2013年8月25日日曜日

東京電力福島原発の汚染水貯留用組立式円筒タンクから漏れ

 今回は、2013年8月19日、東京電力福島第1原子力発電所において放射能汚染水を貯留する組立式円筒型タンク(容量1,000㎥、直径12m×高さ11m)から高濃度汚染水が漏洩していることがわかった事例を紹介します。2013年4月5日、東京電力福島第1原子力発電所の放射能汚染水を貯めている地下貯水槽からの漏れが発覚されて以降、懸念されていた組立式円筒型タンクからの汚染水漏れが顕在化しました。
       (写真は原子力規制委員会へ提出した東京電力の資料から引用)
本情報はつぎのような情報基づいてまとめたものである。
  ・Tepco.co.jp,  東京電力プレスリリース;福島第一原子力発電所構内H4エリアのタンクにおける
水漏れについて, August 19~24,  2013
      ・朝日新聞, 原発汚染水漏れ関連記事, August 20~25,  2013
      ・Headline.yahoo.co.jp(時事通信), 福島第1、同型タンク350基=汚染水漏れ、事故後5回―接合部弱い構造・東電, August 20,  2013
  ・Nikkei.com,  汚染水漏れ、原因究明難航 規制委が福島原発視察, August 23,  2013
  ・Nsr.go.jp, 原子力規制委員会の特定原子力施設監視・評価検討会汚染水対策検討ワーキンググループの議事録等, August 19~22,  201
  ・Minpo.jp, タンク300基交換検討 第一原発の汚染水漏れ 東電が耐久性高いタイプに, August 25,  2013

 <事故の状況> 
■  2013年8月19日(月)9時50分頃、福島県双葉郡大熊町・双葉町にある東京電力福島第1原子力発電所において放射能汚染水を貯留する組立式円筒型タンク(容量1,000㎥、直径12m×高さ11m)から高濃度汚染水が漏洩していることがわかった。東京電力によると、パトロール中の同社社員が、発電所構内H4エリアのタンク堰のドレン弁から水が出ていることを発見して、タンクから漏洩していることがわかった。タンク堰のドレン弁は閉操作が実施された。

■ このときの現場状況の確認では、堰内に1~2cm程度の水溜まりがあり、堰のドレン弁の外側に約3m×約3mのエリアに約1cm、約0.5m×約6mのエリアに約1cm」の水溜まり2箇所が確認された。東京電力は、当時点で汚染した水の発生源は特定できていないものの、汚染水を貯留しているタンク周辺の堰内に溜まっていた水がドレン弁を通じて堰外へ漏洩したこと、タンクに貯留した水がタンクから漏洩したことが否定できないこと、および堰外に漏洩した水溜まりにおいて高いベータ線、ガンマ線が検出されたことから、同日14時28分、関係法令に基づく「管理区域内で漏洩したとき」に該当すると判断した。
 なお、東京電力は、堰の外にある水溜まりから一般排水溝等に流れている形跡はないことから、海への流出はないと推定している。

