< 発災施設の概要 >
■ 発災があったのは、佐賀県東松浦郡玄海町にある九州電力の玄海原子力発電所である。
■ 事故があったのは、玄海原子力発電所3号機の2次系設備の脱気器付近の配管である。脱気器は蒸気用水に含まれた酸素や炭酸ガスなどを抜くための機器で、原子炉格納容器の外で屋外にある。
佐賀県玄海町の周辺
(写真はGoogleMapから引用)
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九州電力の玄海原子力発電所付近
(写真はJapantimes.co.jp
から引用)
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<事故の状況および影響 >
事故の発生
(写真はAmeblo.jpから引用)
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■ 九州電力の玄海原子力発電所3号機は、原子力規制委員会の新規制基準の審査に合格して、2018年3月23日(金)、原子炉を起動させた。
2010年12月に定期検査で運転停止して以来7年3か月ぶりに運転が再開され、同日午後11時10分に核分裂反応の臨界に達した。3月25日(日)からウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料を利用するプルサーマル発電による発送電(発電・送電)を開始し、3月30日(金))には発電機出力75%に達した。2018年4月下旬には、原子力規制委員会の最終検査を経て営業運転に移行する予定だった。
■ 2018年3月30日(金)午後7時頃、玄海原子力発電所3号機施設内のパトロール中の作業員が放射性物質を含まない2次系の配管に一部で蒸気漏れを発見した。蒸気漏れは脱気器付近の保温材に覆われた配管で目視によって確認された。
配管は脱気器の空気抜き管で、炭素鋼製の呼び径50A(直径約6cm、厚さ3.9mm)である。
■ 九州電力は、発送電を停止して設備を検査することとした。3月31日(金)午前1時から発電機出力の負荷降下を開始し、午前6時過ぎ、発電機を解列した。なお、原子炉内は、炉内に制御棒を入れずに核分裂が続いており、臨界を維持して「起動中」の状態にしているという。
(図はAsahi.comから引用)
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■ 原子力発電所では、運転中の不具合を深刻度に応じてレベル0~4の5段階に分け、レベル2以上は公表することになっている。九州電力は、当該事象は、点検のため発電停止が必要なレベル3に該当するして公表した。ただし、蒸気漏れの場所が2次系だったことから、「法令上のトラブルにはあたらない」としている。
■ 4月1日(日)、九州電力は、蒸気漏れ箇所の点検を実施し、配管に直径1cmの穴が空いていたことを明らかにした。点検作業は午後2時過ぎから始められ、15人の作業員が配管を覆っていた保温材を取り外しところ、配管に穴があることが確認された。点検作業は2日(月)も続け、詳しい原因を調べていくという。
■ 4月2日(月)、九州電力佐賀支社の立地コミュニケーション部地域対応グループ長は、蒸気漏れの点検状況について報道関係者への説明を行った。保温材を取外した配管は変色し、カバーの外装板も黒くさびていたといい、外装板の継ぎ目から雨水がしみこみ、さびを引き起こしていたと説明した。長期停止で見逃していた。穴が開いた配管は屋外にあるが、運転中なら100℃程度になり、雨水が浸入しても熱で蒸発するため、これまで問題化しなかった。配管の外側から腐食が進行して、長さ13mm×幅6mmの穴が空いていた。脱気器には同種の配管が16本あるが、他の15本には明らかな腐食は確認されなかったという。
2010年12月からの運転停止で、しみこんだ雨水は蒸発することなく、結果的に赤茶色の配管の周りは湿ったままの状態になり、黒く変色した。外装板の下部で腐食が進行しており、複数の巡視でも気づかなかった。配管の点検は目視による確認をしていたが、穴があく兆候を見落としていたという。九州電力は、今回の問題を受け、「巡視の仕方に考えるところはある」と述べ、「(雨水にさらされるような)類似箇所の点検をする」とした。
玄海原子力発電所3号機の概略系統図
(図はKyuden.co.jp
からの引用)
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被 害
