今回は、日本では余り報道されていませんが、米国では下院の委員会にかけられるほどの問題となっているパイプラインからの油流出事故を紹介します。
2011年7月1日、米国モンタナ州のイエローストーン川に敷設されていたエクソンモービル・パイプライン社のパイプラインが破損して油が流出したものです。
後記; 今回はタンクに直接関係した事故ではなく、密接に関係しているパイプラインの油流出事故を紹介しました。 米国のパイプライン事情の一端を物語る事故のように思います。
そして、事故が起こった後の経緯を見ていくと、被害範囲の過小化、後手に回った対応、当事者および規制当局への不信感などは福島第1原子力発電所の事故の経緯と似ているように思いました。 当事者の主張の変化を含め、このように事故後の経緯が情報として出てくることは稀ですので、内容が重なったり、繰返しの部分もありますが、変化の経緯を記すためやや長い事故の紹介になりました。
貯蔵タンクの事故は世界的に見ると少なくなく、かなりの頻度で起こっています。2003年北海道十勝沖地震後のタンク火災、2006年英国バンスフィールド火災事故などはタンク構造や消防活動を見直すきっかけになりました。ここでは、貯蔵タンクの事故や関連情報を紹介し、これからの危機管理の参考になることを期待して開設しました。
2011年7月31日日曜日
2011年7月20日水曜日
タンク内外の火気工事における人身事故を防ぐ7つの教訓
今回は、最近、タンクの工事中における事故が起こっていることから、2010年2月に米国CSB(化学物質安全性委員会)がまとめた安全資料「タンク内外の火気工事における人身事故を防ぐ7つの教訓」を紹介します。
後記; 台風6号が四国に記録的な大雨を降らせているというニュースが流れています。高知県の安芸海岸の防潮堤が壊されている画面を見て、去年、あの海岸沿いの道をずーと歩いたときの記憶が浮かんできました。 河川敷の広い四万十川も増水していますので、沈下橋も沈んでいるのだろうと身近かに感じて心配しています。
2011年7月16日土曜日
イングランドの廃油貯蔵施設で火災事故
今回は、2011年6月3日(金)イングランドのケント州キングスノースにあるエコ‐オイル社の廃油貯蔵施設で起こった火災事故を紹介します。
後記; 今年は梅雨明けが早く、暑い夏がやってきて、うだるような日が続いています。しかし、東日本大震災で被災された方のご苦労に比べれば、不自由のない生活だと感じています。
ところで、今回の事例に関連して思い出したのは、福島第1原子力発電所事故の初期の緊急事態対応のことです。 冷却水の供給が止まり、緊急避難的な措置として外部から放水を行う必要がある段階で、自衛隊のヘリコプターによる放水が最初に実施されましたが、プロの緊急事態対応とはいえません。 東京消防庁の遠距離大量送水装置隊(スーパーポンパー隊)の出動は2転・3転しましたが、あの状況下では、大容量(泡)放射砲システムか遠距離大量送水装置しかなく、戦術上からいえば、遠距離大量送水装置を最優先で使うべきでした。