■ 朝日新聞によると、東京電力は漏れた量について2箇所の水溜りで計120リットルと回答したという。
組立式円筒型タンクの構造
(写真は原子力規制委員会へ提出した東京電力の資料から引用) 
                      水溜り場所   (写真は東京電力が報道へ配布した資料から引用)
タンク堰の構造
注; 雨水が溜まらないよう集水桝にはドレン弁を設けておき、万一タンクからの漏洩が確認された場合は速やかに閉じる運用とする。                         (図は東京電力が報道へ配布した資料から引用) 
 819日(月)、原子力規制委員会は、東京電力から、福島第一原子力発電所における汚染水貯留タンクからの管理区域内漏洩について報告を受け、つぎのような対応をとった。
 ● 現地原子力保安検査官が、現場の状況などの確認を行っている。
 ● 原子力規制委員会から東京電力に対してつぎのような指示を行なった。
    ・漏洩箇所の早期特定
    ・H4タンクエリア周辺のモニタリング監視強化
    ・漏洩に対する応急対策実施後を目安として汚染土の回収
 ● 国際原子力・放射線事象評価尺度(International Nuclear and Radiological Event Scale:INES)に基づくと、漏洩原因や漏洩量がまだ確定できていないが、汚染水が敷地内に漏洩したことから、「レベル1」(逸脱)と評価した。
(図は電気事業連合会の資料から引用) 
 820日(火)、東京電力は、H4エリアのタンクにおける水漏れについて続報としてつぎのように発表した。
 ● 同エリア内のNo.5(H4-Ⅰ-5)タンク近傍の底部で水の広がりがあり、当該タンクの水位を確認した結果、タンク上部から3m40cm程度まで低下していた。水位は上部から50cm程度であったので、約3m水位が低下しており、水位低下分の水量は約300㎥である。
 ● 漏洩した水のうち、堰内の水は回収を実施(8月20日午前0時時点で約4トン回収)する。ドレン弁を通して堰外へ出た水は土壌に染み込んだと思われ、本日8月20日中に、周辺の土壌の回収を行う。
 ● 当該エリア堰のドレン弁は、全て閉止措置とし、8月19日中に実施済み。
 ● 堤内には、その後も漏洩が継続している。現場は約3時間ごとに状況を点検している。
 ● 漏洩しているタンクを特定した後、タンク上部から仮設ポンプで水抜きを行い、H4エリア内の別グループのタンクに移送する。
■ 朝日新聞によると、東京電力原子力・立地本部の尾野昌之本部長代理は「少ない量が長い期間にわたって漏れていた可能性がある」と話したことを報じている。
■ 朝日新聞によると、東京電力はこれまで堰のドレン弁を常に開けておき、汚染水漏れが見つかると閉めることにしていたという。しかし、今回は汚染水漏れに気づくのが遅れた。
■ 朝日新聞では、漏れた場所として考えられるのは、タンクの継ぎ目部分という。タンクはボルトでつなぎ合わせて造るフランジ型と呼ばれる構造で、短期間で大量に造れるため、事故直後から大量に据え付けられた。しかし、継ぎ目からの水漏れを防ぐゴム製パッキンが劣化しやすく、耐用年数が5年と短い。過去4回の水漏れはすべてフランジ型だった。
 今回漏れのあったタンクは2011年10月から使い始めたもので、「経年劣化は考えにくい」(東京電力)といい、施工不良やボルトの締め付けのバランスが悪いことで、漏れた可能性が考えられるという。
■ 朝日新聞によると、福島県村田副知事は「300トンとはかなりの漏れ。東京電力が的確に監視していれば漏れを少なくできたはずだ」と、東京電力の対応に疑問を呈した。

■ 時事通信によると、東京電力福島第1原発の放射能汚染水を貯蔵する鋼製タンクから大量の水漏れが見つかった問題で、東京電力は20日、漏水したのと同型のタンクが、同原発に約350基あることを明らかにした。このタンクは接合部がゴム製のパッキンで、接合部を溶接するタイプのタンクと比べて水漏れしやすい構造という。同原発事故後、タンクからの水漏れは今回で5回目だが、いずれも同型のタンクだったという。
タンクの設置状況と各タンクの水位 (%で表示) 
(図は東京電力が報道へ配布した資料から引用) 
タンクの設置状況と各タンクの水位 
(図は原子力委員会8月21日会議資料から引用) 
  タンクエリアと排水路の位置 (図は東京電力が報道へ配布した資料から引用) 
 821日(水)、東京電力は、H4エリアのタンクにおける水漏れの続報として対応状況についてつぎのように発表した。
 ● 堰内に溜まっている漏洩水を空きタンクに移送中である。(2日程度で移送完了予定)
 ● タンク堰の外側にある土のう式堤の外側に汚染とみられるエリアがあり、土のう式堤から汚染水や汚染土壌の水がBライン排水路へ流出することを防ぐための対策を実施中である。
汚染水のタンク間移送状 
(写真は原子力規制委員会へ提出した東京電力の資料から引用) 

               土のう式堰の外側の対策  (図は東京電力が報道へ配布した資料から引用)

