2020年7月3日金曜日

インドで化学工場のスチレンタンクからガス漏洩、死者12名

 今回は、 202057日(木)、インドのアーンドラ・プラデーシュ州ビシャーカパトナムにあるLGポリマーズ・インディア社のスチレン用貯蔵タンクからスチレンガスが漏洩して、構外へ流出し、12名の死亡者を出したほか、多数の呼吸困難や目の痛みなどの被害者を出した事故を紹介します。

< 施設の概要 >

■ 事故があったのは、インド(India)アーンドラ・プラデーシュ州(Andhra Pradesh ビシャーカパトナム(Visakhapatnam)にあるLGポリマーズ・インディア社(LG Polymers India)の化学工場である。同社は韓国の化学会社LG化学のインド法人である。


■ 発災があったのは、化学工場の容量2,400トンのスチレン用タンクである。化学工場はビシャーカパトナムの郊外にあったが、村など住民の密集した地域に近かった。

アーンドラ・プラデーシュ州ビシャーカパトナムのLGポリマーズ・インディア社の位置

(写真はBBC.com から引用)

ビシャーカパトナムのLGポリマーズ・インディア社付近(矢印が発災タンク)

(写真はGoogleMapから引用)

< 事故の状況および影響 >

事故の発生

■ 202057日(木)午前3時頃、化学工場にあるタンクからガスが漏洩した。


■ 地元住民から、大気中にガスが漂っているという通報があった。漏れたガスは、工場から半径約3kmの範囲に広がったとみられている。漏れたのはスチレンを含んだ有害なガスだった。影響を受けた地域の住民は、呼吸困難・めまい・嘔吐といった症状があったり、ひどい場合は意識を失ったりした。

(写真はNewsmeter.in から引用)

■ 当局は周辺住民に避難指示を出した。化学工場は、3,0004,000人が暮らす村の近くに位置し、事故直後には、工場の近隣地域から約3,000人が避難した。


■ ガス漏れを受け、近隣住民たちはパニック状態で自宅から飛び出した。ソーシャルメディアでは、失神したり意識を失ったりした人々が路上に寝そべる痛ましい場面の画像が拡散した。工場から300mほど離れた場所の住民のひとりは、「目がかゆくて、気だるくなった。目まいがして少し息がしにくくなった」と話している。


■ ガス漏れの発災に伴い、12人が死亡した。約246人が入院しており、約1,000人が呼吸困難や目が焼け付くような痛みなどを訴えた。

(写真は、左;News18.com右;Thehindu.comから引用)

■ 工場内に容量2,400トンのタンク2基と容量3,000トンのタンク1基が並んでいたが、そのうちの1基からガスが漏洩した。タンク内には、1,800トンのスチレンが入っていた。LGポリマーズ・インディア社によると、工場はロックダウン(都市封鎖)を受けて操業を停止していたが、保守点検作業員は常駐しており、夜間シフトの作業員がガス漏れを発見して報告していたという。

(写真はWorld.kbs.co.krから引用)

■ LGポリマーズ・インディア社は、工場内のタンクに保管されているスチレンモノマー(SM)からガスが漏れたとしており、事故要因について「タンクから油のベーパーが漏れて発生したものと推定される」としている。漏れたガスの量は3トンと報じられている。

■ インドでは、新型コロナウイルス対策のロックダウン(都市封鎖令)が3月下旬から実施され、LGポリマーズ・インディア社の工場は3月24日(火)から閉鎖されていた。このとき、工場は無人となっていたと報じられていたが、工場内には一部の従業員はいた。ガス漏れの発生時は、工場を再開するところだった。


■ 翌5月8日(金)未明、再びガスが漏れ、工場の半径5km内にいる住民が避難すると報じられた。しかし、

LGポリマーズ・インディア社は、「ガスの2次流出は事実ではない」とし、「タンク内の温度上昇の憂慮で、万一の事態に備え、警察に住民避難を要請した内容」だっだった説明した。 それとともに、「現在、タンク内に水の投入など必要な措置を進めている」と付け加えた。

被 害

■ 容量2,400トンで、内液1,800トンのスチレン貯蔵タンクからスチレンガスが漏洩し、構外の住民地区に漏れ出し、子供ふたりを含む12名が死亡した。約100人が入院し、約1,000人が呼吸困難やめまいなどを訴えた。死亡原因は、工場から漏出した毒性のスチレンガスの蒸気の吸入だった。

