2025年7月13日日曜日

ローマのガソリンスタンドで壊滅的な爆発・火災、死傷者45名

  今回は、202574日(金)、イタリアのローマにあるガソリンスタンドでLPガスが漏れ、LPガス用タンクローリーが爆発してガソリンスタンドが壊滅的な被害となり、死傷者45名を出した事故を紹介します。

< 発災施設の概要 >

■ 事故があったのは、イタリア(Italy)ローマ(Rome)東プレネスティーノ地区(Prenestino)にあるエニ社(Eni)のガソリンスタンドで、LPガス(液化石油ガス:LPG)も取扱っているガソリンスタンドだった。 

■ 発災があったのは、ガソリンスタンドにあるLPガス用の燃料タンクやタンクローリーの設備である。

< 事故の状況および影響 >

事故の発生

■ 202574日(金)午前8時過ぎ、ガソリンスタンドで大規模な爆発が起こった。爆発は2回あり、2度目の爆発が大規模で、大量のLPガスを積載していたタンクローリーの破裂が原因だった。

■ 大きな炎と煙が空高く舞い上がり、爆発音は首都のローマ全域に響き渡った。近隣では、建物数棟が損傷し、多くの建物の窓ガラスが割れて飛び散るなどして住民にも被害が及んだ。鋼材の破片などが遠くへ吹き飛び、中には数百メートル先まで飛んだ石膏の破片もあった。

■ 住民のひとりは、「燃えるキノコ雲が上空に現れ、あたり一面が揺れた。破片らしいものが空中を飛び回っていた」と語った。また、別な住民は、「家を出ようとした時に爆発音が聞こえました。とても大きな音がして、家全体が揺れました。あまりの強さにびっくりしました」と語った。

■ 74日(金)早朝に、トラックが公共施設の配管に衝突したという通報を受け、消防隊や警察官が呼び出され、爆発発生時に現場にいた。到着後、2度の爆発が発生した。

■ 警察のパトロール隊は、当該地域の交通整理を行い、カジリーナ通りからチェッコ・ドゥランテ通りまでのゴルディアニ通りの通行止めが行われた。

■ 最初、小さな爆発があり、その後間もなく、火災が発生し、つぎに2度目のより大きな爆発が一帯を揺るがした。爆発後の火災によってガソリンスタンドは広範囲に延焼し、隣接する建物にも被害が及んだ。

■ 最初の爆発の直後に、隣接するスポーツセンターを含む近くの建物にいる人たちが警察などの緊急対応チームによって避難していた。このため、もっと深刻な悲劇を回避できた。

■ 住民のひとりである主婦は、最初の爆発音を聞いたとき、彼女と娘は軽傷を負ったが、次の爆発が襲う前に家を出たといい、「2度目の爆発音が聞こえた途端、私たちも火の玉に襲われました。近くの車が爆発したのかと思いました。金属片が空中に飛び散っていました。皮膚に熱さを感じました。娘の腕はまだ赤く、本当にひどい状態でした」と語っている。

■ 大きな爆発後、消防署は15の消防隊を出動させ、火災の鎮火に努めた。

■ 事故の発端は、LPガスタンクからタンクローリーへLPガスを補給作業中にLPガスが漏れたことである。

ガソリンスタンドの敷地内にLPガスが浸入し、発火して最初の爆発と火災が起きた。この爆発では、ガソリンスタンドの敷地外にも小規模な火災を引き起こした。現場では、警察官や消防隊員が活動しており、その間にもガス漏れは続き、その結果、大量のLPガスを積んでいたタンクローリーが倒壊し、さらにより大きな2回目の爆発を引き起こしたとみられる。この爆発は燃料補給中の技術的な不具合が原因であったという。

 一方、タンクローリーが事故を起こしたという情報もある。プレネスティーノ地区でタンクローリーが走行中に配管に衝突し、午前8時頃にガス漏れと小さな初期爆発が発生したという。このとき、すでに警察や消防隊が現場に到着していた。