■ 脱気器の空気抜き管が腐食で開孔した。当該空気抜き管の配管部は保温材・外装板を含めて取替えが必要になった。このため、原子力発電所の発送電を停止した。(4月中の営業運転はできない見込みとなった)
■ 負傷者は出なかった。
< 事故の原因 >
■ 事故の原因は、保温配管の外装板の隙間より雨水が浸入し、保温材が吸水して湿潤状態となったことにより外面腐食が引き起こされ、それが進展して貫通に至った。
■ 蒸気漏れ箇所の点検・検査
● 脱気器は2系列あり、3B脱気器の第5空気抜き管から微少な蒸気漏れを確認したため、3A脱気器および3B脱気器のすべての空気抜き管(各8本の合計16本)の点検・検査を行った。
● 漏れのあった3B脱気器の第5空気抜き管の保温用外装板下面の一部に著しい錆が確認された。その他の空気抜き管の外装板には、著しい錆は確認されなかった。
● 漏れあった第5空気抜き管の水平部分の一部に、明らかな凹みが確認された。また、上面の凹み部分の1箇所に貫通孔(長さ13mm×幅6mm程度)が確認された。貫通孔近傍の配管は、外面から内面に向い段々に凹んでいた。なお、水平部分以外については、明らかな凹みは確認されなかった。その他の空気抜き管には、明らかな凹みは確認されなかった。
● 漏れあった第5空気抜き管を取外し後、内部にファイバースコープを挿入し、管内面の調査をした結果、水平部分の上面に貫通孔を確認した。なお、外面点検で確認したような明らかな凹みは確認されなかった。
■ 点検・検査結果による処置
● 貫通孔が確認された第5空気抜き管は取替えを行い、合わせて保温材・外装板も取替える。また、その他の空気抜き管15本についても、保温材・外装板を含めて配管の取替えを行うこととした。
蒸気漏れ箇所の配管保温部
(写真はKyuden.co.jp
からの引用)
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脱気器および空気抜き管
(図はKyuden.co.jp からの引用 |
(写真はKyuden.co.jp
からの引用)
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(写真はKyuden.co.jp
からの引用)
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< 対 応 >
■ 3月30日(金)、佐賀県は蒸気漏れの報告を受け、午後10時過ぎ、情報連絡室を設置した。
■ 4月2日(月)、反原発を訴える市民団体は、九州電力玄海原子力発電所3号機の蒸気漏れを受け、佐賀県庁と玄海町役場を訪れ、再稼働同意の撤回を要請した。九州電力に対してトラブルの原因究明と情報開示を働きかけるよう求めている。
■ 4月2日(月)、九州電力の本社(福岡市)は、配管蒸気漏れトラブルで穴が見つかった配管には変色やさびがあり、表面を覆う保温材が雨水を吸ったことで配管の外面が腐食したのが原因と推定されると明らかにした。当該配管のほか、同じ用途の配管15本を交換することを決め、原子力規制庁に報告した。
■ 4月2日(月)、九州電力は、脱気器の配管は1994年の運転開始当初から使用していると説明した。配管の一部は2006年度の定期検査で、配管を覆う外装板や保温材を取外して厚さを検査したが、それ以降は外観を見るにとどめていた。配管交換の修理に原子力規制委員会の認可は必要ないと述べた。玄海原発4号機も同様の箇所を点検する計画だが、4月の燃料装塡、5月の再稼働の予定に変更はないという。
九州電力は、調査状況と今後の対応を原子力規制委員会、佐賀県、玄海町、唐津市、伊万里市、福岡県、長崎県に報告した。
■ 4月3日(火)、九州電力は、原子力規制庁から点検の要請を受け、今回の蒸気漏れが雨水による腐食で屋外に設置された配管に穴が開いたことが原因とされるため、玄海原子力発電所3号機以外でも、同様に屋外に設置され、腐食が想定される設備などを点検することを受け入れた。九州電力は、5月下旬に再稼働を予定している玄海原子力発電所4号機と、2015年に再稼働した川内原子力発電所1号機、2号機(鹿児島県薩摩川内市)の設備についても同様の問題がないか確認するとした。
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4月3日(火)、経済産業大臣は、閣議のあとの記者会見で、「現在発電を停止して機器の点検が行われているが、九州電力には原子力規制委員会の指導のもと、安全第一で対応してもらいたい」と述べた。
■ 4月4日(水)、九州電力が明らかにしたことによると、蒸気漏れを起こした配管について、2007年2月の定期検査をした際、管の厚さなどから耐用年数を47年と評価していたという。
