今回は、貯蔵タンクに関係するパイプラインの事故情報を紹介します。2011年9月12日、ケニアのナイロビでケニヤ・パイプラインからガソリンが漏れて、爆発・炎上し、多数の死傷者を出した事故です。日本でも報道されましたので、ご存知の方もおられるかと思います。 しかし、報道では多数の死者が出たことについての簡単な記事で、事故状況として「パイプラインが破損」あるいは「パイプラインに穴をあけて原油を盗もうとしたら爆発」という内容でした。この記事だけの記憶がある方は、実際の事故状況は随分違うと思われるでしょう。
後記; 先日、韓国で行われた世界陸上では、マラソンなど長距離種目でケニアの活躍は群を抜いていました。強い選手が続々現れ、圧倒されました。ケニアの陽の部分でした。ところが、その直後の今回の事故では、ケニアの貧困、スラム街の問題など陰の部分が浮かび上がリ、全世界に発信されてしまいました。「がんばれ! ケニア」という気持ちです。
貯蔵タンクの事故は世界的に見ると少なくなく、かなりの頻度で起こっています。2003年北海道十勝沖地震後のタンク火災、2006年英国バンスフィールド火災事故などはタンク構造や消防活動を見直すきっかけになりました。ここでは、貯蔵タンクの事故や関連情報を紹介し、これからの危機管理の参考になることを期待して開設しました。
2011年9月26日月曜日
2011年9月17日土曜日
米国のタンク施設が爆発して死者3名
今回は、2011年8月30日、米国ワイオミング州にあるサムソン・リソーシーズ社の油井に付帯するタンク施設で爆発・火災があり、3名の死者を出した事故を紹介します。前回はカナダにおいて油井に付帯するタンク施設に落雷があり、火災を起こした事故で、8月終わりに油井のタンク施設での事故が続きました。
後記; 事故情報を紹介しようとしたときに配慮していることがあります。それは現実味を感じて疑似体験できるようにすることです。このため、できるだけ事故現場の画像を入れるようにしています。昔から「百聞は一見に如かず」というように、目で見ることで事故を実感できるからです。今回の事故の場合、現場への立入りが制限されたこともあってか、画像を掲載した情報がありませんでした。わずかにラジオ局のウェブサイトに事故以前の写真があり、これを紹介しました。 この観点でいえば、グーグルマップのストリートビューは疑似体験に有用な情報だと感じています。
もう一つは、今回のように死傷者を出した事故の場合、名前と年齢を紹介しています。遠い国の事故ですが、被災者の年を見れば、この人にも家族がいるだろうといろいろな思いが浮かびます。今回の事故の場合、3日目になって死傷者の名前と年齢が発表され、記事になっていました。
後記; 事故情報を紹介しようとしたときに配慮していることがあります。それは現実味を感じて疑似体験できるようにすることです。このため、できるだけ事故現場の画像を入れるようにしています。昔から「百聞は一見に如かず」というように、目で見ることで事故を実感できるからです。今回の事故の場合、現場への立入りが制限されたこともあってか、画像を掲載した情報がありませんでした。わずかにラジオ局のウェブサイトに事故以前の写真があり、これを紹介しました。 この観点でいえば、グーグルマップのストリートビューは疑似体験に有用な情報だと感じています。
もう一つは、今回のように死傷者を出した事故の場合、名前と年齢を紹介しています。遠い国の事故ですが、被災者の年を見れば、この人にも家族がいるだろうといろいろな思いが浮かびます。今回の事故の場合、3日目になって死傷者の名前と年齢が発表され、記事になっていました。
2011年9月9日金曜日
落雷によるタンク火災でカナダ先住民が避難
今回は2011年8月29日、カナダのサスカチュワン州にあるNALエナージー社の油田用施設に落雷があり、タンク火災が起こった事故を紹介します。この事故では、ファースト・ネーションと呼ばれるカナダ先住民の共同体地区に黒煙が流れ、避難するという事態になりました。危機管理(異常事態時の対応)について参考になりますし、カナダ先住民に対するカナダの実情を垣間見る事例です。
後記; 台風12号が西日本に上陸する予想に変わり、雨戸を締めたり、吹き飛びそうな物の風対策をしたりしましたが、山口県は強風圏に入ったにもかかわらず、風も大したことはなく、雨もほとんど降りませんでした。 しかし、紀伊半島を中心として記録的な豪雨となり、遠く北海道まで被害が出てしまう厄介な台風でした。台風進路の東側が要注意といわれますが、今回は典型的でした。それにしても、今年は東日本大震災があり、今度の台風など異常な天災が続きます。以前に貰った防災グッズの袋の中身をチェックしておこうと思っています。
後記; 台風12号が西日本に上陸する予想に変わり、雨戸を締めたり、吹き飛びそうな物の風対策をしたりしましたが、山口県は強風圏に入ったにもかかわらず、風も大したことはなく、雨もほとんど降りませんでした。 しかし、紀伊半島を中心として記録的な豪雨となり、遠く北海道まで被害が出てしまう厄介な台風でした。台風進路の東側が要注意といわれますが、今回は典型的でした。それにしても、今年は東日本大震災があり、今度の台風など異常な天災が続きます。以前に貰った防災グッズの袋の中身をチェックしておこうと思っています。
2011年9月1日木曜日
大連の化学工場の防波堤が台風で決壊
今回は、タンクに直接関わる事故でなく、中国遼寧省の大連にある化学工場の防波堤が台風で決壊し、タンク地区にある有毒な化学物質が流出する危機にあった事故について紹介します。日本の新聞にも、事故後に住民によるデモの抗議によって工場が閉鎖されるという記事が掲載されたので、ご存知の方もあるでしょう。 ここでは、日本の新聞には書かれていませんが、海外報道では防波堤の決壊状況や、なぜ1回のデモの抗議で工場閉鎖が決まったかという背景に関わる記事が伝えられており、これらの情報を紹介します。
後記; 先日、「チャイナ・シンドローム」というアメリカ映画を観ました。約30年前に製作された原子力発電所のメルトダウンの危機を扱った映画です。計器の誤作動で冷却水のレベル低下によって核燃料が露出しそうになるメルトダウンの危機場面は、福島原発事故を知った今観ると、緊張感を実感する映画です。 昨年亡くなった忌野清志郎がやはり同じ頃に歌った反原発の「サマータイムブルース」がインターネットのYouTubeで静かなブームで聞かれているそうです。これも今聴くと、現在の状況を予見していたように思える歌です。 危機管理って何だろうと感じる夏の終わりです。
後記; 先日、「チャイナ・シンドローム」というアメリカ映画を観ました。約30年前に製作された原子力発電所のメルトダウンの危機を扱った映画です。計器の誤作動で冷却水のレベル低下によって核燃料が露出しそうになるメルトダウンの危機場面は、福島原発事故を知った今観ると、緊張感を実感する映画です。 昨年亡くなった忌野清志郎がやはり同じ頃に歌った反原発の「サマータイムブルース」がインターネットのYouTubeで静かなブームで聞かれているそうです。これも今聴くと、現在の状況を予見していたように思える歌です。 危機管理って何だろうと感じる夏の終わりです。