像はない。
●Youtube、「 ไทยออยล์
แจงฟ้าผ่าถังเก็บน้ำมัน ไม่กระทบการกลั่น : รอบวันทันเหตุการณ์ 12.00น./ วันที่ 5 พ.ค.69」(2026/05/05)
●Facebook、「Fire & Rescue Thailand รายงานว่า เกิดเหตุฟ้าผ่า ไฟลุกฝาถังเก็บน้ำมันโรงกลั่น เมื่อเวลา 17.00 น.วันที่ 4 พฤษภาคม 2569 เกิดเหตุฟ้าผ่าแล้วเกิดเพลิงลุกไหม้ ฝาถังเก็บ Crude Oil ของโรงกลั่นน้ำมัน พื้นที่ จ.ชลบุรี ขณะนี้เจ้าหน้าที่」 (2026/05/05)
●Facebook、「เกิดเหตุฟ้าผ่าใส่ถังเก็บน้ำมันดิบ ในพื้นที่ อ.ศรีราชา จ.ชลบุรี ทำให้เกิดเพลิงไหม้ ก่อนที่เจ้าหน้าที่จะควบคุมเพลิงไว้ได้ . #Ch7HDNews #ข่าวออนไลน์7HD」(2026/05/05)
被 害
■ 原油貯蔵タンク1基の浮き屋根シール部が火災で被災した。
■ 負傷者はいなかった。
< 事故の原因 >
■ 浮き屋根式タンクに落雷があり、屋根シール部の可燃性ベーパーに引火して火災になった。
< 対 応 >
■ 当局は、事態が完全に収束したと発表した。火災は鎮火し、負傷者や死者は報告されていない。
消防隊は再燃を防ぐため、タンクに冷却水を噴霧している。一方、当局は被害状況の詳細な調査を行っている。
■ 製油所は、敷地周辺の大気質を監視するため、公害防止局を含む関係機関と連携する準備を進めている。
■ 火災は迅速に鎮火されたが、当局は周辺地域に影響を与える可能性のある残留臭や煙がないか引き続き監視している。
■ 警察と技術専門家は、製油所の避雷システムと原油タンクの構造を調査し、事故発生時に避雷システムが十分に機能しなかった理由を調査する予定だという。
■ タイ石油公社は、被害の程度を評価している段階だが、被害は限定的で財務状況や業績に大きな影響を与えるものではないと見込んでいる。
しかし、当局は、今回の事故による被害状況を評価中であり、今後同様の事故が再発しないよう、詳細な調査を実施する予定である。
補 足
■「タイ」(Thai)は、正式にはタイ王国(Kingdom of Thailand)で、東南アジアの中心に位置する人口約6,600万人の仏教国である。
「チョンブリー県」(Chonburi)は、タイ中部に位置し、海岸部はタイランド湾と接する人口約145万人の県である。
「シラッチャ」(Si Racha)は、チョンブリー県にあり、工業団地と港に囲まれた人口24,000人の市である。
■「タイ石油公社」(Thai Oil Public Co.)は、1961年に石油精製会社として設立され、タイ・オイル(Thai Oil)とも呼ばれる。タイ石油公社は、精製能力35,000バレル/日の小規模製油所から、275,000バレル/日を処理できる複合製油所へと発展してきた。精製燃料、石油化学製品、基油潤滑油など多種多様な製品を生産している。「シラッチャ製油所」の主な製品は、LPガス、ガソリン、混合キシレン、ジェット燃料、ディーゼル油、アスファルトなどである。
■「発災タンク」は、原油貯蔵タンクというだけので、サイズや油量は報じられていない。被災写真を見ると、外部型浮き屋根式タンクで5~10万KLレベルの大型タンクである。タンクには、側板に散水配管が設置されている。このほか、固定泡消火設備または半固定泡消火設備が設けてあるのではないだろうか。
■ 「NASAによる世界の雷マップ」(2012年6月)によると、東南アジアのタイは日本よりはるかに落雷頻度が多い。
所 感
■ 近年、日本でも強い落雷を経験するようになったが、東南アジアのタイでは日本よりはるかに落雷頻度の多い地域である。このため、今回のタンク火災が起こったことに対して、「警察と技術専門家は、製油所の避雷システムと原油タンクの構造を調査し、事故発生時に避雷システムが十分に機能しなかった理由を調査する予定」だといい、強い関心を示している。
ここでいう“製油所の避雷システム”とは何を指すのか分からないが、特別な被雷塔(避雷針)やタンクの接地設備を言っているのだろう。タンクの被雷システムは「中国における石油貯蔵タンクの避雷設備」(2014年1月)がよくまとまっており、日本でもタンクの接地設備の保守などについて再チェックする機会の事例といえよう。
■ 浮き屋根シール火災の消火活動は、固定泡消火設備または半固定泡消火設備で消火させてものだろう。一方、“火災の炎はタンク屋根部で急速に燃え広がり、近隣住民を不安にさせた”とあり、泡消火設備が機能するまでに時間がかかったと思われる。
備 考
本情報はつぎのインターネット情報に基づいてまとめたものである。
・Nationthailand.com, A lightning strike sparked a crude oil tank fire
at a Chonburi refinery, with crews using foam to contain the blaze. No injuries
were reported, May 04, 2026
・Marketwatch.com, Thai Oil Refinery Crude Storage Tank Catches Fire
After Lightning Strike – OPIS, May
05, 2026
・En.moneyandbanking.co.th, TOP explains that a lightning strike hit
an oil storage tank, the fire was quickly brought under control, there were no
injuries, and production was not affected,
May 05, 2026
・Thairath.co.th, ฟ้าผ่าโรงกลั่นที่ชลบุรี ไฟลุกท่วมฝาถังน้ำมัน “ไทยออยล์”
ยันควบคุมสถานการณ์ได้แล้ว, May 04, 2026
・Mgronline.com, ระทึก! ฟ้าผ่าฝาถังน้ำมันดิบโรงกลั่นที่ชลบุรีจนไฟลุกไหม้, May 04, 2026
・Dailynews.co.th, ฟ้าผ่าโรงกลั่น! ไฟลุกท่วมฝาถังน้ำมันไทยออยล์ ศรีราชา เจ้าหน้าที่สยบเพลิงด่วนไร้เจ็บ..., May 04, 2026
・Amarintv.com, ระทึก! ฟ้าผ่าถังเก็บน้ำมันดิบกลางโรงกลั่นชลบุรี ไฟลุกท่วมฝาถัง, May 04, 2026
・Bangkokbiznews.com, ฟ้าผ่าโรงกลั่นน้ำมันชลบุรี ไฟไหม้ถัง Crude Oil คุมสถานการณ์ได้แล้ว, May 04, 2026
後 記: 今回の事例で感じたのは、被災写真のあり方です。ブログを読んだ人で感じた方もあると思いますが、障害物が前に写ったりしていて状況がはっきりしません。各メディアの記事の写真は消防署が撮ったもののようですが、撮影条件(天候や時間など)が悪かった所為もあるでしょう。
このように被災写真がはっきりしないと、現在のようにAI(Artificial Intelligence;人工知能)が発達した世の中でははっきりさせようとする動きが出てきます。今回の事例では、さっそくSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)に下のようなフェーク写真が投稿されています。右側の写真は発災のタンク番号と同じですが、少し大げさな構図なので、フェークということは分かるでしょう。しかし、左の写真になると、監視カメラで落雷の瞬間を撮ったものだと言われれば、フェーク写真ではないと思ってしまいますね。









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