2015年4月15日水曜日

千葉県野田市の廃油処理施設の爆発事故(2013年)

 今回は、貯蔵タンクに直接関係する事例ではありませんが、2013年11月15日、千葉県野田市のエバークリーン社の廃油処理施設で起った爆発・火災事例を紹介します。
(写真はNHKニュース映像から引用)
< 発災施設の概要 >
■ 事故のあった廃油処理施設は、千葉県野田市にあるエバークリーン社が所有する廃油を回収して処理する再生プラントである。廃油回収から処理して再生するまでの流れは図を参照。
(図はエバークリーン社ウェブサイトから引用)
■ 発生場所は廃油蒸留施設であり、本施設の流れの概要はつぎのとおりである。
 ① 廃油タンクローリーで回収されてきた廃油をキャノピー(屋根付き入荷所)で受け入れる。
 ② キャノピーから受け入れた廃油は大きな不純物を除去され、受入れ原油地下タンクに入り、更に、受入れ原油タンクに入る。
 ③ 受入れ原油タンクから、廃油蒸留プラントに入った廃油は70℃前後に熱せられ、マイクロセパレータで遠心分離処理を行う。
 ④ 85℃前後に熱せられ、PX油清浄機で遠心分離処理を行う。
 ⑤ 95℃前後で、蒸留缶によって蒸留処理を行う。
 ⑥ 最終的に蒸留による水分、軽質油、再生重油となる。

< 事故の状況および影響 >
事故の発生
■ 2013年11月15日(金)、午後3時50分頃、操作室にいた従業員が、普段はしない強い有機剤のような臭いに気づいた。さらに、2階機械室内の床面付近に霧のようなものが漂っているのを確認した。この異常を感知したことから、通常の停止操作の手順をとっていたところ、午後4時08分、爆発が発生し、火災となった。

■ 事故発生に伴い、野田市消防本部および他地区の消防署が出動し、約1時間の消火活動の結果、同日午後5時10分に鎮火した。
(写真は4Uinfomation.blog.so-net.ne. jpから引用)
事故による被害
■ この爆発によって、従業員2名が死亡し、9名の負傷者(うち重傷者2名)が出た。爆発の規模が大きく、影響は構外へ及び、13名の負傷者(うち重傷者2名)が出た。 (消防庁発表)
 
■ 爆発の影響は最長で南方向2.3km地点で被害が発生し、近隣企業51事業所の建物86棟が破損した。また、住宅は最長北西方向2.7km地点で被害が発生し、14件の破損(窓ガラス8割程度破損2件、天井板破損1件、窓ガラス数枚破損2件、窓ガラス1枚破損7件、軽微な壁面の破損2件)した。

< 事故の原因 >
■ 事故の直接原因は、ガソリンと軽油の混合物が9,900リットルと大量に投入され、加熱工程で揮発濃度が高まり、そのガスに何らかの原因により着火して爆発したものと推測される。

■ 間接原因としてはつぎの要因があった。
 ● 廃油処理施設の消防法への届出は第四類第2石油類(灯油、軽油など)までで、ガソリンなどの揮発油類(第四類第1石油類)は届けられていなかった。
 ● ガソリンは会社として回収できないとしていたにもかかわらず、ガソリンを回収した。
 ● 過去にガソリンを含む廃油を処理した経験があった。
 ● 排出事業者(自動車解体業)は回収対象物を「廃油」とのみ言い、ガソリンを含むことを伝えなかった。
   回収担当者は、ガソリンが多く含まれたものであったも、有価物であれば扱えるとの認識によって、絶対に回収してはいけないという認識は乏しかった。

< 対 応 >
■ 事故に伴い、野田市消防本部(13隊)、その他広域応援協定により茨城西南広域消防本部(2隊)、 吉川松伏消防組合(2隊)、春日部市消防本部(1隊)及び柏市消防局(2隊)、計17 隊並びに野田市消防団4台32人が消火活動を実施した。