九州電力によると、穴が空いた脱気器空気抜き管は1994年の運転開始から使用している。負担が大きい曲がった部分は第10回定期検査で調べ、配管の厚さを確認して耐用年数に当たる余寿命を評価し、47年と計算したという。
2018年3月の再稼働前には、配管の検査は実施していなかった。定期検査は2010年が13回目で、20回目に管の厚さを点検する予定にしていた。熊本地震の発生を受け、2017年8月から実施している特別点検でも対象外だった。外観を見る巡視点検は、蒸気漏れ発生の3日前にも実施したが、外装板のさびが目立っていたにもかかわらず、異常を見抜けなかった。九州電力によると、余寿命評価は曲がった配管の内側の影響を測るもので、今回は直線部の外側からの腐食で、直接的な関係はないと説明している。
■ 4月5日(木)、佐賀県副知事は、県庁で九州電力の幹部と面談し、県が設置する第三者委員会の専門部会(原子力安全専門部会:部会長・工藤和彦九州大名誉教授、委員7人)に今後の対策などの意見を求める考えを明らかにした上で、この意見を踏まえた対応をするまで3号機の発電を再開しないよう九州電力に要請した。九州電力は「(意見を)しっかり反映して対策と原因究明に万全を期す」と応じた。ため。このため、3号機の営業運転は5月にずれ込む見通しとなった。
4号機の再稼働時期に影響する可能性が出た。副知事は、面談後、報道陣に「(配管の)点検方法などについて専門家の意見を聞いて対策がなされるまでは発電のステップに進んでほしくない」と述べた。
■ 4月6日(金)、九州電力は、取替えを決定した空気抜き管の配管(16本)の交換作業を始めた。初日は穴が空いた配管を含む4本の交換に着手し、残り12本も順次作業を進めるという。九州電力によると、4月1日(日)から5日(木)にかけて穴の開いた配管を含む4本を取り外して、管の内側を確認した。6日(金)午後3時から新品と交換する作業を始めた。脱気器の機能を維持するため、一度に交換できる配管数は4本までだという。
■ 4月6日(金)、九州電力は、蒸気漏れが生じた保温配管部の外装板にさびが生じているのを再稼働した3月23日(金)の朝までに、点検担当者が確認していたことを明らかにした。九州電力は、「外装板のさびを見ただけでは、配管にも腐食が生じていると推測することができなかった」としており、点検のあり方を見直すとともに再発防止策を検討するという。
補 足
■ 「玄海町」(げんかいちょう)は、佐賀県の北西部に位置し、東松浦郡を構成する唯一の自治体で、佐賀県の全市町の中で人口が最も少なく、人口約5,600人の町である。佐賀市から北西へ約50km、福岡市から西へ約60kmの東松浦半島の西側中央に位置し、町域の北側から西側にかけて玄界灘に面している。
平成の大合併により、東松浦郡のほかの町村は2005年~2006年にかけて唐津市と合併した。
玄海町も当初合併協議会に参加していたが、周辺地域との財政格差を懸念し、単独自治を選択した。
現状では玄海原子力発電所立地による多額の税収のため財政状況は比較的よいが、将来の運営については問題が山積する。税収はこれから漸次減少していく上、原発での労働者が約10km離れた生活に便利な唐津市に定住してしまうため、高齢化が進んでいる。
■ 「玄海原子力発電所3号機」は、1994年に稼働した加圧水型軽水炉(PWR)で、定格電気出力は118万kWである。燃料は低濃縮二酸化ウラン・
MOX燃料(プルトニウム・ウラン混合酸化物燃料)で、2009年からプルサーマル運転を行っている。
過去のトラブルはつぎのとおりである。
● 1998年1月、3号機定期検査中、燃料集合体シッピング検査の結果、1体に漏洩を発見
● 2010年12月、3号機の1次冷却水のヨウ素濃度がこれまでの平均値の4倍に上昇。燃料棒に穴が生じ、放射性物質の漏洩が確認される。同年12月11日より第13回定期検査を前倒して実施し、2018年3月まで3号機は検査停止中だった。
原子力発電所の型式
(図はMnf.co.jpからの引用)
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九州電力の玄海原子力発電所 (奥が3号機)
(写真はAsahi.comから引用)
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■ 「脱気器」は、主蒸気・タービン系統に給水する水の中の非凝縮性ガスを除去する機器である。蒸気タービン出口の復水器で除去しきれない水の中の溶存酸素や炭酸ガスあるいは補給水に溶解されている酸素などは、蒸気発生器や配管の腐食の原因となるため、取り除かれる。給水の脱気法には、ヒドラジンなどの薬品を添加する化学的脱気法と脱気器により非凝縮性ガスを除去する機械的脱気法があり、高温・高圧プラントでは両者が併用される。脱気器は、通常、給水を加熱しながら非凝縮性ガスを除去し、脱気された給水は主蒸気・タービン系統へ供給し、非凝縮性ガスは器外へ連続的に排出する。
