(写真はKSLA.comから引用)
|
< 発災施設の概要 >
■ 発災施設は、米国テキサス州パノラ郡カーセッジにあるSMエナージー社(SM Energy
Co.)が所有する油井関連施設である。
■ 発災タンクは、SMエナージー社のオズボーン油井#4に付帯するタンクである。
発災場所はカーセッジとデ・ベリー間にある油井施設
(写真はグーグルマップから引用)
|
< 事故の状況および影響 >
事故の発生
■ 2015年5月19日(火)午前3時頃、SMエナージー社のパノラ郡にある油井関連施設のタンク設備に落雷があり、火災となった。前日の18日(月)の夜から雷を伴う嵐が同地域を通過していた。
■ パノラ郡デ・ベリーのPR
7321沿いに住んでいるカレン・リッターさんによると、油井施設は自宅の裏口から約500フィート(150m)離れたところにあるといい、「雷の落ちるバリバリという音が聞こえたと思ったら、すぐにドーンという音が聞こえたわ。ものすごく近くに感じたし、大型トレーラーがゴロゴロと近づいてくると思ったわ」と語っている。リッターさんは911番の緊急通報を行なった。
■ 現場では、タンク1基が損壊し、ほかの3基が火災になった。
■ 火災の熱は、タンクの裏側に設置されていた金網フェンスが溶けるほど激しかった。
被 害
■ 事故に伴う負傷者は無かったとみられる。
■ 少なくとも施設内のタンク4基が火災で被災した。(被害の詳細情報がない)
< 事故の原因 >
■ タンク内の可燃性ガスが、落雷によって引火したものとみられる。
< 対 応 >
■ 火災発生に伴う消防署などによる対応状況はわかっていない。
(写真はKSLA.comから引用)
|
■ 「テキサス州」は米国南部にあり、メキシコと国境を接している州で、人口は約2,510万人である。
「パノラ郡」(Panola County)は、テキサス州の東部に位置し、人口約23,000人の郡である。
「カーセッジ」(Carthage )はパノラ郡の東部にある市で、人口約6,700人である。デ・ベリー(DeBerry)はカーセッジ市の東に隣接する町で 、人口約190人である。
■ 「SMエナージー社」(SM Energy
Co.)は、コロラド州デンバーを本拠地とし、原油・天然ガスの掘削・生産を行なう石油企業である。同社は1908年に設立され、以前はSaint
Mary Land & Exploration Co.と称していたが、2010年に現在の名称に変更した。インターネットのウェブサイトを開設し、ニュース・リリースを出しているが、当該事故については情報を出していない。
■ 「発災タンク」の仕様は明らかでない。パノラ郡のこの地域は油井の多いところであり、グーグルマップで発災場所を特定できなかった。火災写真をみると、100~200KL級の固定屋根式円筒タンクと思われる。
所 感
■ 5月に「米国テキサス州で相次ぐ落雷によるタンク火災」を紹介したとき、今後も、この種の施設における落雷によるタンク火災の起こる頻度は多いだろうと述べたが、今回はその事例のひとつである。
人口の少ない地域で起ったタンク火災のせいもあって、メディアによる情報は限られていた。近くに住んでいた人は驚いたであろうが、テキサス州では、落雷による油井関連タンクの火災が日常化し、関心の薄い事故だということがわかる。
備 考
本情報はつぎのインターネット情報に基づいてまとめたものである。
・KSLA.com,
Lightning Suspected in Panola Co. Well Site Tank Fire, May 19, 2015
・KTRE.com, Lightning Suspected in Panola Co. Well Site
Tank Fire, May 19, 2015
後 記: 4月から5月にかけてタンクやパイプラインの事故が続いていました。しかし、情報をキャッチしようとアンテナを張っているつもりでも、抜けがあります。今回のタンク火災事故も、たまたま別なことを調査していて、引っかかったものです。今回の情報は、発災場所近くに住む主婦(と思う)のカレン・リッターさんへの取材(だけ)で記事になったものでしょう。火災写真もリッターさんが撮影したものです。インターネットが発展してくると、多くの情報が出てくる反面、既存メディアの記者が少なくなって、掘り下げた取材の記事が少なくなっていくように感じますね。
0 件のコメント:
コメントを投稿