■ 11月18日、消防庁(危険物保安室)は、つぎのような主旨の「廃油処理施設等における事故防止対策の徹底について」(平成25年11月18日消防危第195号)を各都道府県消防防災主管部長宛に通知した。
 ● 廃油処理施設では、多数の事業所から廃油が回収され、ともすると許可品名以外の低引火点の廃油の混入するおそれがあることから、廃油の受入れ時の品質管理の徹底が必要である。
 ● 廃油処理施設では、危険物の加熱・加圧を行なう廃油精製工程や油水分離工程の設備については運転時の適切な監視・制御を行なうとともに、日常点検や定期検査による適切な維持管理を行うこと。
 ● 異常発生時の緊急停止作業や応急対応について、作業手順の再確認を行い、従業員への周知し、訓練によって徹底すること。

< 再発防止策 >
■ 廃油回収タンクローリーから廃油処理施設への受入れ前に引火点分析を行なう。

■ 分析によって引火点の低い油類が検出された場合、廃油処理施設への受入れを禁じる。

< メディアによる報道 >
20131116日 47News 「爆発火災“直前にガソリン臭” 千葉県警など現場検証」
 ●千葉県野田市の廃油精製工場「エバークリーン千葉リサイクルセンター」で、作業員2人が死亡した爆発火災で、重傷を負った作業員が「爆発直前に蒸留施設内でガソリンが気化したような臭いがしていた」と話していることが16日、県警への取材で分かった。
(写真は47news.jpから引用)
20131116日 日経新聞 「廃油精製工場で爆発、2人死亡16人負傷 」
 ● 運営するエバークリーン(東京)によると、爆発があったのは廃油の蒸留施設で、エンジンオイルを精製する作業をしていた。県警は作業手順などに問題があった可能性があるとみて、業務上過失致死傷容疑も視野に詳しい原因を調べる。
 ● 加藤栄作社長は15日夜、本社で記者会見し「(廃油の)遠心分離機から煙が発生し、緊急停止の作業をしたところ爆発した。近隣住民の皆さまにおわびを申し上げる」と謝罪した。同社によると、施設は廃油を集めて不純物を取り除き、蒸留して再生油にリサイクルしていた。
 ● 爆発の衝撃で屋根や壁が吹き飛び、数百メートル離れた場所でも窓ガラスが割れるなどの被害が出た。火災は約1時間後に鎮火した。約600メートル離れた野田市立山崎小学校は窓ガラスが破損。児童らにけがはなかった。

20131117日 千葉日報 「ガス充満し引火か 重軽傷者18人に」
(写真はChibanippo.co.j pから引用)
 ● 野田市の廃油精製工場「エバークリーン千葉リサイクルセンター」で2人が死亡した爆発事故で、県警は同市消防本部とともに現場検証を始めた。県警などによると、同施設はガソリンスタンドや車用品店などから回収したエンジンオイルの廃油から不純物を除去して、ボイラーなどの燃料を製造。作業員は「蒸留施設の遠心分離機から煙が出て、設備を止めたところで爆発した」と話しており、県警は施設内に何らかのガスが充満し引火した可能性があるとみて、業務上過失致死傷の容疑で詳しい原因を調べる。
 ● 爆発で、いずれもエバークリーン社作業員の増田一夫さん(52)と飯田賢治さん(50)が死亡し、59歳と36歳の男性作業員2人が重傷を負った。他に同工場や隣接する別の工場の作業員らも負傷した。県警によると、新たに2人の軽傷者がいたことが判明し、重軽傷者は計18人となった。

20131118日 千葉日報 「揮発性高い油混入? 重傷作業員“現場にもや” 」
 ● 野田市の廃油精製工場「エバークリーン千葉リサイクルセンター」で2人が死亡した爆発事故で、エバークリーン社が爆発当日の15日に通常のエンジンオイルとは異なる揮発性の高い油を回収し、施設内で精製していた可能性があることが17日、同社への取材で分かった。重傷を負った作業員は「作業現場がもやがかった感じがしたので、窓を開けたら爆発が起きた」と同社に説明しているという。
 ● 同社によると、爆発事故を受け13~15日の廃油の回収記録を調査した際、15日に回収した廃油について、ガソリンとみられる油が混入していた可能性が出てきたという。ガソリンは爆発事故があった施設で取り扱われることはなく、通常は別の施設で処理される。

