2012年4月21日土曜日

米国ワシントン州でタンク防油堤内へガソリン流出

  今回は、2012年3月23日、米国ワシントン州スカジット郡アナコルテスにあるテソロ社の製油所で貯蔵タンクからガソリンが防油堤内へ流出した事故について紹介します。この事故ではワシントン州エコロジー局が環境への影響監視を含め、対応を実施しています。

後記; 以前、2012年1月の米国ニュージャージ州における地下タンクからの油流出事故による環境汚染を紹介した際、米国の議会議員が事故再発防止のために予防条項(セイフガード)を検討しているという話から日本の立法府である議会において法律を作るという本来の姿が見られないという所感を述べましたが、最近、このことを日本政策学校代表理事の金野索一氏が定量的に指摘しています。氏は内閣立法(政府提出)83%、議員立法(国会議員提出)が17%で、国会議員の仕事の大部分が「ジャッジメント」(賛成か反対か)であり、「立法」はわずかであると述べています。
 地方選挙が近づいてくると、議員の活動報告のチラシを見ますが、自治体の行政報告と何ら変わらず、議員としての立法活動の報告はほとんど見られません。
 法律を作ればよいという訳ではありません。現状にマッチしない古くなった法律の見直しも必要でしょう。しかし、このような法律の制定・改訂の必要頻度が少なければ、議員の定数は多過ぎるということです。「ジャッジメント」だけならば、それほど多くの議員は必要ないということです。国や地方の議員定数が多いという話が出るのは必然でしょう。
 

2012年4月14日土曜日

米国テキサス州でタンクから含油廃水が流出

今回は、2011年3月22日、米国テキサス州ガルベストン郡ヒッチコックにあるデューン・エナジー社の所有する貯蔵タンクから原油の混じった廃水が流出し、近くにあるハイランド・バイユー川へ流入した事故を紹介します。この事故後の対応では、アメリカ沿岸警備隊が出動して指揮し、流出油のクリーンアップには環境保全会社のガーナー・エンヴィロンメンタル・サービス社が作業を実施しています。



後記; 北日本の桜前線はこれからでしょうが、西日本の今年の桜は開花が遅いと思ったら、あっという間に満開になり、春の嵐であっという間に散ってしまい、週末の今日は葉桜の下で花見をする人たちがいました。 しかし、今は山桜の葉の新緑がきれいですし、銀杏や柳の葉が出始めて、春らしさを感じる季節がやってきました。
山口県周南緑地の桜

2012年4月7日土曜日

豪州で貯蔵タンクから有害な液体ピッチが流出

 今回は、2012年2月18日、豪州ビクトリア州ポートランドにあるポート・オブ・ポートランドの港湾施設の一つであるコッペルス社の4,000トン貯蔵タンクから液体ピッチが流出した事故を紹介します。液体ピッチは製鋼所の副産物として生産されたタールで、アルミニウム精錬所の精錬プロセスで電極材料として使用されるものですが、発がん性のある有害な物質で、対応には消防隊のほかハズマット隊員も出動しています。

後記; 最近、テレビはどこも同じような番組をやっていて、面白くないという意見を聞きますが、同感です。ということではありませんが、先日、「100,000年後の安全」という映画のDVDを観ました。放射性廃棄物の最終処分場の状況を扱ったドキュメント映画です。現在、フィンランドのオンカロに地下500mまでトンネルを掘り、そこに放射性廃棄物を無害になる10万年後まで密封保管するというものです。
 すでに廃棄物を搬入し始めていますが、最終的には100年後に終えて完全に埋設してしまうプロジェクトです。この計画では、未来の人間が処分場を掘り返さないかという問題で、標識や石碑を建てるのがよいのか、記録をまったく無くして忘れさせる方がよいのではないかという議論がされているそうです。50年後や100年後の人間を予測することはできるが、300年後の未来を予測することは無理だといいいます。オンカロという場所に決めたのは、地震や火山のない地域で、この10万年間に地盤が動いていないということからだそうです。
 福島の原発事故の対応で日本は右往左往していますが、世の中には、遠い未来のことを考えてそれを実行する人々や国があるということに感心しました。日本でも、このような地下の最終処分場の調査が行われているそうですが、場所については機密事項だそうです。地震や火山のない地域で、10万年の間地盤が動いていない場所に廃棄物を処分しなければならない原子力というエネルギーについて考えさせられる映画でした。