■ 事故にともない、出動していた警察官や消防士を含む45名が負傷した。負傷者45名のうち、民間人24名、警察官11名、カラビニエリ(イタリアの国家憲兵隊)1名、消防士6名、作業員3名だった。爆発直前にタンクの検査に当たっていた工場長が、事故から5日後、繊細な手術を受けたにもかかわらず、病院で亡くなった。

■ 地元住民の避難者は合計約50名だった。

■ 現場近くにあるテアノ地下鉄駅は閉鎖された。

■ ユーチューブなどでは、事故の状況が投稿されている。

 YoutubeMaxi esplosione e incendio in un distributore di carburanti a Roma2025/07/04

    ●InstagramRoma, il momento esatto dell’esplosione al benzinaio: i vigili del fuoco erano già sul posto 2025/07/04

    ●YoutubeLe impressionanti immagini dell'esplosione in un distributore di benzina a Roma, il nuovo video2025/07/04

被 害

■ ガソリンスタンドの地上設備が全壊した。タンク内部の油やLPガスが焼失した。 

■ 45名の死傷者が出た。内訳は死者1名、負傷者44名である。

■ 住民約50名が避難した。

■ 隣接していた建物が被災した。

■ 近くの道路が交通遮断され、地下鉄の駅が閉鎖された。 

< 事故の原因 >

■ 火災の原因ははっきりしていない。

 事故の発端は、LPガスタンクからタンクローリーへLPガスを補給作業中にLPガスが漏れたことである。

ガソリンスタンドの敷地内にLPガスが浸入し、発火して最初の爆発と火災が起きた。現場では、警察官や消防隊員が活動しており、その間にもガス漏れは続き、その結果、大量のLPガスを積んでいたタンクローリーが倒壊し、さらにより大きな2回目の爆発を引き起こしたとみられる。この爆発は燃料補給中の技術的な不具合が原因であったという。

 一方、タンクローリーが事故を起こしたという情報もある。プレネスティーノ地区でタンクローリーが走行中に配管に衝突し、午前8時頃にガス漏れと小さな初期爆発が発生したという。このとき、すでに警察や消防隊が現場に到着していた。

< 対 応 >

■ 火災は、3時間後の午前11時過ぎにほぼ消し止められたが、ガソリンスタンドは全焼した。捜査当局が爆発の原因を調べている。

■ 爆発で破壊された近くのスポーツセンターの責任者によると、最初の火災は午前730分頃に発生したといい、「午前8時半かそれ以降に起こっていたら、もっと大惨事になっていただろう」といい、同氏によると、「サマーキャンプのために約60名の子供たちが集まる予定で、その日の朝には約120名がプールの利用を予約していた」と語っている。

補 足

■「イタリア」(Italy)は、正式にはイタリア共和国(イタリアきょうわこく)で、ヨーロッパ南部に位置する人口約5,930万人の共和制国家である。

「ローマ」(Rome)は、イタリア中部に位置し、人口約275万人の都市である。

「プレネスティーノ地区」(Prenestino)は、プレネスティーノ=ラビカーノでローマの第 7 地区であり、 人口約68,000人の町である。

■「エニ社」(Eni)は、1953年、エンテ・ナツィオナーレ・イドロカルブリ(Ente Nazionale Idrocarburi)として設立された公的機関で国のエネルギー政策の再構築を任務としたが、1995年、株式公開企業となり、現在、主に石油、天然ガス、石油化学製品を扱うイタリアのエネルギー会社である。

 東プレネスティーノ地区のガソリンスタンドの詳細はわからないが、LPガスを取扱うガソリンスタンドである。

所 感

■ ガソリンスタンドの壊滅的な爆発・火災だが、事故経緯ははっきりしない。

 事故の発端は、LPガスタンクからタンクローリーへLPガスを補給作業中にLPガスが漏れたことである。ガソリンスタンドの敷地内にLPガスが浸入し、発火して最初の爆発と火災が起きた。現場では、警察官や消防隊員が活動しており、その間にもガス漏れは続き、その結果、大量のLPガスを積んでいたタンクローリーが倒壊し、さらにより大きな2回目の爆発を引き起こしたという。

