2019年4月25日木曜日

米国ルイジアナ州で天然ガス施設の炭化水素用タンクが爆発・火災

 今回は、2019年2月25日(月)、米国ルイジアナ州イースト・バトンルージュ郡のセントラルにある油田探査・生産会社ホワイト・マーリン・ミッドストリーム社の天然ガス施設で炭化水素用タンクが爆発して火災になった事例を紹介します。
(写真はKatc.comから引用)
< 発災施設の概要 >
■ 事故があったのは、米国ルイジアナ州(Louisiana)イースト・バトンルージュ郡(East Baton Rouge Parish)のセントラル(Central)にある油田探査・生産会社のホワイト・マーリン・ミッドストリーム社(White Marlin Midstream)の天然ガス施設である。

■ 発災があったのは、セントラルのローム・ドライブ8400番地にある天然ガス施設の炭化水素用のタンクである。タンク内には、塩水と炭化水素の混合液が入っていた。
            イースト・バトンルージュ郡のセントラル付近 (矢印部が発災場所)
(写真はGoogleMapから引用)
                ホワイト・マーリン・ミッドストリーム社の天然ガス施設 (矢印部が発災タンク)
(写真はGoogleMapから引用)
< 事故の状況および影響 >
事故の発生
■ 2019年2月25日(月)午前10時頃、炭化水素用のタンクが爆発して、火災になった。

■ 火災発生に伴い、セントラル消防署の消防隊が出動した。


■ 事故に伴うけが人は無かった。また、火災によるタンク以外の影響はなかった。

被 害
■ 火災に伴い、タンク1基が一部焼損し、内部の油が焼失した。

■ 事故に伴う負傷者は出なかった。 

< 事故の原因 >
■ 火災の原因は爆発によるものであるが、爆発の原因は分かっていない。

< 対 応 >
■ 消防活動中、近くの住民は発災地区から離れているように言われた。

■ 2時間の消防活動の結果、タンク火災は消火された。
(写真はWbrz.comから引用)
(写真はWbrz.comから引用)
(写真はBrproud.comから引用)
(写真はWbrz.comから引用)
補 足
■ 「ルイジアナ州」(Louisiana)は、米国南部に位置し、メキシコ湾に面しており、人口約453万人の州である。州都はバトンルージュで、最大の都市はニューオリンズである。
 「イースト・バトンルージュ郡」(East Baton Rouge Parish)は、ルイジアナ州の中央部に位置する郡であり、人口約44万人の郡である。郡庁は州都でもあるバトンルージュである。
 「セントラル」(Central)は、イースト・バトンルージュ郡の東部にあり、人口約28,000人の町である。
                  ルイジアナ州イースト・バトンルージュ郡の位置  (写真はGoogleMapから引用)
 なお、ルイジアナ州では、つぎのような事故や対応事例がある。

■ 「ホワイト・マーリン・ミッドストリーム社」(White Marlin Midstream LLC)は、 2018年8月、イースト・バトンルージュ郡セントラルにある天然ガスプラントとパイプライン・システムを購入するために設立された会社である。
 親会社であるホワイト・マーリン・オイル&ガス社(White Marlin Oil and Gas Company LLC)は、石油・天然ガスの探査と生産に携わり、主にルイジアナ州とテキサス州での陸上・海上エネルギー事業に焦点を当てている。以前はサブコ・オイル&ガス社と呼ばれていたが、2014年2月にホワイト・マーリン・オイル&ガス社に変更したあと、2018年6月、ペトロ・ハーベスター・オイル&ガス社(Petro Harvester Oil&Gas、LLC)に買収された。その後、2018年8月、ペトロ・ハーベスター・オイル&ガス社、アローロック社、ホワイト・マーリン・オイル&ガス社の3社は石油探査・生産会社をロッカール・エナージー社(Rockall Energy)として統合し、運営している。
 今回事故のあったセントラルにある天然ガスプラントとパイプライン・システムは、アローヘッド・ルイジアナ・パイプライン社(Arrowhead Louisiana Pipeline LLC)とハーベスト・シッドストリーム(Harvest Midstream LP)から1,000ドルで購入したことになっている。

■ 「発災タンク」の大きさなどの情報は報じられていない。発災場所をグーグルマップで調べてみると、火災のあったタンクの直径は約4.0mである。高さを6.0mとすれば、容量は75㎥となる。天然ガス用の油井施設の塩水タンクはグラスファイバー製を使うことが多いが、発災写真を見ると、火災でも自立し、タンク屋根がめくれているので、鋼製だとみられる。
事故前の天然ガス用タンク施設 (矢印が発災タンク)
(写真はGoogleMapから引用
所 感
■  2018年8月、「米国ルイジアナ州の油井用タンク施設で落雷による火災」が起こったとき、ルイジアナ州は、「NASAによる世界の雷マップ」によれば、テキサス州と並び、雷の多い地域であり、米国の原油・天然ガスの油井施設が好調の背景から、メキシコ湾岸でのタンク火災の頻度の高まる可能性があるのではないかと述べた。今回のタンク火災は落雷ではない要因だった。原因が分からないが、タンク内の塩水と炭化水素の混合液が関係する静電気によるものではないだろうか。

 消防活動の詳細は言及されていないが、消火活動が2時間で制御下に入っているので、比較的順調にいったものと思われる。ルイジアナ州では、「米国バトンルージュの貯蔵タンク複数火災における消火活動(1989年)」を経験し、 「米国ルイジアナ州における消防活動の相互応援の歩み」をみるように、消防活動や消防組織に積極的な風土があるように思う。

備 考
 本情報はつぎのインターネット情報に基づいてまとめたものである。
  ・Kwafb.com, Explosion in Hydrocarbon Tank Causes Fire in Central,  February  25,  2019
    ・Wbrz.com,  Tank Catches Fire at Central Plant,  February  25,  2019
    ・Wbrz.com, Emergency Crews Respond to Explosion at Central Plant Monday Morning,  February  25,  2019
    ・Businessreport.com, Gas Plant and Pipeline System near Central Sold,August 23, 2018


後 記: 今回の事故は2月にあり、情報の紹介が遅くなりました。今年2月は事故が多く、またこの事故に関する報道記事が少なく、すっかり忘れていました。ところで、今回の発災事業所を調べていて分かったのは、原油・天然ガスの探査・生産会社は複雑だということです。リスク回避のために会社を重層化しているのでしょうが、原油・天然ガス探査・生産会社自体が小規模になっており、実態がよく見えません。事故のあったセントラルにある天然ガスプラントとパイプライン・システムを1,000ドル(11万円)で購入したことになっていますが、なにか裏がありそうですね。
 好調を保っている米国の原油・天然ガス生産ですが、一方、イラン産原油禁輸の日本への影響は、石油価格が上昇し、供給量が3%減だそうです。供給が5%低下すれば、ガソリンの買い付け騒ぎになるといわれています。事故情報から横道にそれますが、すっきりしないGWですね。


1 件のコメント:

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