今回は、2022年7月14日(木)、米国のテキサス州バンザント郡の郡道1106号線と郡道1107号線の交差点近くにあるタンク施設で落雷によって貯蔵タンクが火災になった事例を紹介します。
< 発災施設の概要 >
■ 発災があったのは、米国のテキサス州(Texas)バンザント郡(Van Zandt)の郡道1106号線と郡道1107号線の交差点近くにあるタンク施設である。
■ 事故があったのは、タンク施設内にある貯蔵タンクである。
< 事故の状況および影響
>
事故の発生
■ 2022年7月14日(木)の朝、施設内のタンクに落雷があり、火災となった。タンクからは黒煙が立ち昇り、大きな炎が上がった。
■ 発災に伴い、各所から消防署が出動した。出動したのは、エッジウッド署(Edgewood)、フルートベイル署(Fruitvale)、南バンザント署(South Van Zandt)の各消防隊である。
■ 事故に伴う死傷者はいなかった。
被 害
■ タンク3基が火災で焼損した。タンク内に入っていたオイルが焼失した。
■ 負傷者はいなかった。
< 事故の原因 >
■ 事故の原因は落雷とみられる。
< 対 応 >
■ 消防隊の消火活動によって、火災は鎮火した。
補 足
■「テキサス州」(Texas)は、米国の南部に位置し、人口約2,900万人の州である。
「バンザント郡」(Van Zandt)は、テキサス州の北東部に位置し、人口約52,500人の郡である。郡庁所在地はカントン市である。
「エッジウッド」(Edgewood)は、バンザント郡にある人口約1,600人の町である。「フルートベイル」(Fruitvale)は、バンザント郡にある人口約430人の町である。
■「発災タンク」の仕様や内液の情報は報じられていない。グーグルマップで調べると、郡道1106 号線と郡道1107号線の交差点近くにタンク施設がある。同じ大きさのタンクが3基あり、直径は約3.6mであり、高さを5mと仮定すると、容量は50KLクラスのタンクである。固定屋根式(コーンルーフ式)タンクであるが、テキサス州のほかのタンク施設の例からみて油井施設とみられ、内液は原油と水であろう。被災写真を見ると、北側または真ん中にあるタンクの屋根は噴き飛び、近くに落下している。
所 感
■ 貯蔵タンクが落雷によって火災になったものだが、油井施設のタンクと思われる。原油・天然ガスの採掘で近年多用されている水圧破砕法(フラクチャリング)
の関連タンクで、内液は原油と水ではないだろうか。かなり激しい落雷だったようで、タンクの屋根が噴き飛んでいる。
■ 米国テキサス州のボランティア型の消防署による消火活動だったようで、消火活動の写真もみられるが、水ノズルによる冷却を主とした消火活動である。泡消火を行ったかどうかわからないが、おそらく燃え尽きる消火戦略がとられたのではないだろうか。
備 考
本情報はつぎのインターネット情報に基づいてまとめたものである。
・Wkrg.com, VIDEO: Oil storage tank fire in Texas started by lightning
strike, July 15,
2022
後 記: 2022年3月、2年ぶりに油井施設のタンク火災事故(「米国テキサス州バールソン郡の油井用タンクが火災」)を紹介しました。 今回の事故も「テキサス」を検索語にして出てきたローカルのタンク事故情報です。新型コロナウイルス感染拡大によってこの種のローカルのタンク事故は報道されなくなっていましたが、3月に続いて7月にもタンク事故が報道されるところをみると、米国のメディアが活動し始めたかな? しかし、私の方の感度が鈍って事故情報を見逃し、11月になって初めて情報を知りました。ところが、いくつかローカルメディアが伝えていましたが、内容は同じで深掘りできるものではなく、まだまだという感じですね。
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