2026年2月9日月曜日

米国ノースダコタ州で石油販売会社の燃料タンクが爆発、タンク屋根が噴き飛ぶ

 今回は、2026110日(土)、米国ノースダコタ州マンダンにある石油販売会社のグレイ・オイル社の施設で燃料タンクが爆発し、タンク屋根が噴き飛んだ事故を紹介します。

< 発災施設の概要 >

■ 事故があったのは、米国ノースダコタ州(North Dakota)モートン郡(Morton)マンダン(Mandan)にある石油販売会社のグレイ・オイル社(Gray Oil)の施設である。

■ 発災があったのは、マンダンのSE40番街2110番地にあるグレイ・オイル社の施設内にある燃料タンクである。

< 事故の状況および影響 >

事故の発生

■ 2026110日(土)午前9時頃、グレイ・オイル社の施設で燃料タンクが爆発した。

■ マンダンと周辺地域では大きな爆発音が聞こえ、人々の神経を揺さぶった。

■ 発災にともない、マンダン消防署が出動した。

■ 消防隊が現場に到着すると、9基あるタンクの中で、発災したのは1基に限定されていた。しかし、この事故により近隣の建物6棟に窓が割れるなど被害が出た。

■ 爆発でタンク屋根部がグレイ・オイル社の敷地外の道路を越えて約340フィート(104m)噴き飛び、駐車場に落下していた。

■ 当局によると、現場では医療関係者が数人を診察したが、この事故による負傷者はいなかったという。

■ 事故の原因は不明であり、調査が行われた。マンダン警察は、マンダン消防署が捜査を主導することを確認した。

■ ユーチューブやフェイスブックでは、事故の状況を伝える動画が投稿されている。 特に3番目のフェイスブックの動画は監視カメラで爆発の瞬間をとらえたものである。  

 Youtube Fuel tank explosion this morning in Mandan2026/01/11

 ●Facebook Explosion in Mandan2026/01/11

 ●Facebook FOR IMMEDIATE RELEASE: Gray Oil Explosion Incident   2026/01/21




被 害

■ 燃料タンク1基が損壊した。内部にあった燃料の残油が焼失した。

■ 近隣の建物6棟に窓ガラスが割れるなどの被害があった。

■ 死傷者はいなかった。

< 事故の原因 >

■ 爆発の原因は、タンク付近で火気使用の作業を行っており、タンクまわりでの火気管理のミスである。

< 対 応 >

■ マンダン消防署長は、「市内でこのような事態が発生するのは稀です。しかし、被害や人命の損失に関しては、他の状況と変わりません」と述べた。

  120日(火)、マンダン消防署は、グレイ・オイル施設で発生した燃料タンク爆発の調査を完了した。調査中に得られた情報にもとづき、この事故は偶発的なものであり、9基のタンクからなるシステム内の1基のタンク付近で火気使用作業中に発生したと判断された。タンクでの作業は事故発生前の1週間ずっと継続されていたという。この事故により、6棟の建物が損害を受けた。燃料タンクの屋根は、事故発生時、元の位置から約340フィート(約104m)離れた駐車場に噴き飛んだ。 

 マンダン消防署は調査結果を文書化し、施設事業者(グレイ・オイル社)と認識を共有した。今後の補修、是正措置、運用の改善については、施設事業所と関係当局が対応するという。

補 足

■「ノースダコタ州」(North Dakota)は、米国の北部に位置し、カナダに接する州で、人口約79万人である。州都はビスマルク市である。ノースダコタ州はシェールオイルの生産による石油ブームが続いており、石油生産量はテキサス州につぐ全米第2位になっている。

「モートン郡」(Morton)は、ノースダコタ州の南部に位置し、人口約34,000人の郡である。

「マンダン」(Mandan)は、モートン郡の東境に位置し、人口約24,000人の都市である。

■「グレイ・オイル社」(Gray Oil)は、1920年代に設立された家族経営的な石油販売会社である。ノースダコタ州マンダンに本社があり、農業生産者・住宅所有者・企業にディーゼル、ガソリン、プロパン、灯油、燃料添加剤、潤滑油を供給している。

■「発災タンク」の大きさや油種などの仕様は報じられていない。グーグルマップで調べると、直径は約3.6mである。高さを68mとすれば、容量は6080KL級の円筒タンクである。

 爆発の瞬間を写した監視カメラの動画によると、作業員の姿が無く、タンクに光が見えたのち、タンク屋根が噴き飛んでいる。このことは、タンク屋根のベント配管が臭気対策などでタンク側板下部まで立下っていて、この末端から可燃性ガスが漏出し、火気作業の何らかの引火源によって火が付き、配管を通じてタンク内の爆発混合気が爆発を生じたのではないだろうか。グレイ・オイル社が取扱っている石油の中で爆発を起こしやすい油種はガソリンとプロパンであるが、円筒タンクに貯蔵していたことから油種はガソリンだと思われる。

所 感

■ 爆発の原因は、タンク付近で火気使用の作業を行っており、タンクまわりでの火気管理のミスである。人身事故は無かったが、米国CSB(化学物質安全性委員会)がまとめた「タンク内外の火気工事における人身事故を防ぐ7つの教訓」20117月)のつぎの項目のいずれかが欠けていたと思われる。

  ①代替方法の採用、 危険度の分析、   作業環境のモニタリング、

  ④作業エリアのテスト、⑤着工許可の発行、⑥徹底した訓練、⑦請負者への監督

■ 爆発後の火災は、監視カメラの動画によると、軽微ですぐに薄い煙に変わっている。このことから、タンク内の燃料は残油程度で多くなかったと思われる。発災現場の向かい側が消防署であるが、消火活動を行った形跡は無い。爆発直後に作業員らしい人影がタンクのそばを慌てる様子もなく、ゆっくり歩いているので、緊迫した状況ではなかったと思われる。


備 考

 本情報はつぎのインターネット情報に基づいてまとめたものである。

   Kxnet.com, Oil tank explosion in Mandan,  January 10, 2026

   Kfyrtv.com, Mandan oil tank explosion still under investigation,  January 13, 2026

   Cityofmandan.com, MFD Completes Fuel Tank Explosion Investigation,  January 20, 2026

   Us1033.com, An Explosion Just Shook Bismark, Mandan Lincoln,  January 10, 2026 


 後 記: 今回の事例では、監視カメラによる映像が投稿されていて状況の理解度が増しました。監視カメラがどこに設置されているのか気になってグーグルマップを調べてみました。すると、現場のすぐ前に消防署があり、その建物にある監視カメラだということが分かりました。

 それにしても、110日の事故に対して120日にマンダン消防署は調査結果を文書化し、施設事業者(グレイ・オイル社)と認識を共有し、今後の補修、是正措置、運用の改善については、施設事業所と関係当局が対応するということです。事故を今後に活かすという点において今回のノースダコタ州の事例は速い対応で、他の州や国も見習って速い公表をしてもらいたいものです。 

 

0 件のコメント:

コメントを投稿