補 足
■ 「エバークリーン㈱」は、再生油の製造・販売、産業廃棄物の収集・運搬およびリサイクル業を営み、従業員約270名の企業で、主に東日本を中心に活動を展開している。 1973年に創業し、千葉県野田市に関東汚泥処理センターを設立し、その後、何度か社名を変え、2003年にエバークリーン㈱と改称し、2013年には本社を東京都千代田区に置いた。1981年に再生重油の精製設備を設置して廃油処理を手掛け始めた。
 なお、事故のあった施設は取り壊し、隣接地に新たな千葉支店新廃油処理施設を設置し、2015年1月から稼働している。
(写真はグーグルマップから引用)
復旧したエバークリーン社千葉支店の工場
(写真はエアバークリーン社ウェブサイトから引用)
■ 消防法では、液体燃料について危険物第四類として分類し、さらにつぎのように区分している。
 ● 第1石油類: 引火点が21℃未満のもの。ガソリン、ベンゼン、トルエンなど。
 ● 第2石油類: 引火点が21℃以上70℃未満のもの。灯油、軽油など。
 ● 第3石油類: 温度20℃で液体であって、引火点が 70℃以上 200℃未満のもの。重油など。
 ● 第4石油類: 温度20℃で液体であって、引火点が 200℃以上 250℃未満のもの。潤滑油(ギヤー油、シリンダー油、タービン油)など。

■ エバークリーン社の廃油処理施設は、「蒸留施設」と「微粉砕・ろ過施設」に分かれている。「蒸留施設」は第3石油類を処理でき、「微粉砕・ろ過施設」は第1石油類を処理できる施設として許認可を得て設置された。しかし、「微粉砕・ろ過施設」の届出は第2石油類までだった。 「蒸留施設」と「微粉砕・ろ過施設」の流れは図を参照。
 一般に第1石油類を除く廃油の再生処理は遠心分離機を用いる方法で行われている。廃油の種類を限定し、廃油の再生は固形不純物と水分の除去に特化しているためである。廃油再生処理工程の例を図に示す。エバークリーン社の廃油処理施設は、マイクロセパレータと称する遠心分離機およびPX油清浄機と称する遠心分離機による遠心分離処理を行なった後、蒸留缶による蒸留工程をとる方法がとられている。このことはかなり広範囲の石油類の廃油を前提に設計されたものと思われる。
 なお、エバークリーン社千葉支店に2015年に設置した新廃油処理施設は、加熱工程や遠心分離を加工を得ることなく、廃油を再生する方法だという。
                          蒸留施設   (写真はエバークリーン社ウェブサイトから引用)
                          微粉砕・ろ過施設   (写真はエバークリーン社ウェブサイトから引用)
                           一般的な廃油処理施設の例   (図はIwanokouyu.co.jpから引用)
■ エバークリーン社は、当該事故について「千葉支店廃油処理施設 火災事故調査報告書」を20149月にまとめ、「要約版」を同社ウェブサイトに公表している。
 また、㈱安全マネジメント研究所による「再発防止策と改善進捗状況について(検証)」を2015年1月にエバークリーン社ウェブサイトに掲載している。事故調査報告書(要約版)を補完するような内容はつぎのとおりである。
 ● 直接原因は、廃油蒸留施設に投入できないガソリンと軽油の混合物である低引火点油類を投入してしまい、精製過程において気化した可燃性ガスに引火して爆発に至ったことが推定されている。廃油回収作業においてどのような過程で、どのようにして低引火点廃油を回収することになったのか、どうして入れることができない蒸留施設へ投入したのか、現場を中心に調査を行い、それに対しての対策策定作業を行っている。(注;内容は掲載されていない)

 ● エバークリーン社では、事故要因の背後要因として、つぎのようなリスクが存在しているとの認識を深めたうえで、対策を立案している。
  ① 廃油を排出する事業場では、第3石油類の廃油に第2石油類(灯油や軽油)や第1石油類(ガソリンなど)の低引火点廃油が混入する可能性がある。
   ② 廃油回収をする企業が、回収の都度、回収現場で引火点を測定することは技術的および現実的に不可能である。
   ③ 廃油を排出する事業者が自ら引火点測定を実施してから廃油を回収させることは現実的でない。
 