 一方、タンクローリーが事故を起こしたという情報もある。プレネスティーノ地区でタンクローリーが走行中に配管に衝突し、午前8時頃にガス漏れと小さな初期爆発が発生したという。

■ 燃料補給中の技術的な不具合が事故の要因であったというが、この技術的な不具合の内容はわからない。制御システムのミスという話もあるが、事故に至る経過がはっきりしない。いずれにしても事故は人が関わる人的要因である。  

■ 火災は、3時間後の午前11時過ぎに消し止められたが、消火活動の詳細は報じられていない。被災現場の写真を見れば、一連の爆発から続いた火災はすでに手の施しようのない状態だっただろう。特に変わったガソリンスタンドではないようだが、45名の死傷者を出す事故が起こり得るということを認識させる事故である。これまでのガソリンスタンドの壊滅的な事故は、つぎのような事例を紹介した。

 ●「米国アイダホ州のガソリンスタンドで壊滅的な爆発・火災、死傷者4名」202410月)

 ●「ロシア連邦チェチェン共和国のガソリンスタンドで壊滅的な爆発、死傷者9名」202410月)

 ●「米国オハイオ州の地下貯蔵タンクが落雷で爆発、地表にクレーター」20158月)


備 考

 本情報はつぎのインターネット情報に基づいてまとめたものである。

   Jp.reuters.com,  ローマ東部でガソリンスタンド爆発、警察官・消防士ら45人負傷,  July  05,  2025 

   News.yahoo.co.jp,  ローマのガソリンスタンドで大規模爆発 45人ケガ,  July  05,  2025  

   Sankei.com,  ローマのガソリンスタンドで大爆発、30人以上けが LPガス搬入作業中にガス漏れか,  July  04,  2025

   Newsdig.tbs.co.jp, ローマのガソリンスタンドで爆発 35人負傷 “ガス漏れで警察官ら活動中に,  July  04,  2025

   News.sky.com, 29 injured in Rome petrol station explosion and fire,  July  04,  2025

   Bbc.com,  Explosion injures 45 people at petrol station in Rome,  July  04,  2025

   Nytimes.com, Explosion at Gas Station Booms Across Rome,  July  04,  2025

   Apnews.com, Rome gas station blast that left at least 40 injured could have been worse, says mayor,  July  05,  2025

   Euronews.com, Rome petrol station explosion injures 25, damages buildings and vehicles,  July  04,  2025

   En.ilsole24ore.com, Gas tank explodes in Rome: 45 injured in hospital, two are serious,  July  04,  2025

   Rainews.it,  Esplode pompa di benzina a Roma: 50 feriti, due in pericolo di vita. Ora preoccupa l'aria,  July  05,  2025

   Tg24.sky.it, Esplosione a Roma, incendio in distributore benzina: diversi feriti, alcuni gravi,  July  04,  2025

   Ansa.it/sito, Emorto uno dei due feriti per la violenta esplosione a Roma,  July  09,  2025

   Ilpost.it, Un distributore di benzina è esploso a Roma, 45 persone sono state ferite,  July  04,  2025           


後 記: ローマの真ん中でガソリンスタンドが壊滅的な事故を起こすなんて信じられないという事例です。日本語圏や英語圏のメディアでも取り上げられた事故です。ところが、事故の経過内容をみると、メディアによって事故の内容が異なっています。どうもイタリアのメディア情報が系列のメディアに流れ、事故の内容に差が出てるようです。発言は個人の自由ですが、メディア情報をいくら調べても、事故の内容が深まりません。A案、B案、C案と列記する方法もあるのでしょうが、それでは読み手が混乱を起こし、さっぱり分からないということになってしまいますので、もっとも妥当と思う内容に絞りました。事故内容もそうですが、負傷者数にしてもいろいろなデータが出ていますので、内訳を記載した記事にしました。

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