 また、少なくとも32頭の牛、水牛、犬などの家畜が死んだ。


■ 発災場所の近隣住民に避難指示が出され、約3,000人が避難した。 

(写真はBiographydaily.comから引用)

< 事故の原因 >

■ 事故の要因は、スチレン貯蔵タンク内で重合によってスチレンの温度が上がり、毒性のスチレンガスが発生し、タンク外へ漏洩したためである。 漏洩に至った原因は調査中である。


■ 原因は特定されていないが、本来、2022℃以下で貯蔵されるスチレンの温度が上がり、重合によってガスが発生したとみられ、つぎのような要因が考えられる。

 ● 新型コロナウイルスによるロックダウン(都市封鎖令)のため、タンクは3月下旬から約40日そのままの状態で貯蔵されていた。同工場は停止のための適切な措置を行わず、放置していた可能性がある。

 ● 封鎖令の緩和を受け、再稼働の手順を進められていたが、タンク冷却器の故障で、タンクの冷却がされなかったことにより重合反応が起きて、温度が上昇し、スチレンガスが発生した。

 ● 重合禁止剤の4-tert-ブチルカテコール(PTBC)を当時、保有していなかったとみられる。

 ● タンク内の温度を下げるのに役立つタンク側板に設置されているウォータ・スプリンクラー(水噴霧設備)が使用されなかったとみられる。


< 対 応 >

■ 5月7日(木)夕方、インド首相は、緊急の災害対策会議を招集した。


■ 5月8日(金)、 LGポリマーズ・インディア社は、「現在、被害状況を把握していると同時に、住民や役員・社員の保護のため必要な措置を取っている。工場のガス漏れは、現在、止まっている状態で、すでに漏れたガスを吸い込んで嘔吐・めまいなどの症状がある被害者には治療が迅速に行われるよう、あらゆる措置を講じている」と語った。


■ 5月8日(金)、南部のグジャラート州バピで製造された重合禁止剤;4-tert-ブチルカテコール(Para-tertiary butyl catechol:PTBC)500kgが空輸されて、現地でスチレンガス漏れの影響を中性化し、拡散しないように図られた。

            重合禁止剤の空輸 (写真はtimesofindia.indiatimes.comから引用)

■ 5月9日(土)、環境裁判所は、発生したガス漏れ事故の人命被害などに対する損害賠償に備えて資金を供託するよう命令した。また、事故原因を明らかにするため、5人で構成された真相調査委員会を作ると発表した。


■ 地元州政府は、5月11日(月)、LGポリマーズ・インディア社に事故の原因物質であるスチレン13,000トンを韓国にすべて移すよう指示した。すでに8,000トンと5,000トンが韓国行きの船舶2隻に積まれた。 LGポリマーズ・インディア社は、「指示により、工場などに保管していたすべてのスチレンを韓国に移している」と明らかにした。


■ 漏れは無くなったが、臭いは残っている。工場近くの木々は変色しており、周辺の農場のバナナは黒くなり、石のような感じになっている。当局は、テストのために水、土壌、野菜のサンプルを採取しており、結果待ちだという。市長は、「生鮮食品を食べたり、地下水を使用したりしないように住民に助言した。代わりにタンカーを手配した」と語った。


■ スチレンは容易に蒸発するため、20~22℃の温度でタンクに保管され、通常は冷却されている。また、温度は定期的に監視する必要がある。LGポリマーズ・インディア社化学工場の従業員は約360名だったが、タンク温度を監視する3つの直勤務の1直だけがロックダウン中にも配置されていた。この保守と安全を担当する15名の従業員は仕事に就くための許可が発行されていた。


■ インドでは新型コロナウイリスの流行により3月下旬から約40日にわたり全土都市封鎖が続いており、同工場は稼働停止中であった。タンク内には1,800トンのスチレンがそのままの状態で保管されていた。

都市封鎖措置の緩和を受け、再稼働の手順を進めていたところ、ガス漏れが発生した。スチレンを貯蔵するタンクの冷却器の故障が原因である可能性がある。冷却システムの不具合により、貯蔵タンクの温度が安全なレベルを超えたと考えられている。午前2時30分~3時の間に不具合を直そうとしていたが、この時間帯からガスが漏れ、近隣の地区に流出したとみられている。