 ● この対応としてつぎのような方法をとることとした。
  ① 回収タンクローリーから廃油蒸留施設への荷卸し段階で、回収廃油の引火点検査を行う。
  ② 引火点検査の所要15分間、タンクローリーは待機し、検査合格通知で荷卸しを開始する。
  ③ 70℃を下回る引火点が検出された場合には、本廃油蒸留施設への受け入れを禁止する。当該タンクローリーは別工場の受入れ可能施設へ転送する。

■  当該事故の法令違反上の措置は、2015年1月9日千葉支店従業員5名が業務上過失致死傷の疑いで千葉地方検察庁に書類送検された。その後、2015年3月31日、このうちの2名について 刑事起訴処分が発表された。本件に関するメディアの報道はつぎのとおりである。

2015110日 産経新聞 「野田の工場爆発5人書類送検 ガソリン無許可で処理疑い」
 ● 野田市の廃油精製工場「エバークリーン千葉支店」で2013年11月に発生した爆発事故で、業務上過失致死傷の疑いで県警が書類送検した当時常務だった男(46)らは、工場の業績を上げるために無許可で業者からガソリンを含む廃油を回収していた疑いが強いことが9日、県警の発表で分かった。
 同容疑では5人が書類送検された。工場では、遅くとも2011年頃にはすでに無許可でガソリンを含む廃油の回収を始めていたことも捜査で判明。元幹部らは県警に対し「回収量が増えれば工場の業績が上がるため、利益目的で行っていた」と述べたという。
 ● 県警によると、事故当日の2013年11月15日は、廃油を検品する担当者が休みで、安全確認が不十分なまま、蒸留施設のタンクに市原市の業者から回収したガソリンが混ざった廃油が流し込まれた。その後、廃油の不純物を除去する過程で気化したガソリンが充満。換気しようとした際に静電気が発生して引火したとみられている。

2015115日 千葉日報 「ガソリン含む油処理原因 千葉県警、実験重ね立件 野田の工場爆発」
 ● 発生から約1年2か月、地域を震撼(しんかん)させた大事故の原因が明らかになった。県警は再現実験を重ねて揮発性の高いガソリンを含んだまま処理しようとしたことが原因と断定、9日、工場の運営会社5人の立件に踏み切った。
 ● 業務上過失致死傷容疑で書類送検されたのは工場運営会社「エバークリーン」の当時の常務(46)や千葉支店長(43)ら5人。書類送検容疑は2013年11月15日、市原市の取引先業者から回収した廃油約10,000リットルに、施設では扱えないガソリンが含まれているのを知りながら納入。不純物を除去する作業中に爆発を引き起こして、50代の男性作業員2人を死亡、施設や周辺にいた21人に重軽傷を負わせた。

2015331日 NHK「精製施設の爆発事故 元役員ら2人を起訴」
 ● 2013年、千葉県野田市の廃油の精製施設で爆発が起き、2人が死亡、20人がけがをした事故で、千葉地方検察庁は、施設を経営する会社の元役員ら2人を業務上過失致死傷の罪で起訴し、当時の従業員3人を起訴猶予にした。
 ● 警察は、ガソリンが混ざった廃油を許可なく処理したなどとして、2015年1月、会社の当時の常務や支店長ら5人を業務上過失致死傷などの疑いで書類送検していた。千葉地方検察庁は、このうち、元常務らを業務上過失致死傷と労働安全衛生法違反の罪で起訴した。一方で、当時の従業員3人については「刑事責任を問うのは相当ではない」として起訴猶予にした。
 ● 法人としてのエバークリーン社については、労働安全衛生法違反の罪で起訴し、消防法違反の罪では嫌疑不十分で不起訴にした。

■ 廃油処理施設の事例には、今回の事故と同様、軽質油を含んだ廃油を処理しようとして爆発や火災になった事故がある。
 ● 「廃油再生工場で軽質油が蒸発し爆発・火災」 (失敗知識データベース)

