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2018年7月22日日曜日

エジプトで軍事化学工場の貯蔵施設で爆発、負傷者12名

 今回は、2018年7月12日(木)、エジプトの首都カイロにある化学工業用ヘリオポリス・カンパニーという軍事工場の貯蔵施設であった爆発事故の情報を紹介します。
(写真はFiredirect.net から引用)
< 発災施設の概要 >
■ 事故があったのは、エジプト(Egypt)の首都カイロ(Cairo)にある化学工業用ヘリオポリス・カンパニー(Heliopolis Company for Chemical Industries)という軍事工場である。所有者は明らかにされていないが、軍に所属している。

■ 発災があったのは、カイロ国際空港の近くにある化学工場の貯蔵施設である。
        エジプトのカイロ国際空港周辺  写真はGoogleMapから引用
< 事故の状況および影響 >
事故の発生
■ 2018712日(木)、カイロ国際空港の近くにある化学工場で爆発が起こった。この地域全域に爆発音が聞こえた。真っ黒い煙が空に立ち昇った。

■ 発災に伴い、消防署の消防車両と救急車が出動した。消防隊は、爆発後に生じた火災と戦い、消火活動に従事した。火災の制御のために民間防衛車両が出動したという

■ 爆発事故に伴い、12名の負傷者が発生し、病院へ搬送された。しかし、重症度は分かっていない。

■ 軍によると、爆発はヘリオポリス・カンパニーの石油化学の貯蔵施設で高温のため起こったという。
最近、カイロでは、気温が32℃を超えているが、夏のカイロでは珍しいことではない。なお、高温ではなく、“熱の増加”(increase in heat)と表現しているメディアもある。また、爆発したのは、ケミカルタンクと報じているところもある。

■ 民間航空大臣によると、この爆発事故による空港の空の便への影響はないと語った。

被 害
■ 化学工場の貯蔵施設またはケミカルタンクが爆発で損傷した。被災の状況や損害は分かっていない。

■ 事故に伴い、12名の負傷者が出た。近隣地区への避難指示は出ていない。

< 事故の原因 >
■ 事故の原因は不明である。貯蔵施設またはケミカルタンクが高温または熱の増加によって起こったとみられている。

< 対 応 >
■ 火災対応に出動した消防隊員など緊急対応の人員は分かっていない。
(写真はNewsfirst.lkから引用)
(写真は、左:Africanews24-7.co.za、右:Twoeggz.cpmから引用)
補 足
エジプトの位置
(図はKotobank.jpから引用)
■ 「エジプト」は(Egypt)は、正式には「エジプト・アラブ共和国」で、アフリカ北東部に位置し、人口約8,500万人である。北は地中海、東は紅海に面し、南北に流れるナイル川とデルタ地帯のほかは国土の大部分が砂漠である。
 「カイロ」(Cairo) は、エジプトの北部に位置する首都で、人口約675万人の都市である。アフリカ、アラブ世界で最も人口の多い都市である。
 なお、エジプトでは、つぎのような事故がある。

■ 「化学工業用ヘリオポリス・カンパニー」(Heliopolis Company for Chemical Industries)は、カイロ近郊に存在した古代エジプトの都市「ヘリオポリス」から名付けられたエジプトの軍事工場で、軍事生産省の管轄である。1949年にエジプト初の国有兵器生産工場として建設され、現在、戦車、防空弾などの広い範囲の兵器を製造しており、民間製品には、ホルムアルデヒド、ヘキサミン塗料、爆発フューズ、ゴム、プラスチック製品、接着剤などが作られているという。

所 感
■ 今回の事故は、軍事施設の民間の化学工場の貯蔵施設で起こったものと思われる。しかし、詳細はもちろん、発災内容も分からない。「失敗は隠れたがる」というが、軍事工場ということで、内容を隠したがる典型である。軍事機密の名のもとに覆い隠すものではないと思う。


備 考
 本情報はつぎのインターネット情報に基づいてまとめたものである。
  Reuters.com, Chemicals Factory Blast Injures 12 Outside Cairo's Main Airport,  July  13,  2018
  ・Independent.co.uk, Cairo Explosion: 12 injured in Chemical Factory Blast near Airport,   July  13,  2018
    Bbc.com,  Egypt: Twelve Hurt in Huge Blast near Cairo International Airport ,  July  13,  2018
    Washingtonpost.com , Egypt State Media Says Blast near Cairo Airport Injures 12 ,  July  13,  2018
    Nigerianwatch.com , 12 People Injured in Egypt Chemical Factory Blast,  July  13,  2018
    Gulfnews.com , Fuel Tank Blast near Cairo Airport,  July  13,  2018
    Thechemicalengineer.com , 12 Injured in Cairo Chemicals Blast,  July  16,  2018  
    Liveleak.com , Chemical Tank Blast Rocks Cairo Airport - 12 injured,  July  13,  2018
    En.tempo.co , Chemicals Factory Blast Injures 12 Outside Egypt Airport ,  July  13,  2018
    Newsfirst.lk , Explosion Sets off Fire Outside Egypt’s Cairo Airport,  July  13,  2018
    Guardian.ng, Blast at Cairo Chemical Site Injures 12,  July  13,  2018
    Firedirect.net, Egypt – Chemical Depot Blast Injures 12,  July  13,  2018


後 記: 今回の事故は、軍事工場で起こったことに興味をひかれました。しかし、というか案の定、発災状況はわかりませんでした。アフリカのカイロで起こったということで、アフリカはもちろん、欧州、米国、中国、中東のメディアが取り上げていますが、「いつ(When)、どこで(Where)、だれが(Who)、なにを(What)、なぜ(Why)、どのように(How)」という6つの情報ポイントのいずれもわかりません。「いつ」にしても7月12日ということは分かりますが、時間がはっきりしません。軍事事項といえば、世の中が認めてくれると思うのか、「だれが」だって軍事機密のようですね。しかし、エジプトという外国のことだと言えません。日本でも、自衛隊イラク派遣時の日誌を廃棄したと言っていたわけですし、不都合なことは隠したがる傾向(伝統?)は続いているようです。太平洋戦争中、気象情報も軍事機密扱いだったといいます。これでは、失敗は活かされないでしょうね。

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