玄海原子力発電所3号機の脱気器および空気抜き管の主要仕様は下表のとおりである。
玄海原発3号機の脱気器および空気抜き管の主要仕様
(表はKyuden.co.jp
からの引用)
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■ 「脱気器空気抜き管の腐食要因」は、流体による内部腐食と保温内に浸入した雨水による外部腐食の大きくふたつに分かれる。1994年の運転開始から12年経過した2006年に定期検査が行われている。これは、16本あった空気抜き管から抜き取りで肉厚測定が行われたものと思われる。このとき、余寿命は47年と判断されたという。詳細な分析データは分からないので、簡易に計算してみる。呼び径50Aの配管のオリジナル厚さを3.9mm、必要肉厚を1.5mmと仮定すると、2006年の定期検査時における配管の肉厚は約3.4mm、腐食速度は約0.04mm/年で、余寿命は47年となる。内部の腐食環境はマイルドだといえよう。しかし、この余寿命は内部腐食の要因による推定で、外部腐食の要因は除外している。
一方、外部腐食はいつから雨水が浸入して始まったか分からない。仮に1994年の運転開始時から始まったとすれば、2018年までの24年間で開孔する腐食速度は約0.16mm/年となる。運転停止した2010年からの8年間とすれば、0.49mm/年となる。外面腐食の腐食速度としては常識的な範囲で、いずれのケースもありうるだろう。
玄海原発3号機の脱気器および空気抜き管
(図はKyuden.co.jp
からの引用)
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所 感
■ 今回の事象は、石油工業分野では典型的な外面腐食としてよく知られた事例である。
例えば、失敗知識データベースには、つぎのような失敗事例が登録されている。
● 1990年10月、「桟橋受入れ配管の保温下の腐食部から原油の海上への漏洩」
● 1996年2月、「海岸線近くの配管の外面腐食による原油の漏洩」
このような中で、2011年の「危険物事故防止対策論文」(平成23年度)では、つぎの論文が「消防庁長官賞」を得ている。
● 「保温配管からの危険物流出事故の低減に向けて」(川崎市消防局)
これは、危険物流出事故のうち腐食劣化によるもの多く、特に保温配管で外観点検が困難な
ものから発生しており、危険物施設立入り検査を通じて得た保温配管の点検方法や点検周期に
関する知見を紹介した論文である。
また、2012年には、つぎのようなガイドラインが提示されている。
● 「保温材下配管外面腐食(CUI)に関する維持管理ガイドライン」(エンジニアリング協会)
これは、経済産業省の石油精製業保安対策事業「被覆配管等の運転中検査技術に関する調査
研究」においてまとめられたものである。
一方、これは石油工業分野だけでなく、火力発電所分野でも課題化されており、2013年には、つぎのような技術レポートの報告がある。
● 「屋外配管の外面腐食診断法について 」(中部電力株式会社)
■ 蒸気漏れ箇所の配管保温部の写真を見ると、さび汁が出ており、外面腐食への感度・感性が低いと思わざるをえない。
運転部門と設備保全部門において外面腐食に関する基本認識が欠如しているように感じる。本来は、設備管理の一環として外面腐食に関する検査計画を策定し、実施しているべきである。さらに連続運転でなく、長期停止の状態であれば、運転開始前に外面腐食に関する対策(目視点検および保温剥離のスクリーニングによる検査)を講じる必要があったといえよう。このような基本認識がないために、場当たり的な「わずかな蒸気漏れがあったので、修理する」という対応に疑問や不信感が出たものである。
備 考
本情報はつぎのインターネット情報に基づいてまとめたものである。
・Mainichi.jp, 佐賀・玄海原発3号機、7年ぶり再稼働, March
23, 201
・Mainichi.jp, 玄海原発再稼働の3号機が「臨界」に達する, March
24, 2018
・Kyuden.co.jp,
プレスリリース(2018年版)、玄海原子力発電所3号機について2次系の空気抜き管からの微少な蒸気漏れを確認しました-念のため発電を停止し、点検を実施します-