■ 一方、 LGポリマーズ・インディア社は、停止のための適切な措置をせずに放置しており、重合禁止剤の4-tert-ブチルカテコール(PTBC)が適切に使用されなかったことや、タンクの冷却がされなかったことなどにより重合反応が起きて、スチレンガスが発生したのではないかという見方もある。また、同社では、5月7日(木)でなく、5月4日(月)からの一部地域における封鎖や規制の緩和を受け、再稼働に向けた準備をしていたのではないかとみられている。


■ 5月7日(木)に気温が大幅に上昇し、致命的な漏洩を引き起こした可能性があるという。


■ 当局は、「ロックダウン中のメンテナンスの面で過失があるようだ」と述べ、「緊急用サイレンも消えていた」と付け加えた。地元住民は、漏洩の朝、サイレンは聞こえなかったと話している。元従業員は、「サイレンは長期間使用されなかったため、機能しなかった」と語っている。


■ BBC(英国放送協会)の取材では、過去の検査レポートを読むと、工場のメンテナンスが不十分だったことがはっきりした。2016年8月付けのレポートによると、6基のスチレンタンクのうち1基のタンクの保護用セメント・クラッド(ライニング)が損傷しており、すぐに交換する必要があると指摘されていた。2019年12月のレポートでは、タンク1基でウォータ・スプリンクラー(水噴霧設備)の配管が腐食していた。このウォータ・スプリンクラーはタンク内の温度を下げるのに役立つものである。また、レポートでは、スチレン・タンクのまわりに防液堤を設置するよう推奨していた。しかし、 LGポリマーズ・インディア社や当局は、この問題点がどのように扱われたかの質問に答えなかった。


■ 専門家がBBC (英国放送協会)に語ったところによると、このスチレンを貯蔵するタンクは古いタイプだと指摘した。今の新しいタンクにはセンサーとモニターシステムが設置されているが、古いタンクにはこれらの先端技術がないという。ただし、不幸中の幸いなことには、タンクベント(安全弁)がうまく機能していた。そうでなければ、事故の規模は壊滅的だっただろう。


■ 漏洩事故後、 LGポリマーズ・インディア社は、2017年以降、必要な環境認可なしで操業していたことが明らかになった。同社は必要な認可なしに操業していたことを認めたが、州の公害防止委員会からの同意を得ていたと述べている。

(写真は、左;Outlookindia.com右;Timesofindia.indiatimes.comから引用)

補 足

■「インド」(India)は、正式にはインド共和国で、南アジアに位置し、インド亜大陸の大半を領してインド洋に面する人口約13億3,400万人の連邦共和制国家である。首都はニューデリー、最大都市はムンバイである。

「アーンドラ・プラデーシュ州」(Andhra Pradesh)は、インド南東部に位置し、人口約4,900万人の州である。

「ビシャーカパトナム県」(Visakhapatnam)は、アーンドラ・プラデーシュ州の東部に位置し、人口約429万人の県である。


■「LGポリマーズ・インディア社」 (LG Polymers India)は、1997年に韓国のLG化学が現地企業を買収して設立した化学会社である。もとは、「Hindustan Polymers」と称して1961年に、インドでスチレンモノマー、ポリスチレンなどを製造する会社として操業していた。


■「スチレン」は、芳香族炭化水素で化学式はC8H8、特有の臭いがある無色透明な液体で、沸点145℃、引火点32℃、比重0.91で、合成樹脂や合成ゴムの原料などとして使われる。スチレンは蒸発しやすく、蒸気密度は3.6(空気1.0)である。スチレンを含んだ空気を吸った場合、頭痛や吐き気、めまいなどの変調が起こることがある。脈拍異常が起きたり、昏睡状態に陥ったりする場合もある。


■「発災タンク」の貯蔵能力は、2,000トン、2,400トン、5,000トンといろいろな値が報じられており、直径や高さなどの仕様は分かっていない。グーグルマップで工場内と調べると、タンクが3基並んでいるところがあり、発災写真を見比べると、真ん中のタンクが発災タンクである。このタンクの直径は約17mで、高さを13mと仮定すれば、容量は2,900KLクラスとなる。これらから、発災タンクの容量は2,400トン(2,600KL)の値を採用し、直径約17m×高さ約13mクラスのコーンルーフ・タンクだと推測した。タンク内の液量は1,800トンの値を採用した。