土のう式堰の外側の対策(8月20日の実施状況) 
(写真は東京電力が報道へ配布した資料から引用) 
 821日(水)、東京電力は、H4エリアにある組立式円筒タンクから汚染水が漏れたことを受けて、構内にある組立式円筒型タンクの今後のパトロール方法について報道発表した。 また、原子力規制委員会へ報告した。
 ● パトロール頻度:2回/日(午前/午後)
 ● パトロールは、タンク周囲の堰およびタンク群内に入り、前後左右の状況を目視し、タンク基礎(床)に水たまりの有無を確認する。不自然な水たまりがあれば、線量を計測し、バックグランドに比べ有意に高ければ漏洩の可能性ありと判断し、詳細調査を行う。
組立式円筒型タンクの配置とパトロールルート(例) 
(写真は原子力規制委員会へ提出した東京電力の資料から引用)
(図はasahi.comから引用) 
 821日(水)、東京電力は、 漏洩した汚染水が排水路に流れた可能性があると発表した。
 ● H4エリアタンクの東側にある排水路の壁面において筋状の流れた痕跡が確認されたことから、当該部の表面線量当量率を測定した結果、最大で 6.0mSv/h(γ+β線(70μm線量当量率))であることを確認。このことから、汚染した土砂等が排水路に流れた可能性がある。今後、詳細な調査および評価を行う。

■ 朝日新聞は、「タンク汚染水 海流出か」という見出しで、東京電力は「汚染水が海に流出した可能性は否定できない」と説明したことを報じている。また、朝日新聞によると、21日夜に開かれた原子力規制委員会の作業部会では、タンクの底から漏れた可能性が指摘されたという。

■ 8月21日(水)、原子力規制委員会は、東京電力からの追加報告を受け、 INES 評価基準を適用して評価すると、「レベル3」(重大な異常事象)に該当すると発表した。
 
■ 朝日新聞は、東京電力の原子力部門のトップの相沢善吾副社長が記者会見で、「汚染水問題は経営の最大の危機、喫緊の最優先課題として取り組む」と述べ、「心からおわび申し上げたい」と陳謝したことを報じた。また、相沢副社長が自らが福島第1原発に常駐し、指揮にあたるとしたという。
 朝日新聞によると、福島第1原発には今回漏れを起こした同型のタンクが約350基あり、大半はタンク内の汚染水の量を確認する水位計がついていないという。また、汚染水をタンクに溜める前の点検を、水漏れが確認しにくい雨天に実施していたという。

■ 8月22日(木)、東京電力は、汚染水貯留用の組立式円筒型タンクを全数点検した結果、他のエリアでも漏洩した可能性があることを発表した。
 ● 8月22日午前11時~午後3時頃にかけて、漏洩したタンクと同様の組立式円筒型タンクの他エリアについて総点検(外観点検、線量測定)を実施。タンクおよびドレン弁の外観点検において、漏洩および水溜まりは確認されなかった。
 ● H3エリアのタンク周辺において、部分的に線量が高い箇所(2箇所)を確認。なお、当該箇所は乾燥しており、堰内および堰外への流出は確認されなかった。なお、当該タンクの水位は受け入れ時と変化がなかった。
  ・H3エリアBグループNo.4 タンク; 底部フランジ近傍:100mSv/h
  ・H3エリアAグループNo.10 タンク; 底部フランジ近傍: 70mSv/h
■ 朝日新聞は、東京電力が22日、別な2基のタンクのそばで高い放射線が検出されたと発表したことを報じた。漏れや水溜まりは確認できなかったが、東京電力は「微量の汚染水が漏れた可能性は否定できない」と回答したという。