, March
30, 2018 ・Mainichi.jp, 玄海原発3号機の発送電停止 再稼働1週間で, March
31, 2018
・Kyuden.co.jp, プレスリリース(2018年版)、玄海原子力発電所3号機脱気器空気抜き管からの微少な蒸気漏れ点検状況について, April
02, 2018
・Asahi.com, 蒸気漏れの玄海原発、出力ゼロで点検へ 再稼働に影響も, April
01, 2018
・Nikkei.com, 再稼働の玄海原発3号機で蒸気漏れ 九電、発電停止し点検へ, March
30, 2018
・Saga-s.co.jp, 玄海3号機蒸気漏れ 配管に直径1センチの穴点検で確認, April
02, 2018
・Saga-s.co.jp, 玄海蒸気漏れ、雨水で配管腐食か 九電が規制庁に報告,
April 02, 2018
・Saga-s.co.jp,
<玄海蒸気漏れ>再稼働同意撤回を要請 市民団体 県と町に, April
03, 2018
・Saga-s.co.jp, 玄海3号機蒸気漏れ 長期停止の落とし穴九電、巡視で見逃し「残念」, April
03, 2018
・Saga-s.co.jp, 九電、玄海3号機以外でも点検へ蒸気漏れトラブル受け, April
03, 2018
・Saga-s.co.jp, 玄海蒸気漏れ 雨水で配管腐食3号機、外装板の隙間から浸入, April
03, 2018
・Www3.nhk.or.jp, “穴あく兆候見落とし”
玄海原発蒸気漏れ ほかの原発も調査へ, April 03,
2018
・Asahi.com, 「寿命47年」の配管、11年後に穴 玄海原発, April
03, 2018
・Saga-s.co.jp, 玄海蒸気漏れ配管「寿命47年」、11年前評価
九電、点検方法に課題, April 05,
2018
・Af.reuters.com , Japan's Kyushu ElectricHalts
Output from Recently Restarted Reactor after Steam Leak, April
02, 2018
・Japantimes.co.jp,
Hole Found in Steam System Vent Pipe in Reactivated Genkai
No. 3 Reactor, April 02,
2018
・kyuden.co.jp, Regarding Investigation Status of Minute
Steam Leak from an Air-bleeder Pipe of Deaerator
of Genkai Nuclear Power Station Unit
No.3, April 02,
2018
・Mainichi.jp, 佐賀県 玄海原発3号機営業運転5月に 蒸気漏れで要請へ, April
06, 2018
・Saga-s.co.jp, 穴開き管カバーにさび、玄海原発
再稼働前に確認、3号機蒸気漏れ, April 06,
2018
・Saga-s.co.jp, <玄海原発>3号機、営業運転5月以降に配管の交換作業開始, April
07, 2018
後 記: タンク設備ではありませんでしたが、新聞やテレビで報道されましたし、配管に1cmの穴という記事に、腐食開孔の常識からは随分大きな穴だという関心をもったことから、当ブログで扱うこととしました。
今回の事例の情報を調べていて、原子力発電分野では、随分、一般的常識と違うなと感じました。事業者は「法令上のトラブルにはあたらない」として「事象」という言葉を使っています。一般の会社であれば、操業停止に関わる事象は「事故」ですよね。この会社では再発防止に役立てるための「事故記録」は書かないのかなと思いながらまとめました。
また、今回の蒸気漏れで発電機の発送電は停止されたようですが、正しくは発電機が送電系統と「解列」されただけです。原子炉は、炉内に制御棒は入れずに核分裂が続いており、臨界を維持して「起動中」の状態にしているといいます。原子炉で発生する熱はどこで消費されているのでしょう。脱気器空気抜き管の取替工事は、脱気器の機能を維持するため、一度に交換できる配管数は4本までだと報じられています。ということは、脱気器は片肺運転されているのでしょう。状況はわかりませんが、玄海原子力発電所3号機は、運転員が慣れていない、事故の起こることの多い「非定常運転」を継続しているようです。このような状態を長く続けてもよいものでしょうか。
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