所 感
■ 事故の印象は、英国バンスフィールド火災(2005年)の爆発事象「タンク過充填によってオーバーフローしたガソリンの蒸気雲爆発」に似た状況だったように感じる。爆発の規模からみると、かなりの量のガソリンベーパーが放出されたものとみられる。廃油原料はガソリンと軽油の混合液とされているが、ガソリンの割合が相当多かったものと思う。
 廃油は再生処理工程に入り、70℃、85℃、95℃と加熱されて遠心分離で攪拌が行われ、マイクロフィルターだけでなく、開放系の中間タンクなどからガソリンベーパーが多量に放出し、蒸気雲となって流れていたものと思われる。蒸留缶などは設計以上の軽質油が供給・加熱され、異常運転の状態だったと思う。発火源は静電気という説が出ているが、ガソリンの引火点は「21℃未満」でなく、-43℃の高引火性である。ガソリンベーパーの蒸気雲が漂っている中では、静電気だけでなく、まわりの電気機器によって容易に引火する。
 (「英国バンスフィールド火災(2005年)」は、当ブログ「最近の石油貯蔵タンク火災からの教訓」を参照)

■ 事故を起こした廃油処理施設は蒸留方式で広範囲の油類を前提にした施設だったと思われるが、設計者の意図と操業者の使用方法に齟齬(そご)があった。ガソリンを含む廃油を再生するには、当該施設のような開放系でなく、製油所の蒸留装置のように密閉系にしなければならない。中質油を含む廃油の処理が可能な施設を選定したことが間違いのもとで、ガソリン量の多い廃油でも処理できるという思い込みが生まれたものとみられる。発災日までたまたま事故にならなかっただけで、いつかは起こるべき事故だったといえる。

備考
 本情報はつぎのインターネット情報に基づいてまとめたものである。
  ・Everclean.jp, エバークリーン㈱千葉支店廃油処理施設火災事故調査報告書(要約版),  January 30, 2015  
    ・Everclean.jp,  事故再発防止のための改善進捗状況について(検証),  January 30, 2015   
    ・Fdma.go.jp, 千葉県野田市工場火災(第6報),  December 05, 2014  
    ・Nikkei.com , 廃油精製工場で爆発、2人死亡16人負傷 ,  November 16, 2013
    ・47news.jp ,  爆発火災「直前にガソリン臭」 千葉県警など現場検証,  November 16, 2013   
    ・Chibanippo.co.j p,千葉日報 「ガス充満し引火か 重軽傷者18人に ,  November 17, 2013   
    ・Chibanippo.co.j p, 揮発性高い油混入? 重傷作業員「現場にもや」 ,  November 18, 2013   
    ・Chibanippo.co.jp , ガソリン含む油処理原因 千葉県警、実験重ね立件 野田の工場爆発,  January 10, 2015  
    ・Sankei.com , 野田の工場爆発5人書類送検 ガソリン無許可で処理疑い,  January 10, 2015
    ・NHK.or.jp ,精製施設の爆発事故 元役員ら2人を起訴, March 30, 2015


 後 記: 今回の事故を紹介しようと思ったのは、この4月初めに事故の責任者が起訴されたというニュースを知ったからです。この事故は、当時、大きく報道されましたし、タンクに関連しているという報道もあったことから記憶していました。調べてみると、事故の調査結果が当該会社からすでに公表されていましたし、まとめるのは容易だろうと思っていたところ、簡単ではありませんでした。調査結果が要約版のため、疑問点が多くあり、インターネットで調べても、当時の報道記事を含めていろいろな情報が出てくるのですが、肝心の答えになるようなものが少なく、考えをめぐらすことになったためです。
 いったいどのくらいの量のガソリンベーパーが爆発に寄与したのだろうか、バンスフィールド事故では爆発の過圧力の影響は爆発点から2km離れたところで感じたというのに対して、今回の事故では2kmを超える場所でも被害が出ているといいます。破壊状況(被害解析)から爆発の過圧力の推定ができるだろうにと想像が膨らんでいきました。裁判が絡んでいるだけに、やや曖昧な情報内容に疑問を残しつつ、まとめることになりました。


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