2024年3月22日金曜日

米国オクラホマ州の石油生産施設で相次いで落雷よるタンク火災

 今回は、202367月にかけて米国オクラホマ州オクラホマ・シティ周辺の石油生産施設で落雷によってタンク爆発・火災が3件続けて起こった事例を紹介します。


< 発災施設1の概要 >


■ 発災があったのは、米国オクラホマ州(Oklahoma )オクラホマ・シティ(Oklahoma City)に近いユニオン市タトル(Tuttle)にある石油生産施設である。

■ 事故があったのは、ハイウェイ37号線の近くにある石油生産施設のある4基の円筒型タンクである。

<事故の状況および影響>

事故の発生

■ 2023622日(木)夕方、石油生産施設に落雷によってタンクが爆発し、火災が発生した。      

■ タトルの住民は、激しい炎が立ち昇り、煙が空気中に充満しているのに気が付いた。

■ 発災に伴い、ユニオン市消防署の消防隊が出動した。

■ ユニオン市消防署は、火災の状況を撮ったビデオ映像をフェイスブックに投稿した。映像には4基のタンクが火災になっているのが写っている。

 YoutubeLightning strike sparks tank battery fire in Union City, Oklahoma2023/6/24

被 害

■ 石油生産施設のタンク4基が損壊した。内部の原油が焼失した。

■ 負傷者はいなかった。 

< 事故の原因 >

■ 火災の原因は落雷とみられる。

< 対 応 >

■ 火災は石油生産施設のある4基のすべてのタンクに延焼した。

■ 事故に伴う負傷者は出なかった。

< 発災施設2の概要 >

■ 発災があったのは、米国オクラホマ州(Oklahoma )オクラホマ・シティ(Oklahoma City)の近郊にある石油生産施設である。

■ 事故があったのは、ノースウェスト220番通り(Northwest 220th Street) とカウンシルロード(Council Road)近くの石油生産施設の石油タンクである。

<事故の状況および影響>

事故の発生

■ 202376日(木)早朝、石油生産施設にある石油タンクが爆発し、火災となった。

■ 発災に伴い、ディアクリーク消防署の消防隊が出動した。

■ 事故に伴い、近くの道路は交通制限で封鎖された。

■ 事故に伴う負傷者は出なかった。

■ 火災は落雷によるものとみられる。

■ ユーチューブなどでは、火災に関する動画が投稿されている。

 YoutubeLightning sparks tank battery fire in Oklahoma City metro2023/07/06

 YoutubeTank battle explosion in Oklahoma City metro2023/07/06

被 害

■ 石油生産施設のタンク3基が損壊した。内部の原油が焼失した。

■ 負傷者はいなかった。 

< 事故の原因 >

■ 火災の原因は落雷とみられる。

< 対 応 >

■ 消防隊は、火災を制圧し、火は消された。

■ 交通制限は解除された。


< 発災施設3の概要 >

■ 発災があったのは、米国オクラホマ州(Oklahoma)オクラホマ・シティ(Oklahoma City)に近いユーコン(Yukon)にある石油生産施設である。

■ 事故があったのは、ノースウェスト34区(NW 34th Terr.)の住宅地域にあった石油生産施設の石油タンクである。現在は住宅地域になっているが、もともと石油生産施設だけがあったところに住宅が進出してきたところである。

<事故の状況および影響>

事故の発生

■ 202366日(火)夜、石油生産施設で落雷があり、タンクが爆発し、火災になった。

■ 近隣住民によると、音が大きくて最初は何が起こっているのか分からなかったという。住民のひとりは、裏庭のフェンスのすぐ後ろで火の手が上がり、外に出たときに炎が4050フィート(1215m)の高さで空に向かって燃え上がっているのを見たと語った。

■ タンク1基が爆発して空中に舞い上がり、元の場所から約100フィート(30m)離れたところに落下した。

■ 住民のひとりは、「ダイニングルームの窓から外を見ると、大きな火の玉が見え、私たちを見つめているようでした。それで、すぐに家から離れることを決めました」と語っている。

■ 発災に伴い、オクラホマ・シティ消防署の消防隊が出動した。

■ ユーチューブでは、事故後の状況の動画が投稿されている。

 Youtube Fire Crews Respond To Tank Battery Fire In NW Oklahoma City2023/06/07

被 害

■ 石油生産施設のタンク2基が損壊した。内部の原油が焼失した。

■ 負傷者はいなかった。

■ タンクとその周辺地域での推定被害額は約2万ドル(300万円)とみられる。  

< 事故の原因 >

■ 火災の原因は落雷とみられる。

< 対 応 >

■ 消防隊が現場に到着したとき、雨によって大部分の火災は消えていた。

油の大半は排水ますの中に流れ込み、燃え尽きていた。火災は石油生産施設まわりに生えていた草木が燃えている程度だった。

■ 現場では、24時間経っても空気中にまだ焦げた匂いが漂っているため、作業員が後片付けをしていた。

■ オクラホマ・シティ消防局は、タンクとその周辺地域での推定被害額は約2万ドル(300万円)だと発表した。


所 感

■ 最新データではないが、NASAによる世界の雷マップ」20126月)の米国における雷発生頻度はメキシコ湾岸のフロリダ州が雷活動の高い地域である。オクラホマ州も雷の多い地域のひとつである。しかし、今回のように202267月の1か月の間に、オクラホマ・シティ周辺の石油生産施設で落雷によるタンク火災が3件も起きており、異例の状況だといえよう。これも異常気象の現われの例であろう。

 最近の雷は、発生時期のズレや発生雷の激しさを感じる。もともと、米国の陸上油田の石油生産施設におけるタンクは落雷のリスクにさらされているが、落雷によるタンク爆発・火災の頻度は増えていくだろう。


備 考

 本情報はつぎのインターネット情報に基づいてまとめたものである。

     Kfor.com,  Lightning strike likely to blame for tank battery fire,  June  23,  2023

     News.yahoo.com,  Lightning Strike Causes Tank Battery Fire in Oklahoma,  June  23,  2023

     Localnewsx.com,  Tank Battery Fire Caused by a Lightning Strike, Per the Union City Oklahoma Fire Department,  June  23,  2023

     Koco.com,  Lightning sparks tank battery fire in Oklahoma City metro,  July  06,  2023

     News.yahoo.com,  Lightning sparks tank battery fire in Oklahoma City metro,  July  06, 2023

     Kfor.com, Tank battery fire in NW OKC leaves burnt smell in the air 24 hours later,  June  07,  2023

     Okcfox.com,  Lightning strikes tank battery in northwest Oklahoma City,  June  07,  2023


後 記: 初めは622日の落雷によるタンク爆発・火災の情報を得ようとインターネットで検索していったら、別なタンク爆発・火災の事例があることがわかりました。いずれもオクラホマ州の事例で、しかもオクラホマ・シティの周辺であり、情報がこんがらかりました。しかし、622日の事故情報は市の消防署がSNSで動画投稿したものです。日本では、タンクの事故を消防署などがSNSで動画投稿するなどは考えられません。メディアが縮小傾向にある中、情報の伝達の場として考える時期ではないでしょうか。 

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