■ 日本経済新聞によると、23日(金)に原子力規制委員会による現地調査が行われ、東京電力のずさんな管理体制が浮かび上がったといい、規制委の更田(ふけた)豊志委員は、「点検の記録が残っていない。点検がずさんだったと言わざるを得ない」と東京電力の対応を厳しく批判した。
 日本経済新聞は、 23日夕に経済産業省が有識者を交えて開いた汚染水処理対策委員会では、東電の担当者が「放射線量が高く、タンクの中に入れないので漏水箇所は分からない」と厳しい事情を説明したと報じている。タンクの漏れが発覚して5日たったが、東京電力は汚染水がタンク下部のコンクリート基盤から漏れた可能性を示唆するが、原因を特定できないままだと日本経済新聞は報じている。
タンクの配置と総点検エリア 
(図は原子力規制委員会へ提出した東京電力の資料から引用) 

タンクの設置状況と放射能高線量測定位置 
(図は原子力規制委員会へ提出した東京電力の資料から引用)

H3エリアの放射能高線量測定場所の状況 
(写真は原子力規制委員会へ提出した東京電力の資料から引用)

汚染水が漏れたタンクなどを視察する原子力規制委の委員ら 
(写真はnikkei.comおよびJNN動画から引用)
■ 824日(土)、東京電力は、漏洩のあった組立式円筒型タンクについて建設時の水張試験中に地盤沈下があり、移設した経歴があったことを発表した。
 ● 2011年6月、H1エリアに組立式円筒型タンクの建設を開始した。7月19日、 H1エリア北東側3基で水張り試験中に基礎部分が一部沈下(約20cm)した。 8月上旬にタンク3基を解体し、地盤改良を実施したH4エリアにタンク3基の再組立を9月中旬に実施した。10月上旬に3基のタンクの水張り試験を実施し、問題がないことを確認した。この間、8月に元請会社から基礎部沈下によるタンクへの影響に無いことの報告を受けた。
 ● H4エリアへ移設を行なったタンクは、No.10(元H1エリアNo.3)、No.5(元H1エリアNo.4)、No.3(元H1エリアNo.8)の3基である。同年10月21~24日にかけてタンクの運用を開始した。
 ● 漏洩リスクの低減対策として、H4エリアNo.3およびNo.10タンクの水は、H4エリア内で空きのあるタンクへ移送を行うこととした。

■ 朝日新聞は、「漏水のタンクに移設歴 地盤沈下で損傷可能性」という見出しで、東京電力は地盤沈下の際にゆがみや損傷などが起きた可能性があるとみて究明を進めると報じている。また、朝日新聞は、東京電力相沢副社長が、24日、福島県庁で同型のタンクについて「リプレース(交換)計画を検討している」と述べたことを報じた。福島民報は、タンクのリプレース(交換)計画について、接ぎ目をボルトで締めるタンクから耐久性が高いとされる溶接タイプに切り替えることが想定されるとし、実施時期について相沢副社長は「いつとは言えないが、できるだけ早い時期に示したい」と述べたと報じている。
タンクエリアと移設タンクの配置 
(図は東京電力が報道へ配布した資料から引用) 

H1エリアからH4エリア移設したタンクの場所 
(図は東京電力が報道へ配布した資料から引用)

外観状況確認結果
(写真は東京電力が報道へ配布した資料から引用)

H1エリアの基礎の状態 
(写真は東京電力が報道へ配布した資料から引用) 

 補 足 
■ 東京電力福島原発で使用されている 「地上タンク」には、 以前から既設設備として供用されている一般的な「溶接構造式円筒型タンク」のほか、事故後に導入された「組立式円筒型タンク」および「枕型タンク」がある。「組立て式円筒型タンク」は汚染水や真水の保管用として、枕型タンクは容量100㎥で高レベル廃棄物用として製作されたものである。

 福島原発に組立式円筒型タンクを納入した東京機材工業のホームページによると、同社は組立式円筒型タンクのほか角型タンクも納入しているという。事故後に製作された地上タンクは、現在、950基を超えているが、そのうち組立式円筒型タンクは350基以上という。組立式円筒型タンクは、もともと、土木工事用の仮設の水タンクに用いる目的で製作されたもので、接続部にパッキン(ガスケット)を使用しており、水密性能に限界があり、パッキン寿命は5年といわれる。東京機材工業は、今回の東京電力の放射能汚染水貯留用に大型化したものの技術革新性を売りにしている。

