2012年4月7日土曜日

豪州で貯蔵タンクから有害な液体ピッチが流出

 今回は、2012年2月18日、豪州ビクトリア州ポートランドにあるポート・オブ・ポートランドの港湾施設の一つであるコッペルス社の4,000トン貯蔵タンクから液体ピッチが流出した事故を紹介します。液体ピッチは製鋼所の副産物として生産されたタールで、アルミニウム精錬所の精錬プロセスで電極材料として使用されるものですが、発がん性のある有害な物質で、対応には消防隊のほかハズマット隊員も出動しています。

後記; 最近、テレビはどこも同じような番組をやっていて、面白くないという意見を聞きますが、同感です。ということではありませんが、先日、「100,000年後の安全」という映画のDVDを観ました。放射性廃棄物の最終処分場の状況を扱ったドキュメント映画です。現在、フィンランドのオンカロに地下500mまでトンネルを掘り、そこに放射性廃棄物を無害になる10万年後まで密封保管するというものです。
 すでに廃棄物を搬入し始めていますが、最終的には100年後に終えて完全に埋設してしまうプロジェクトです。この計画では、未来の人間が処分場を掘り返さないかという問題で、標識や石碑を建てるのがよいのか、記録をまったく無くして忘れさせる方がよいのではないかという議論がされているそうです。50年後や100年後の人間を予測することはできるが、300年後の未来を予測することは無理だといいいます。オンカロという場所に決めたのは、地震や火山のない地域で、この10万年間に地盤が動いていないということからだそうです。
 福島の原発事故の対応で日本は右往左往していますが、世の中には、遠い未来のことを考えてそれを実行する人々や国があるということに感心しました。日本でも、このような地下の最終処分場の調査が行われているそうですが、場所については機密事項だそうです。地震や火山のない地域で、10万年の間地盤が動いていない場所に廃棄物を処分しなければならない原子力というエネルギーについて考えさせられる映画でした。

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