 「発災タンク」を近くから撮影した写真は1枚だけあった。事故後に消防などが立入りした際に撮られたものと思われるが、タンク側板まわりにはウォータ・スプリンクラー(水噴霧設備)の配管が見られる。発災時の写真でタンクから白煙(スチレンガス)が出ている際に、散水はされていない。

(写真はCdn.dnaindia.comから引用)

■ 産業保安ポータルサイト「さんぽのひろば」(産業技術総合研究所 安全科学研究部門 爆発利用・産業保安研究グループ)では、注目の化学災害ニュースとして今回の事故を取り上げ、現場の保安の観点で 「新型コロナでロックダウン、そのとき工場はどう動くべきか?」と題して、事故要因の論点と事故を防ぐための「チェックポイント」を提案している。主な点を以下に示す。

 論点1; 重合反応の抑制

【チェックポイント】
 今一度、重合反応をコントロールできるかどうか確認すること。温度管理、重合禁止剤の使用法に落とし穴がある。
 ● 取扱物質の温度上昇による重合危険性について理解し、教育周知しているか?

 ● 温度管理の重要性、温度上昇時の危険性、除熱方法を手順書に明記しているか?

 ● 重合発熱の危険性のある内容物に対して、常時監視する温度計を設置しているか?

 ● タンク内の温度は一様ではないかもしれない。タンク内の一部で温度が上昇していても、それを検出できないような温度計配置になっていないか?

 ● 重合反応を抑制するのに十分な除熱設備(冷却システム)を設置しているか?

 ● 重合禁止剤には、温度の適用範囲があることを理解しているか?

 ● 重合反応で発熱を起こす物質のタンク貯蔵に関して、物質特有の蒸気圧力(温度)と大気圧力との縁切り圧力(温度)や緊急降圧装置の作動圧力(温度)を把握した上で、緊急事態の対応計画を策定しているか?


 論点2; タンク内に大量の物質を残したままロックダウン

【チェックポイント】 

 突然、ロックダウン(都市封鎖)が発令され、プラント停止が要請された場合であっても、プロセス内に残された物質の管理機能を維持できるように準備を整えておくこと。

 ● 生産停止していても、異常事象は起きるかもしれないことを認識しているか?

 ● 教育し、適切な人員を配置しているか?

 ● 異常事象について監視するための機能(計装などのハードウェア)は付いているか?

 ● ロックダウン中は、現場に最小限の人員しかいないことが想定される。異常発生時に、外部に連絡して協力を要請する仕組みはできているか? 緊急時に確実に外部と連絡がとれるよう普段から訓練しているか?

 ● そもそも、タンク等に入っている危険性物質を取り除いてから、ロックダウンに入る方法を検討しているか?


 論点3; 周辺住民への緊急連絡

【チェックポイント】
 事故の発生と避難について、事業所内や周辺住民に速やかに周知するための仕組みを構築しておくこと。
 ● ガスが大気中に漏洩した場合、どのくらいの濃度のガスが、どのくらいの時間で、どのくらいの距離に到達するかシミュレーションしているか? その情報を事業所内で共有しているか?

 ● 事故が発生した場合、周辺住民に知らせるための手順を定めているか? 実際に周知を実行する担当者を(担当者不在の場合の対応も含めて)決めているか?

 ● 行政側(消防・警察など)と協議して作成した緊急対応計画を、緊急時に確実に実行できるよう普段から訓練しているか?

 ● 周知や避難を含む事故発発生時の対応について、普段から周辺住民や行政とコミュニケーションをとり、協力関係を構築しているか?