 しかし、東京電力は、2012年2月3日、組立式円筒型タンクを採用した淡水化装置濃縮水貯槽の側板接続部から漏れがあったことを公表している。今回の事故後の記者会見では、このほかに4件の漏れ事例があったという。この組立式円筒型タンクについては、地下貯水槽漏れ事故前の2013年3月12日に東京新聞の記事(耐久性より増設優先、福島第一、急増タンク群 3年後破綻」を引用する形で、「汚染水タンクの手抜きが判明! 溶接をしなかったため、耐久性が減少! 3年後には大改修必至」という問題提起のブログが出されていることは以前のブログの補足で紹介した。

所 感
■ 今回の漏れは、組立式円筒型タンクの底板部からである。タンク構造図によると、タンク底板は5枚の部材に分割され、側板と同様にボルトによる締結構造になっている。このためか、タンク構造図の仕様によると、底板の鋼板厚さは16mmと通常より厚い構造となっている。(注;危険物貯蔵タンクの底板の場合、法令による最小厚さは、タンクの容量が1,000KL10,000KL9mm10,000KL以上で12mmである) この締結構造の場合、据付時の漏れ試験について側板は目視検査ができるが、底板は下部から水が染み出てこないことを確認するのみである。また、底板の締結部から微小漏れがあっても、側板の締結部でできる増し締めができない。 
■ タンクの使用期間は2年弱であり、底板の厚さを考慮すると、内面腐食あるいは外面腐食(基礎側)による開口は考えにくい。従って、底板溶接部の製作時の欠陥を起点とした割れの貫通か、上記に示すように底板締結部のすきま発生による漏れだと思われる。福島第1原発に採用した組立式円筒型タンクで側板部の漏れがすでに5件発生している状況をみると、底板の締結部からの漏れの可能性が高い。
■ 824日になって、漏洩のあったタンクについて建設時の水張試験中に地盤沈下があり、移設した経歴のあったことが発表された。元請会社から基礎部沈下によるタンクへの影響が無いとの報告を受けたことなど責任回避的な印象をもつ。

■ 一般に工場製作の溶接部は健全性が高いとされるが、組立式円筒型タンクの底板部は鋼板を格子状に配置して溶接し、さらに締結用のリム部を溶接するので、溶接欠陥が形成しやすい構造だといえる。溶接技術(溶接士の技量)と品質管理に配慮しなければならない。このように内部欠陥が存在していた場合、水張り試験中の地盤沈下は欠陥のキズを進展させた可能性はある。しかし、タンクは大なり小なり地盤沈下の影響を受けるものであり、底板に締結部のある組立式円筒型タンクは、漏れの許されない放射能汚染水の貯留用としては適当でなく、土木用の水貯留に限定すべきだといわざるをえない。この点、土木用の地下貯水槽を放射能汚染水の貯留用に採用し、漏れが発生して破綻したケースと同じである。  



後 記; ついに組立式円筒形タンクの漏れの問題が顕在化し、後手後手対応の典型的な事例がまた起きたという感じですね。しかし、東京電力福島第1原発の事故情報を調べるのは疲れます。報道関係への配布資料と原子力規制委員会への報告資料に差がありますし、内容がまわりくどい表現が多いですね。今回の事例では、報道関係の取材が活発で、報道への配布資料の曖昧さを記者会見で問われたようです。
 一方、原子力規制委員会も昔(今も?)の原子力村の深層意識が残っているようです。現地原子力保安検査官の存在感がまったくありませんね。今回、 INES 評価基準の適用で「レベル3」(重大な異常事象)に該当することとしましたが、委員会の論点では、すでに「レベル7」(深刻な事故)の評価を行っている施設の応急措置の対応中の事象であり、「レベル3」を改めて評価するのはいかがなものかという話が出たようです。委員の目線は国民の方でなく、原子力村を向いているようです。組立式円筒形タンクの漏れという技術的な問題からだんだん発散していきますので、時系列的に情報を整理した現段階でまとめを終えることとしました。

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