所 感

■ 今回の事故は、状況は異なるが、2019年5月に起こった「韓国のスチレンモノマー装置でタンクからオイルミスト噴出」の原因と類似している。韓国の事故では、「スチレンモノマー装置における異常な重合によってタンク内圧が上昇し、噴出した。この背景は、スチレンモノマー装置の重合の危険性に対する事業所の認識の甘さのため、タンクの温度・圧力管理が不適切だったとみられる」

 今回の事故では、「本来、20~22℃以下で貯蔵されるスチレンがタンク冷却器の故障で、冷却がされなかったことにより重合反応が起きて、温度が上昇し、スチレンガスが発生した」とみられる。この背景には、スチレンの重合の危険性に対する事業所の認識の甘さのため、タンクの温度・圧力管理が不適切だったといえ、事故の原因は運転管理ミスによると思われる。


■ この点、「補足」で紹介した「産業保安ポータルサイト“さんぽのひろば”(産業技術総合研究所)で列記されたつぎの3つの項目

 ● 「重合反応の抑制」

 ● 「タンク内に大量の物質を残したままロックダウン」

 ● 「周辺住民への緊急連絡」

の指摘は傾聴に値する。

 日本では、新型コロナウイリス対策においてロックダウン(都市封鎖)は発令されなかったが、自粛要請ではなく、緊急に都市封鎖令が発令されたとき、的確に対応できるだろうか。



備 考

 本情報はつぎのインターネット情報に基づいてまとめたものである。

    ・N-seikei.jp, LG化学 インド工場・休業中のスチレンタンクでガス漏れ 11人死亡 1千人呼吸困難に,   May  08,  2020

    ・World.kbs.co.kr, LG化学のインド工場でガス漏れ発生 11人死亡,   May  08,  2020

    ・Bbc.com,  インド工場でガス漏れ、13人死亡 無人状態で化学反応か,   May  08,  2020

    ・Asahi.com,  インド化学工場でガス漏れ、11人死亡 韓国系の施設,   May  07,  2020

    ・Yahoo.co.jp, 「ガス漏れ」のLG化学に5億ルピーの供託金を命令=インド環境裁判所,   May  09,  2020

    ・World.kbs.co.kr, LG化学のインド工場でガス漏れ発生 11人死亡,   May  08,  2020

    ・Donga.com,  インドのLG化学工場でのガス漏れで9人が死亡,   May  08,  2020

    ・Cnn.co.jp,  化学工場のガス漏れで11人死亡、数百人が入院 インド,   May  08,  2020

    ・Japan.ajunews.com, LG化学"インド工場の2次ガス漏れ、事実ではない…住民避難令は先制措置,   May  08,  202

    ・Excite.co.jp,  韓国LG化学工場ガス漏れ事故、インド当局「EUや米国で起きたときと同水準の補償求める」,   May  15,  2020

    ・Afpbb.com,  印工場でガス漏れ、11人死亡 1千人搬送 コロナでタンク放置か,   May  08,  2020

    ・Bbc.com,  LG Polymers: Was negligence behind India's deadly gas leak?,   May  24,  2020

    ・Wikipedia.org, Visakhapatnam gas leak,  June  27,  2020

    ・Timesofindia.indiatimes.com, Glitch in refrigeration unit led to Vizag gas leak: Official,  May 08,  2020

    ・Indianexpress.com, Thick air, pungent smell: How gas leakage tragedy unfolded at Visakhapatnam’s LG Polymers plant,  May 07,  2020

    ・Indiatoday.in, Visakhapatnam Gas Leak Updates: Day after tragedy, gas fumes begin leaking again,  May 08,  2020

    ・Thehindu.com, Visakhapatnam gas leak | Updates,  May 07,  2020



後 記: 今回の事故は、同じインドで起こった「インドの化学工場で硝酸用貯蔵タンクが爆発、死傷者87名」(2020年6月3日発生)より後に紹介することになってしまいました。化学プラントのプロセス事故とみなし、詳しく調べなかったのですが、硝酸用貯蔵タンクの爆発事故を調査していたら、ひと月前の今回の事故情報が混在して惑わされました。硝酸用貯蔵タンクの爆発事故をまとめて、改めてスチレンガス漏洩事故を調べ始めました。

 スチレンガス漏洩事故をひと通りまとめましたが、事故状況やタンクの大きさなどにつじつまが合わず、すっきりしません。情報がオープンなのは良いことなのですが、いろいろな人が必ずしも正確ではない情報をもとに話しているので、全体を通してみると、食い違いが出てきます。そこで、事故情報を調べ直しました。まだ、不明瞭なところは残っていますが、一応整合性はとれてきました。

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